なぜ、今CNG車か

CNG車が売れていない現状で、どうして新たにCNG車を出したのか。
Ansin社も、CNGが今後の低公害車の主力だとは考えていないようです。
しかし、新しいエンジンを引っ張ってきてまでなぜ新たな車種を
出したのか。
それは、1つは今持っている技術を風化させない為です。
自社製のエンジンを持たないAnsinにはCNGエンジンのノウハウはありませんが、
CNGバスのボディーのノウハウはあります。
この技術が近い将来何かの役に立つかもしれないということです。
技術は財産ですが、放っておいてしまうと何も残らないのです。
もう一つは、海外のメーカーとのつながりを作っておきたいということです。
Ansin社では今まで殆ど国内メーカーからエンジンを調達してきました。
それには当然メンテや信頼性、ユーザーの要望があったわけですが、
国内メーカーが海外メーカーの傘下になるなどの動きがあったこと。
今後海外メーカーの技術が国内に入ってくることも考えられるということ。
今後の展望を考えて、VOLVOの技術を買うことにしました。
なので、CNGに限らず今後も同社の技術を用いた車両が出てくるかもしれません。


新型車体採用のワケ

今回のCNG車開発に当たっては、どうしても軽い車体が必要でした。
Startlineシリーズは前輪に19.5インチの小さいタイヤを履いており、
それだけ前輪に大きな荷重を掛けることができません。
装備品の重量がかさむCNG車では、さらに定員数などが不利になります。
そこで、次期Startlineに載せようと開発が進んでいた新型の軽量ボディーを
前倒しで採用することにしました。
一番の変更点はボディー外板にFRPを多用したことです。
外板はバスのボディーのなかでも重量面で大きな割合を占めるため、
軽量化の矢面に上がるのは自然な流れと言えます。
ちなみに前面、側面のデザインにも若干手を加えていますが、
これは製造過程での合理化を進めた結果です。
特にフロントバンパーは今回のデザイン変更の結果工数が減り、加工が楽になりました。
ランプは当然現行モデルのモノを流用できる設計となっています。


天井に食い込んだCNGボンベ

外見上最大の特徴であるボンベは、天井に150mm程食い込んでいます。
Startlineはもともと天井が高いので、車内高はそれでも2300mm程度確保しています。
これによって車高のアップが抑えられ、重量のアップも防ぐことができました。
ディーゼル車では前方にあったエアコンユニットは、後部屋根上に追いやられています。
最終更新:2012年01月04日 17:22