91Nボディー(1991~2003)


  • R3000M(都市低床 1991~1999)
現行モデルのもとになったクルマです。
水平対向エンジンは昔から採用していたという設定なので、
ショートリアオーバーハング・ロングホイールベースの構成は
この時にさかのぼっても変わりません。
この車両は、1991年当時のラインナップの中で最も床の低かったモデルで、
扁平タイヤの採用等で乗降口の床面地上高は780mmとなっていました。

非常にスクエアな外観になったのはこの時から。
ヨーロッパのスタイルを思いっきり真似するような外観になりましたが、
これは水平対向エンジンとMade In Japanの信頼性とを武器にヨーロッパ市場への参入を企てていた為です。

長いフロントオーバーハングは国内への新たな提案でもありました。
乗降の円滑化はもちろん、(僅かながら)軸重の均整化にも寄与する為、
燃費の向上や定員数の確保にもつながるメリットがありました。
しかし運転感覚の違いや機動性の問題から、この仕様の採用は一部の
都市圏の事業者に留まり、後に追加されたショートフロントオーバーハング仕様にて
採用が進んでいくことになりました。

ボディーは当時としては斬新な造りでしたので、
バブリーな時期は路線バスの高級化の流れにも乗って好んで採用されました。
一方で、専用のライト、大きな窓ガラスなどがコスト高になることから、
一部の事業者では○士重工や○日本車体製で採用される事になりました。


  • R3000MN(前中扉間ノンステップ 1994~2003)

海外には浸透したものの、肝心の国内ではあまり日の目を見なかったN91ボディーに
ようやく明るい兆しが見えたのは、このノンステップモデルの追加でした。
ヨーロッパで普及したノンステップバス用コンポーネントを採用し、
まずは1994年に輸出向けノンステップバスを開発しました。

国内向けにも改良を加えて発売。
従来車をベースとし、ノンステップエリアの窓を下方向に拡大。
逆に、窓上の構造を強化して剛性を確保しています。
バンパーの角にはゴムの部品を採用し、バスベイや歩道に車体を寄せる際こすっても
問題ないような配慮がなされています。

中扉以降は段上げながら、広いノンステップエリアが認められ、
公営事業者を中心に普及が始まりました。

このモデルは排ガス規制ごとのマイナーチェンジを繰り返しながら、
2003年まで製造が続くロングランモデルとなりました。
国産の量産ノンステップバスでは先陣を切ったものの、
ヨーロッパのノンステップバスのフルフラット化や国産他メーカーの
フルフラットノンステップバス開発によって、
このモデルだけではニーズに対応しきれなくなるのは、
この数年先のことになります。

続く

最終更新:2010年08月31日 23:12