「ライト・コントロール」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ライト・コントロール」(2007/09/07 (金) 17:04:45) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

**ライト・コントロール DCCは元来、多列車を同時に制御するためのシステムと言えるが、同時に[[ファンクション]]として各種の機能(前照灯や室内灯の明滅、汽笛や警笛の吹鳴、パンタグラフの昇降等)を制御する機能も有している。このうち特に灯火の明滅はDCCの最も基本的な機能と言え、[[ファンクション]]を持つ[[デコーダ]]ならほぼ間違いなくライト・コントロール機能を持っている。実際、「停車中の機関車が突然前照灯を点灯、その後おもむろに発進する」というリアルな姿に痺れてDCC導入を決心したファンも多いはずである。 このDCCにおけるライト・コントロールについて、いくつかのテーマに沿って解説する。 -参考サイト:[[カトーカスタムショップサイト内「DCCによるライトコントロール」>http://www.katomodels.com/hobby/dcc/dcc_tips/light.shtml]] ***DCCと電球・LED DCCは給電線としてレールを使うが、給電されているのは交流(双極性)パルス流の7~22V(日本ではN,HOゲージでは一般的に12Vとされるが、現実には[[ブースター]]からは14~16Vが供給されていることが多い)である。この線路電源を直接ライトの電源とする場合はもとより、[[デコーダ]]の[[ファンクション]]出力も一般的には線路電圧よりやや低い程度となって、常時かなりの高電圧が供給されることになる。 アナログ制御の場合は最大で12V、平均値はこれを大きく下回ることから、アナログ車両用として組み込まれている電球式の前照灯や室内灯にとって、DCCの常時12V以上が掛かる状況はかなり厳しく、発熱や寿命短縮等のトラブルが発生しがちである。特に発熱の問題は重大で、一般的なプラ性量産品のN,HO車両では、ほんの数10分程度点灯しているだけでボディが溶融したり、最悪過熱により発火に至ってしまうおそれすらある。 このことから、DCC環境ではなるべく電球を使わずLEDに交換するよう推奨されているが、LEDには極性があることの他に、順方向電圧は白色で3.5V程度、赤・黄色で2.1V程度と線路電圧やファンクション電圧に比べかなり低く、直列に抵抗や定電流ダイオードを挿入する等電圧降下策を取る必要があり、若干の電気知識を必要とする難がある。 さらに線路電源は10kHz程度の高周波(変動する)であるが、電子工作で一般に使われるダイオードはこの高周波に対応しきれず、線路電源からLED用直流を得る整流回路にこのようなダイオードを使うと、位相反転時に逆方向に電流が流れてしまうことが多い。これは短時間ながらLED等の素子を破壊するには十分なもの(LEDの逆方向耐電圧はせいぜい-5V程度)であり、たとえ順調に点灯しているように見えてもLEDの寿命が極端に短くなってしまうことにもなりかねない。 このため整流用ダイオードとして高速スイッチングタイプを使う等の対策が必要となるが、KATOからDCC用として売られているダイオードも残念ながら一般用であり、入手が難しいといった問題点もある。 -[[「ガッタンゴットン鉄道模型」サイト内記事>http://modelrr.net/archives/2006/02/post_127.html]] ***ライト・ファンクション [[デコーダ]]の[[ファンクション]]出力は、一般的には線路電源電圧より2V程度(回路の内部降圧分)低い直流が供給されている。前述の通り電球には少々荷が重いことから、LEDに交換することが多い。LED化した場合、発熱減少以外に消費電力も減少するため、デコーダ総出力制限に影響を及ぼしにくいというメリットもある。 LEDは、照度が電球ほどは電圧変化により変わらないという特徴があり、機関車停車時の減光や、発電機起動により徐々に明るくなっていく様子を表現するのは難しかった。しかし最近はLEDの高い反応速度を活用し、パルス状の直流を出力することで見かけ上の明るさをコントロールできるようになった。 