超小型車載デコーダの比較
車両の小さなZゲージやNゲージ、またHOe等のナローファンにとっては、デコーダの選択にあたってサイズがもっとも重要な要素となることが多い。もともとこれらの小型鉄道模型は、モーター、ライト、配線基盤、集電向上のためのウエイトが競い合うように詰め込まれており、デコーダの割り込む余地がほとんどないからである。
確かに昨今は
DCC Readyが進み、デコーダ用ソケットを持つ製品も増えてはいるが、相変わらず自分でデコーダを半田付けせざるを得ないモデルも多く、またソケットを搭載してはいるものの、デコーダ収納空間が狭く搭載できるデコーダを選ぶ、というケースも決して少なくはない。
そこで、以下に各社から発売されている超小型デコーダを比較紹介してみたい。
なお、欧州Nゲージでは
NEM651規格のソケットを搭載することが一般的になっており、アメリカや日本に比べてもデコーダの小型化が進んでいる。
- Uhlenbrock社「Comfort Mini」
- IntelliDriveと銘打たれた車載デコーダ商品群のひとつで、10.8×7.5×2.4mmの超小型にも関わらず負荷補償(BEMF)機能やSUSI、LISSY端子まで装備する高性能デコーダ。
- ESU社「LokPilot micro」
- 最近元気なESU社からは、13.5×9.0×3.5mmの小型デコーダが発売されている。サイズこそ最小クラスではないが、BiDi対応予定を謳い、ファンクションリマップ対応など機能面では圧倒。
- Lenz社「Gold mini」
- Lenzの誇る最高性能デコーダのmini版は、サイズも11×9×2.9mmと最小クラスを誇る。Silver miniもほぼ同サイズだが、こちらはRailCom等一部の機能が削られている。
- 永末システム事務所「DE19」
- 外形寸法こそ15×14.5mmまたは23×10.2mmだが、薄型基盤採用により厚さがわずか1.9mmしかなく、日本型に多い電車・気動車のメカイス下に搭載することも可能。
- NCE社「Z14SR」
- 多くのファンを有するNCEからは8.6×14.5×3.3mmのデコーダ。アメリカ製では最小クラスと言える。
- TCS社「M1」他
- 14.5×9×3.4mmのサイズは今となってはそれほど小さいとは感じないが、1Aの出力や多くのファンクション、またファンクションのリマップ等が必要な人には便利。ナローファンにユーザーが多かった。
- CT-elektronik社「DCX74z」
- デコーダの小型化に血道を上げるCT社からは、世界最小を謳うこのデコーダ。9×7×2.6mmの小ささに十分な機能を詰め込んでいる。
- Kühn社「M025」
- 少し前まで欧州車用小型デコーダといえばこれ、という時期があった。11.4×8.8×3.3mmはDCC用としては最小ではないが、マルチプロトコル対応としては今でも最小級で、安定した性能によりROCO等にもOEMされている名デコーダ。
- tams社「LD-G-20」
- 11.5×9×2.6mmと最小クラスのデコーダ。デコーダ専業と言えるtams社らしく必要十分にして癖のないところが特徴。定価29.9ユーロも欧州製としては比較的安価。
最終更新:2007年06月27日 23:31