Prologue

国土交通省の策定した「ノンステップバス標準仕様」は都市部を中心にノンステップバスの普及を促しましたが、
一方でノンステップバスの足回りの進化を止めてしまいました。
フルフラットノンステが(経済的とはいえ妥協の産物である)前中扉間ノンステに置き換えられる現状は、
いかにして使いやすい低床バスを作り上げるかということをメインテーマとする当サイトの作者にとって非常に歯がゆいものです。

Startline Hybridは、そんな作者の理想と偏見とこだわりの塊です。
ハイブリッドになったのも低床化の為。低公害化はあくまで二の次。
そんな独自の進化(低床化)をとげたガラパゴスハイブリッドについて語っていこうと思います。

ハイブリッド形式の選択

startline hybridでは、低床化を実現するためにシリーズ式ハイブリッドが採用されています。
シリーズ式のメリットとして、エンジンと車軸が切り離されている事で駆動系レイアウトの自由度が上がる点が挙げられます。
また、エンジンを製造していないansinにとって、エンジンとの緊密な連携の必要なパラレル式は端から眼中にありませんでした。
シリーズ式の採用によりエンジンはリアの右隅に押し込まれ、発電に使われています。

エンジン

エンジンはUDの4.6リッター直列4気筒のGH5TA(215ps)を採用。従来の直列6気筒エンジンに比べコンパクトになりました。
排ガス浄化の為、尿素SCRシステムが搭載されています。
このエンジンで発電された電気は、バッテリーを介して後輪内のホイールインモーターに伝わりバスを走らせます。

足回り

上記のようにハイブリッドとしたことで、最後部までフラットな床面となりました。ノンステップエリアの拡大の為にホイールベースを300mm延長し、
その分リアオーバーハングを300mm短縮しています。これもシリーズ式ハイブリッドだからこそなせた業です。
ホイールベースが伸びた分は本来中扉より前のスペースの拡大に使いたいところですが、重量と定員の関係で広い床面にすることができません。
そこで中扉~後輪間を伸ばす事でノンステップエリア座席数の増加と通路傾斜角の減少を図っています。
従来車同様前輪には265/70R19.5の小径タイヤしていますが、通路幅拡大のため後輪には22.5インチのスーパーシングルタイヤが採用されています。
本当は後輪も19.5インチとしたかったのですが、ハイブリッドの重量を支えることと、ホイールインモーターの搭載可否を考慮した結果22.5インチとなりました。
おかげで後輪上座席はかなり窮屈になり、Startline Hybridでは唯一2段の段差(一段当たり200㎜)が生じています。

後輪サイズ・扉位置などの条件が重なり、進行方向左側後輪上のみ2段の段差が生じてしまいました。
海外のように12メートルフルサイズ車であればもう少し余裕のあるレイアウトになったはずです。

ボディー

エンジンに加えモーター、バッテリーなどを搭載するハイブリッド車は、必然的に重くなります。燃費の良さを強く求められる
この種のクルマにとって、車体の軽量化は必須と言えます。従来のstartlineは車内後半の段上げ部の為高い屋根となっていましたが、
フルフラットのハイブリッドでは屋根を300mm下げることで軽量化を図りました。エアコンや屋根上搭載の機器を除いた全高は2750mmとなりました。
この数値は現行の国産ノンステよりも低いものです。フロントガラスも今回は専用の天地寸法の小さなものを使いました。
コストの高いフロントガラスは新規で起こしたくない部品の一つでしたが、これも軽量化の為にはやむをえない選択でした。
全高が低くなった事で前後行先表示機の設置高さも低くなり、遠くからの視認性に僅かに影響を与えてしまいます。
画像でも分かりにくいレベルですが、行先表示機は出来る限り上に寄せて設置されています。
乗降口は前・中・後の3箇所に設置可能です。中・後扉は外側へのスライドドアを標準として車内への干渉をなくし、スペースの有効活用が図られています。
中・後扉は左右で幅が異なりますが、これは扉の隣の窓開口部と干渉させない為です。