また、アメリカの実物機関車は多くのライトが搭載され、ストロボやディッチライト等様々なパターンで点灯されているが、[[Digitrax]]社を初めとするアメリカメーカーを中心に、これらのパターンを表現することができる[[デコーダ]]が販売されており、アメリカ型機関車ファンに歓迎されている。 なお、室内灯については[[ファンクション・デコーダ]]を組み込んで明滅制御することもできるが、特に日本型のNゲージ模型では長編成を楽しむファンも多く、その車両すべてにデコーダを組み込むことは経済性からも必ずしも重要とはされていない。この場合、従来のアナログ制御用と同様に室内灯を組み込めばそのまま常点灯となるのだが、室内灯のライト回路には線路電源が直接給電されていることになるため、上記の問題点はそのまま当てはまることに注意が必要である。(KATO製白色室内灯は対応済をうたっている) ***アクセサリとしてのライト レイアウト上のストラクチャ等に組み込むライトは、常点灯でいいなら上記の室内灯の例のように線路電源から給電することもできる(前述諸問題に注意)が、[[アクセサリ・デコーダ]]を使って明滅制御することもできる。[[パソコン制御]]と組み合わせて時間経過による照明変化を表現する他、信号機や踏切警報機のライトもコントロールでき、工夫次第でレイアウトに効果的なライティングを施すことが可能。 また、Uhlenbrock社からはレイアウト照明をコントロールする[[IntelliLight>http://www.uhlenbrock.de/3/index.htm]]という製品も発表されており、レイアウトの電飾を総合的かつ簡単に制御できる環境は整いつつある。 ----
**ライト・コントロール DCCは元来、多列車を同時に制御するためのシステムと言えるが、同時に[[ファンクション]]として各種の機能(前照灯や室内灯の明滅、汽笛や警笛の吹鳴、パンタグラフの昇降等)を制御する機能も有している。このうち特に灯火の明滅制御はDCCの最も基本的な機能と言え、[[ファンクション]]を持つ[[デコーダ]]ならほぼ間違いなくライト・コントロールに使えると考えていい。実際、「停車中の機関車が突然前照灯を点灯、その後おもむろに発進する」というデコーダ搭載車両のリアルな姿に痺れてDCC導入を決心したファンも多いはずである。 さらに、デコーダの多くは、アメリカ型機関車の各種発光信号や、蒸気機関車の火室から漏れる炎を表現するための機能も備えている。最近はDCCサウンドに注目が集まっているが、光による演出もDCCの得意技のひとつと言えよう。 この項では、DCCにおけるライト・コントロールについて、いくつかのテーマに沿って解説する。 -参考サイト:[[カトーカスタムショップサイト内「DCCによるライトコントロール」>http://www.katomodels.com/hobby/dcc/dcc_tips/light.shtml]] ***DCCと電球・LED DCCでは給電線としてレールを使うが、給電されているのは交流(双極性パルス流)の7~22V(日本ではN,HOゲージでは一般的に12Vとされるが、現実には[[ブースター]]からは14~16Vが供給されていることが多い)である。この線路電源を直接ライトの電源として利用する場合(後述の室内灯など)はもとより、[[デコーダ]]の[[ファンクション]]出力を電源とする場合(前照灯など)でも、一般的なファンクション出力では線路電圧よりやや低い程度の電圧(10~12Vになることが多い)であり、ライトにとっては常時かなりの高電圧が供給されることになる。 アナログ制御の場合はせいぜい最大で12V、平均値はこれを大きく下回ることから、アナログ用として車両に組み込まれている電球式の前照灯や室内灯にとって、DCCでの常時12V前後という電圧は、かなり過酷な負荷といえる。このため、電球の過熱や寿命短縮等のトラブルが発生しがちとなるが、特に発熱の問題は重大で、一般的なプラ性量産品のN,HO車両では、ほんの数10分程度12Vで点灯を続けるだけでボディが溶融したり、最悪過熱により発火に至ってしまうことすらある。 また、電球の消費電力はモーターに比べても決して少ないものではなく(最近の高性能なモーターなら、電球式の室内灯数両分程度)、すべての電力を担うブースターにとって負担となってしまう上、脱線等のトラブル発生時に過大な電流が流れて車軸や台車の溶融事故につながることすらある。 