前輪への小径タイヤ採用

ノンステップバスの欠点である前輪上の座席の座りにくさを解決する為、
タイヤを小さくしました。
タイヤを小さくするというのは簡単な事ではありません。
支えられる重量が少なくなるので、定員が減少するなどの影響が出ます。
リアエンジンバスの重量の7割近くは後輪にかかる為、比較的負荷の小さい前輪のみを19.5インチ小径タイヤにしています。
前後のタイヤサイズが異なるのはそのためです。
それでもまだ重量に不安があるため、ボディ外板にはFRPを多用しています。
小径タイヤと長いフロントオーバーハングとにより、前輪上の座席にも楽に座れるようになりました。
標準的な22.5インチタイヤの外径が960㎜程度なのに対して19.5インチタイヤは外径870㎜程度であるため、タイヤハウスの高さを90㎜
低くすることができたわけです。
ステップは200mmの段差が1段となっています。

ノンステップエリア座席数の確保(LE1)

実在メーカー各社の大型ノンステップバスでは、ノンステップエリアから直接座れる
座席は7(短尺、都市型配置)しかありません。
StartlineのLE1では中扉を前に寄せ、中扉直後の一列4席を段差前端に置く事で
ノンステップエリアから座れるようにしました。
これでも11席ですが、これ以上増やすには駆動系の変更が必要になってくるので、
コストを考えるとあまり現実的ではありません。
なお、LE1はノンステップエリアを削って座席スペースにしている分、
詰め込みは多少不利となります。

後部の室内高の確保

Startline LEシリーズでは、段上げとなる車内後部の居住性向上のため、
車両全体の屋根を150mm高くしています。一方、前部は十分すぎる室内高が
確保されている為、天井にエアコンが埋め込まれています。

やや下向きに取り付けた行先表示機

空などの映り込みで見づらくなる事を防ぐ為、ansin社のバスでは
昔から行先表示機をやや下向きに取り付けてあります。

大型行先表示機

Startlineシリーズの前後行先表示機設置スペースには、現在主流のものより
さらに縦方向に大きな表示機を設置できます。
大きな表示機を使えば、より多くの情報を載せる事ができます。
複雑な経由地表示や、複数言語の表示にも役立つ事でしょう。

機能最優先の運転席

外見では実在他社と大きく異なるStartlineも、運転席だけは他社に近付けています。
エンジンの供給を受けているUDと共通のインパネを採用しています。
ドライバーにとって、運転操作がメーカーによって大きく異なることは宜しくありません。
また、バス業界の隅っこに位置する(シェアが小さい)Ansin社にとって
運転フィーリングの大きく異なるクルマを売ることは得策ではないのです。

Rをつけた窓枠

窓の端を丸める事で、清掃しやすくしました。
また、内側には補強の骨組みが取り付けられており、車体剛性もアップしています。


最終更新:2014年01月05日 10:46