路線図


さいたまトロリーには普通の他に、一部路線で快速の設定があります。
これは、少しでも速達高架を高める為です。
さいたまトロリーは埼玉県から東京都へと通勤客を運ばなければならないので、
少しでもバスの「遅い」というイメージから脱却しなければなりません。
路線もバスとしては長いので、停留所を飛ばすことによる効果はそれなりに大きいのです。
しかし、そこでここで一つの疑問が浮かびあがります。

「トロリーバス」って、追い越しできるの?!

せっかく停留所を飛ばしても、前のバスを追い抜けないのでは意味がありません。
追い越し設備のある鉄道と違って、架線の1本しかないトロリーバスはそのままでは追い越しができないのです。
しかし、その疑問にはこのように答えましょう(゜o゜)

「誰がトロリーポールを常に上げておけと言った?!」

そう、トロリーバスでもトロリーポールを下ろして走れば、前のバスを追い抜くことができるのです。
なんかキツネにつままれたような気分ですが、トロリーバスでもバッテリーを積んで走れば、少しくらいは
トロリーポールを下したまま走れるのです。
後はキーとなる停留所にトロリーポール昇降用の設備をつけておけば良いだけです。

ただ、残念ながら追い抜ける区間は限られています。
やむを得ず追い抜けない区間では快速の通過する停留所は少なめに設定され、
前の車両との間隔が詰まらないようになっています。

走行方式


さいたまトロリーは、いわゆるデュアルモードバスです。
トロリーバスでありながらトロリーポールを下して走る区間も多く、
道路についても一般道との共用区間もあれば専用レーンもあり、さらには専用道路まであります。
どうしてこんな複雑な路線環境になったかを話し出すと長くなってしまうんで、とりあえずは
それぞれの区間をどのように走行するのかをご説明しましょう。



  • 図01 中央レーン方式(三橋総合公園~曲本西)
中央レーン方式は、道路(国道17号バイパス)の中央よりの上下各1車線をバス専用とし、
仕切りを設けてバスのみの走行とするやり方です。
この区間はトロリーポールを上げて架線の電力で走行します。
他の車両の干渉を受けないので速い速度での走行が可能となります。
BRTとしては理想的な環境ですが、歩道から停留所に至るまでに道路を横断する必要があります。
また、この区間ではバス同士の追い抜きはできないことになります。

参考画像田島団地口付近



  • 図02 一般道走行(曲本西~バイパス美女木)
17号バイパスにはアンダーパスの為地下に潜る区間があり、トロリーバスは建築限界に支障をきたすので
側道の一般道を走行します。
この区間はトロリーポールを上げて架線の電力で走行します。


  • 図03 歩道寄り専用レーン走行(バイパス美女木~バイパス早瀬)
この区間では、図01と違って歩道寄りに専用レーンがあります。
なお、このレーンには仕切りが設けられておらず、物理的には一般車両の進入も可能です。
逆にバスも中央車線にはみ出すことがあります。
これは、この区間で快速バスが普通バスを追い抜くダイヤになっているからです。
但し、架線は歩道寄り(専用レーン)の1車線分しか用意してありませんから、トロリーポールを上げた
車両同士での追い抜きはできません。

したがって、快速・普通はそれぞれ以下のようにしてこの区間を走行します。

例…西高島平駅行き
快速 バイパス美女木でトロリーポールを下す。バイパス早瀬まではバッテリーで走行してその間に先行の普通を追い抜く。

普通 トロリーポールを上げたまま専用レーンを走行。この区間内に後続の快速に追い越される。


図04 専用高架橋走行(バイパス早瀬~西高島平駅)
地図を見て頂くと分かり易いのですが、埼玉県から荒川を超えて東京都に入る区間です。
17号バイパスの笹目橋という橋の隣に高架橋を建設し、バスはそこをトロリー方式で走行します。
高架橋の建設に相当なお金が掛かっているわけですが、一バス会社がこんなもんを建設してやっていけるわけが
ありません。
これにはさいたまトロリー建設までの歴史(※1)が大きく関係しています。

まぁとにかくこの高架橋のおかげでバスは橋を渡る車の渋滞に巻き込まれることなく
西高島平駅に到着できるのです。


図05 一般道バッテリー走行
視線区間等では、一般道をバッテリーで走行します。
一般道への架線の取り付けが許可されなかったり、景観保護の必要から架線を張ることができませんでした。
この区間ではバッテリーに充電された電力、車種によっては補助用のエンジンの動力を使って走行します。
バッテリーへの充電は、架線走行区間に走行しながら行われます。

参考画像八幡小学校付近


最終更新:2011年04月04日 02:28