小規模亜空間暗黒物質抽出変換炉




《小規模亜空間暗黒物質抽出変換炉/アークリアクター》とは。

 L.G社の開発した〈エネルギー変換炉〉。極小さな亜空間を作り出し、そこから〈暗黒物質/ダークマタ〉を取り出し《擬似魔素》に変換する。《擬似魔素》はエネルギー量こそ《魔素》より少ないが(魔素よりは)扱い易く〈暗黒物質〉から膨大な量を生成できるとゆう利点がある。
 極めて高い出力を誇り、そのままでは危険なほどであるため大量のリミッターが掛けられている。最低安定出力は120万kW±0.6%で、これは加圧水型原子炉一基に相当するエネルギーである。
 リミッター無しの最大出力は太陽の放出するエネルギー(単位時間あたり)に匹敵し、暴走するとそれを直径100m前後という狭い範囲に限定して放出する。これが発生すると、その範囲の空間がほんの一瞬だが破壊(相異次元断層)され物質が消失する。最大出力試験では小さな山一つが消滅、流れ込んだ大気により本島全体を暴風が襲った。

 熱量・電力換算は面倒なので割愛。

 外殻はミスリルステンレスで制作され、次元穴穿孔触媒は純度99.98%の魔素結晶、自己安定型セルフループ回路CPUでの制御となる。
 旧式と呼ばれる、大きさが小型のもので縦横5メートル近くあるアーク・リアクターもあるが、新型以降は制作されていない。旧式の殆どは安定性が悪く、変換エネルギーを電力に限定することで処理を簡易化している。

※ココで言うダークマターは重力物質の一種として定義される、引力量及び方向を定める物質である。ただし、重力物質と言っても引力の要因となる内包エネルギー量の多い物質というだけで、これだけで重力が発生するわけではない。魔素のような妙な特異性を持たない位で物質としての性質は似通っている。

<旧A.R>
A.Rの基礎理論を試験的に再現するために数基造られた旧式リアクター。初号機はバカでかいが安定性が高かった為、本社の地下に。他に特に安定しているものだけを選んでナイトローザ級に搭載されている。
<A.R v0.8>
新型リアクターの初期モデル。安定性を重視し、出力は最低限。暴走すると、破片手榴弾一ダース程度の爆発を起こす。
<A.R v1.03>
完成型に三箇所の改良を加えた正式版。安定性は若干低下しているが、出力が大幅に上がっている。また、この型から、魔素の物質化が可能になっている。出力試験で山を消し飛ばしたのはコイツ。
<A.R v2.0>
従来、円柱形であったリアクターを様々な形状で作れるようになっている。これの小型版が高周波ブレードに使われている。性能的にはやや低下している。
<A.R v3.1>
大幅な改良が施されたリアクター。さらに小型になり、安定性も上昇。干渉力も大幅に上昇している。設定により発光色が変化する。
<A.R v4.09>
さらなる小型化が為されたリアクター。干渉力は維持しているものの出力と安定性は低下してしまった。また、耐用年数も二万時間とかなり短くなってしまっている。
<A.R v5.47>
「第一術式群」の適用によって超小型・高出力・高安定性・高干渉性を得た、A.Rの完成形と言えるモデル。
凄まじい性能向上により、ただでさえギリギリだったものをとうとう制御者側のキャパシティを超えてしまっている。十全な能力を発揮できるのが社長と龍人とA.R.運用とは無関係な大狼織歌の三人という状況に。

アーク・リアクター仕様 Ver1.03 (稼働年数約6年10ヶ月、6万時間)

 外装:直径12.7cm厚さ4.2cm 炉:機械式起動-電子制御-自己安定
 穿孔触媒:99.98%魔素結晶 感応触媒:7.4%エリキシライト混入魔素結晶
 回路:無制限強制冷却式安定型自己完結回路CPU 記憶装置:直接描写式仮想メモリ
 安定出力(電力kW・熱量J/s)最低120万kW±0.6%(1.2GJ/s) 最高3.8垓kW(380EJ/s)
 変換 電力(電位・磁気)・振動(熱・音)・光(量子) 他
 処理 変換炉維持18% (変換領域の固定・安定化 他)
    変換炉調整15% (出力調整 他)
    ベースプログラム21% (リミッター制御 他)
    炉外空間安定処理13% (異常放出・空間歪曲への対処 他)
    エネルギー処理域8% (放出エネルギー管理・変換管理 他)
    術式処理領域17% (追加術式行使予備領域2%・安全マージン15%)
    シルエットギア制御域8% (シルエットギア制御関係全般)

解説

 仕様を見れば分かるように、ARの変換炉制御に殆ど処理能力を喰われている。Ver1.00では総処理が80%に予備20%だったところから、最適化を続けシルエットギア用の処理能力を確保しているため、予備域を使用すればシルエットギアの性能向上が行えないこともない。
 また、瞬間的な術式行使については、全て予備域の処理能力に頼っているのが現状ではある。
 現状では、処理能力不足から出力を持て余している。シルエットギアがいい例である。そこで、POAへの搭載、外部への電源としての使用等によって効率が上がるようにしていく。
 とは言え、本島の電力ですら旧式リアクター一基で賄えている現状では、処理領域の拡張を目指していかなければならないだろう。
POAではエンジン代わりに搭載することで、空いた空間に演算器を詰め込んだが、小型化するのは現状では難しい。

無制限強制冷却式安定型自己完結回路CPU

 ARに直接接続しているからこそ可能な発生した擬似魔素によって冷却を行うことで尋常でないオーバークロックを可能としたCPU。4コア8スレッド定常2.6GHzのCPUを十数GHzという異常なスピードで稼働させている。無論そんなことをすれば普通はCPUが一瞬で灼け飛ぶが、普通の外部からの冷却ではなく、擬似魔素によって原子から直接熱を奪う事で熱の伝達効率を無視したオーバークロックを可能としている。(ついでに劣化も防止している)
 尚、冷却には生成されたばかりの擬似魔素だけを使用する為、AR炉外のCPUの冷却には使用できない。
 AR1.03は一度起動すると常にCPUが75%以上稼働しているというわけのわからない状態である。

直接描写式仮想メモリ

 普通の物理メモリを机とするならば、正に脳の記憶というべきもの。上のCPUがあってこその代物。極最低限の物理メモリを使いARを起動後に擬似魔素によって非実体メモリを形成する事で莫大な記憶領域を確保することが出来る。
 それにより、実質AR制御系はCPU性能だけがボトルネックとなっている。

アーク・リアクターの寿命

 アーク・リアクターの寿命は約6万時間。6.8年である。
 尋常ならざる負荷がかかるCPUがお亡くなりになるためであるが、非実体メモリに蓄積されたデータが失われる為、停止前にデータを抽出しておく必要がある。
 抽出後、シャットダウンし、完全に全機能(特に炉)が停止したのを確認してからCPUと物理メモリを交換する事で、再使用が可能となる。



アーク・リアクター仕様 Ver5.47 (稼働年数無制限)

 外装:直径27.1mm厚さ1.15mm 炉:術式起動-術式制御-自己安定
 穿孔触媒:100%魔素結晶 感応触媒:8.6%エリキシライト混入魔素結晶
 回路:直接描写式魔素CPU 記憶装置:直接描写式仮想メモリ
 安定出力(電力kW・熱量J/s)最低10万kW±0.6%(100MJ/s) 最高8.9垓kW(890EJ/s)
 変換 電力(電位・磁気)・振動(熱・音)・光(量子) 他
 処理 変換炉維持 (変換領域の固定・安定化 他)
    変換炉調整 (出力調整 他)
    ベースプログラム (リミッター制御 他)
    炉外空間安定処理 (異常放出・空間歪曲への対処 他)
    エネルギー処理域 (放出エネルギー管理・変換管理 他)
     計 1%
    術式処理領域90% (追加術式行使予備領域60%・安全マージン30%)
    シルエットギア制御域9% (シルエットギア制御関係全般)

解説

 A.R.第四期安定化計画によって飛躍的な強化が行われたリアクター。「第一術式群」を利用することによって、ネックとなっていたCPUそのモノを直接描写した為飛躍的に処理能力が強化された。また、小型化が進み非常に小さいのも特徴。
 新バージョンのシルエットギアや擬似魔素利用の通信システム等、新しい機能も盛り込まれている。
 Ver5.00は使用されず、Ver5.47まで徹底的に改良が施されている。

直接描写式仮想CPU

 初期起動を外部接続にし、起動後に制御CPUを魔素によって形成することで飛躍的な処理能力向上に成功した。
 魔素で形成するために、起動時間の制限が無くなった。