このことから、DCC環境ではなるべく電球を使わずLEDに交換するよう推奨されているが、LEDには極性があることの他に、順方向電圧は白色で3.5V程度、赤・黄色で2.1V程度と線路電圧やファンクション電圧に比べかなり低いため、直列に抵抗や定電流ダイオードを挿入する等電圧降下策を取る必要がある等、若干の電気知識を要するという難がある。 さらに線路電源は10kHz程度の高周波(信号が送られる際に若干変動する)であるが、電子工作で一般に使われるダイオードはこの高周波に対応しきれない。このため、交流である線路電源からLED用直流を得るための整流回路に普通のダイオードを使うと、位相反転時に逆方向にもわずかながら電流が流れてしまうことが多く、これは短時間とはいえLED等の素子を破壊するには十分なもの(LEDの逆方向耐電圧はせいぜい-5V程度)である。たとえ一見順調に点灯しているように見えていても、実際にはLEDの寿命が極端に短くなった、ということにもなりかねない。 このため整流用ダイオードとして高速スイッチングタイプを使う等の対策が必要となるが、KATOからDCC用として売られているダイオードも残念ながら一般用であり、普通の模型店等では入手が難しいといった問題点もある。 -[[「ガッタンゴットン鉄道模型」サイト内記事>http://modelrr.net/archives/2006/02/post_127.html]] ***ライト・ファンクション [[デコーダ]]の[[ファンクション]]出力は、一般的には線路電源電圧より2V程度(回路の内部降圧分)低い直流が供給されている。常時10V以上の電圧が掛かっているのは、前述のとおり普通の電球には少々荷が重いことから、これをデコーダ搭載の際にLEDに交換してしまうことが多い。ライトをLED化した場合、発熱減少以外に消費電力も減少するため、デコーダの負担が軽くなるというメリットもある(デコーダの出力によっては、そもそも電球を点灯させることができないものもある)。 LEDには、電圧変化により照度が(電球ほどは)変わらないという特性があり、また一般的なデコーダのファンクション出力は単にオン・オフを制御するだけであった。このため従来は、機関車停車時の前照灯減光や、発電機起動によりライトが徐々に明るくなっていく様子を表現することはできなかった。しかし最近はLEDがオン・オフに高速に反応できることを利用し、モーター出力のようにパルス波を変動させながら出力することで、ライトの明るさを見かけ上コントロールできる機能を有するデコーダも増えてきた。 また、アメリカの実物機関車は多くのライトが搭載され、ストロボやディッチライト等様々なパターンで点灯されているが、[[Digitrax]]社を初めとするアメリカメーカーを中心に、これらのパターンを表現することができる[[デコーダ]]が販売されており、アメリカ型機関車ファンに歓迎されている。 これらの灯火制御用機能を、特にライト・ファンクションと呼ぶことがある。 なお、室内灯については[[ファンクション・デコーダ]]を組み込んで明滅制御することもできるが、特に日本型のNゲージ模型では長編成を楽しむファンも多く、その車両すべてにデコーダを組み込むことは経済性からも必ずしも必要とはされていない。この場合、従来のアナログ同様に室内灯を組み込めば、線路電源がライトに直接供給されることになって、室内灯は常に点灯している(常点灯)ことになる。アナログ制御のように、別途常点灯回路を準備する必要がないのでDCCのメリットとされることも多いが、ライト回路に線路電源を直接給電しているため、上述のさまざまな問題点(発熱・極性・電圧等)が当てはまることには注意が必要である。(KATO製白色室内灯は対応済をうたっている) ***アクセサリとしてのライト レイアウト上のストラクチャ等に組み込むライトは、常点灯でいいなら上記の室内灯の例のように線路電源から給電することもできる(前述諸問題に注意)が、[[アクセサリ・デコーダ]]を使って明滅制御することもできる。[[パソコン制御]]と組み合わせて時間経過による照明変化を表現する他、信号機や踏切警報機のライトもコントロールでき、工夫次第でレイアウトに効果的なライティングを施すことが可能。 また、Uhlenbrock社からはレイアウト照明をコントロールする[[IntelliLight>http://www.uhlenbrock.de/3/index.htm]]という製品も発表されており、レイアウトの電飾を総合的かつ簡単に制御できる環境は整いつつある。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: