司法試験 基本書総合案内所 @ ウィキ
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2012-05-23T23:50:44+09:00
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憲法
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**〔体系書〕
-&amazon(4000227815,image,width=46,height=70)&bold(){芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』岩波書店(2011年3月・5版)}……芦部は1999年他界。憲法で伝統的通説といえば、おおむね芦部説を指す。記述は簡潔ながら基本的な知識(共通理解)は本書で一通りおさえられるため、長年受験生からの圧倒的支持を集めている。もっとも、芦部憲法学を凝縮した本書の記述を真に理解するには「行間を読む」ことが求められる。つまり、ある程度の実力がなければ読みこなせない。内容はかなり古く、おおむね平成以降の議論には対応していないが、高橋和之による補訂は依然小規模にとどまっており、芦部原文にはノータッチである。5版においてドイツ憲法の三段階審査についての解説(1ページ弱)が付せられた。
-&amazon(4641130760,image,width=46,height=70)&bold(){高橋和之『立憲主義と日本国憲法』有斐閣(2010年5月・2版)}……書名は論文集のようであるが、人権・統治の全範囲にわたるれっきとした体系書である。著者は前東大教授。芦部の一番弟子で、芦部に続く現在の第一人者。ケルゼンの法段階説に立脚した独特の統治機構論を展開。国民内閣制論の提唱者。私人間における人権の無効力説、司法権の定義に関する独自説、外国人参政権賛成など。古い芦部を補うためのテキストとしてロースクール生の間でも人気があるが、内容は高度。芦部に目線を合わせた単なる芦部のサブノートではなく、芦部よりずっと新しい議論を展開している。したがって、腰を据えて取り組む必要がある。また、直前期の総まとめ等には向かないだろう。
| &amazon(464113118X,image,width=46,height=70) | &amazon(4641131198,image,width=46,height=70) |
-&bold(){野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利著『憲法I・II』有斐閣(2012年3月・5版)}……通称四人組。芦部門下らによるスタンダードな教科書。共著だが各者の自説主張はほぼなく(高橋執筆の15章「内閣」に自説を含むが、一読の価値ある内容)、共著の弊害がそれほど出ていない。大抵のことが詳しく載っており、最近の説にも一応配慮しているが、全体としては芦部ベースの穏当な道を踏み外していない。宍戸教授いわく、「質、量ともに最高の基本書」。憲法学の共通理解を学生向けに丁寧に示した本といえるが、記述が平板なため初学者にはやや読みづらい面がある。通読するというより、辞書として使う学生が多い。2冊あわせて900ページ超。択一対策に万全を期すならば(特に統治に関して)本書以外に選択肢はありえないだろう。
-&amazon(479230511X,image,width=46,height=70)&bold(){佐藤幸治『日本国憲法論』成文堂(2011年4月)}……かつて青林書院から出版されていた旧著『憲法』(第3版、1995年。今では絶版となっている)の実質的な改訂版。もっとも本書においてはレイアウトが横書き・二色刷に変わったほか、叙述の順序も芦部と同じ(人権→統治→違憲審査)になっている。なお旧著は、芦部が刊行されるまでは定番の基本書だった。解釈論は精密で、論理的。漢語を駆使して一つ一つのセンテンスに情報を詰め込んでいるため、全体として情報量がかなり多い。とくに統治の分野の情報量は他の追随を許さない。
-長谷部恭男『憲法』新世社(2011年3月・5版)……定跡+新たな視点。政治哲学(リベラリズム)の視点から判例と学説を補強・再解釈している。平成19年度旧司択一第4問エにて長谷部の解釈が取り上げられている。現東大教授。最近は一般人向けの新書も多く出している。副読本として『Interactive憲法』有斐閣(2006年9月)、『続・Interactive憲法』有斐閣(2011年10月)、『憲法入門』羽鳥書店(2010年1月)。
-戸波江二『憲法』ぎょうせい(1998年7月・新版)……改訂遅れる。しかも改訂待ちのため在庫切れ。一部に少数説もみられるが、基本的には芦部ベース(章立てもよく似ている)。読みやすく、ほどよく掘り下げられた記述は芦部の行間を埋めるのにちょうどよい。
-松井茂記『日本国憲法』有斐閣(2007年12月・3版)……プロセス的憲法観。自然権思想をベースとする芦部説を中心とした通説と対立。
-伊藤正己『憲法』弘文堂(1995年12月・3版)……元最高裁判事。自説主張が控えめなので最高裁判事時代の少数意見集『裁判官と学者の間』有斐閣(1993年2月、OD版 2001年12月)と併読すると吉。全体として、読みやすい文章で丁寧な解説がなされている。前田会社法入門と同じタイプの本。縦書き700頁弱と厚い本だが、スイスイ読み進められるだろう。芦部と同世代の学者であり、本書の内容も比較的古い方に位置する。
-渋谷秀樹・赤坂正浩『憲法1・2』有斐閣アルマ(2010年3月・4版)……ロー1年生、憲法が苦手な人、演習書を見ても解き方がわからない人はとにかくこれを読め、という本。
-辻村みよ子『憲法』日本評論社(2008年3月・3版)……杉原イズムの継承者。東北大学教授。人民主権を発展させた市民主権を提唱。最終的に少数説をとる場合があるも、学説の整理は客観的で丁寧。収録判例も多く、下級審からの流れも分かる。
-☆阪本昌成『憲法1(国制クラシック)・2(基本権クラシック)』有信堂高文社(2011年8月・全訂3版,2011年9月・4版)……古典的リベラリスト。
-大石眞『憲法講義I(2版)・II』有斐閣(2009年4月,2007年1月)……薄かったが2版で厚くなった。内容は高度。
-粕谷友介『憲法』ぎょうせい(2003年4月・改訂)……判例豊富。
-渋谷秀樹『憲法』有斐閣(2007年12月)……学説の対立が鮮明になるような記述。体系が独特。註の文献引用が便利。
-浦部法穂『憲法学教室』日本評論社(2006年3月・全訂2版)……塾テキスト。論理的で明快だが独自説多し。くだけた表現も特徴の一つ。左翼的との評価あり。
-樋口陽一『憲法』創文社(2007年4月・3版)……体系書とは性格を異にし、司法試験テキスト向きとはいえないが(違憲審査基準論が弱い)、教養としては読むに値する。本書以外ではなかなか目に触れないような、しかし芦部などが行間で当然の前提にしている歴史的・比較法的知識を補うことができる。通説・判例の問題点を的確に指摘している個所も多い。芦部と同様、網羅性は他に一段劣るが、択一で問われるような重要なポイントは意外にきちんと押さえている。
-小林昭三他『日本国憲法講義 憲法政治学からの接近』成文堂(2009年9月)……真正保守必携の憲法体系書。明治憲法を評価し、昭和10年代の出来事は西洋が悪いというスタンスで一貫している。集団的自衛権は当然認め、愛媛玉串訴訟では法廷意見を批判して三好意見に賛同する、といった具合である。体系書だが論点や判例は余り拾っていない。
-初宿正典『憲法2 基本権』……体系は基本的に芦部に則っているので芦部の参考書としては非常に使いやすい。判例の引用と評釈も丁寧な隠れた一品。中でも信教の自由の解説は秀逸。
-赤坂正浩『憲法講義(人権)(法律学講座)』信山社(2011年4月)……人権のみ。各種人権について細かく合憲性審査基準を提示しているのが特徴。記述は比較的あっさり。
-毛利 透,小泉 良幸,淺野 博宣,松本 哲治 『リーガルクエスト 憲法1 統治』有斐閣(2011年3月)……情報量が多く、時事的な話題にも富むが、叙述に難あり。学説・自説等の整理区別・引用にも精細さを欠く。他のテキストとの併読が吉。
**〔その他〕
-芦部信喜『憲法学I・II・III』有斐閣(1992年12月,1994年1月,2000年12月・増補版)……芦部『憲法』の人権論を補うための体系書。脚注の参考文献欄が充実しているが、自説についての説明は意外に多くない。収録は居住移転の自由まで。
-高見勝利『芦部憲法学を読む』有斐閣(2004年11月)……芦部『憲法』の統治機構論を補うための体系書。また、最初に書かれている芦部の戦争体験は芦部憲法学を理解するために有益。
-小山剛=駒村圭吾編『論点探究憲法』弘文堂(2005年7月)……有力若手・中堅が執筆。演習書と銘打ってあるものの、論文集として読んだほうが適切。体系書で深く論じられない問題について解説。
-安西=青井=淺野=岩切=木村=齋藤=佐々木=宍戸=林=巻=南野『憲法学の現代的論点』有斐閣(2009/09・第2版)……高橋弟子による論文集。高橋説の補充に使える部分もあるが、著者の独自説も強い。
-井上典之=小山剛=山本一『憲法学説に聞く』日本評論社(2004年5月)……編者の内の1人とゲストの学者が対談し、編者は通説の立場からゲストの学説について質問を投げかけ、それに対してゲストが答える形式。ゲスト陣は、戸波、戸松、市川、大石、長谷部、初宿、棟居、内野、浦部、辻村、高橋、岡田、松井、岩間、浦田と超豪華。それぞれの学説に興味がある場合、また学説の立場から判例や通説の欠点を見極めたいときに本書は役に立つだろう。
-佐藤幸治ほか『ファンダメンタル憲法』有斐閣(1994年7月)……昔の種本。論点解説集。比較的薄めだが、内容は明快かつ簡潔。一行問題時代なので宍戸、急所などの論点よりも易しいが一読の価値有り。
-大石眞・石川健治編『憲法の争点(新・法律学の争点シリーズ3)』有斐閣(2008年12月)……10年ぶりに改訂された。執筆者も大幅に入れ替わったが抽象的なテーマが多い。
**〔コンメンタール〕
-☆芹沢斉・市川正人・阪口 正二郎編『新基本法コンメンタール 憲法』日本評論社(2011年10月)……最新の判例・学説を網羅している。解説は、いわゆるその分野の権威が執筆しているというものではなく、むしろあえて外しているようなところもあり、論点の本格的な検討という点では物足りない。しかし、その分客観性が高く、情報量は多いので、受験用の参考書としては好適である。
-樋口陽一・中村睦男・佐藤幸治・浦部法穂『注解法律学全集 憲法I・II・III・IV』青林書院(1994年9月,1997年8月,1998年12月,2004年2月)……憲法のコンメンタールでは随一。判例・学説の紹介が、非常に網羅的。いわゆる論点は完全に網羅されているうえ、非常に細かい点まで議論されている。たとえば、刑事手続上の人権については、詳しめの基本書でも言及がかなり乏しく、緊急逮捕や盗聴の合憲性が論じられる程度にとどまるが、このコンメンタールは違う。憲法34条の「抑留」には逮捕・勾引が含まれ、「拘禁」には勾留・鑑定留置が含まれるために、後者についてのみ、憲法34条後段により理由開示が保障される、など、かゆいところに手が届く丁寧さ。特に、佐藤幸治と中村睦男の執筆箇所は、学説資料へのリファーが充実しているので、調べものにも大変役に立つ。司法試験対策のための学習にも有益。学習で疑問が生じて、本書を調べれば、疑問は氷解するだろう。本書1巻のうち、佐藤幸治が憲法13条について解説している箇所は、学説が自己決定権を論じる際、いまだに頻繁に引用されるなど、特に評価が高い。
-芦部信喜監修『注釈憲法』有斐閣(2000年12月)……全6巻(予定)。芦部信喜を監修者として、野中俊彦・戸松秀典・江橋崇 ・高橋和之・高見勝利・浦部法穂という豪華メンバーで編集作業に当たる予定だったが、芦部の死去により1巻が出たのみとなっている。1巻は総説から9条まで。なお、同タイトルの新書が有斐閣から出ているがこちらは出版年が1995年とやや古い。
**〔判例集〕
-高橋和之・長谷部恭男・石川健治『憲法判例百選I・II』有斐閣(2007年2月,2007年3月・いずれも5版)……執筆者は大幅に入れ替わったが、解説は相変わらず玉石混交。
-戸松秀典・初宿正典『憲法判例』有斐閣(2010年3月・6版)……解説なしの判例集。判旨引用は百選より長く、反対意見等の掲載も豊富。章立ては独特。
-野中俊彦・江橋崇編著『憲法判例集』有斐閣新書(2008年12月・10版)……解説なし。要点を要約しており新書サイズなので便利。
-井上典之『憲法判例に聞く』日本評論社 (2008年4月)……違憲審査基準以外の判例の思想を分析。引用文献を見ないとわからないことが多い。
-大石眞・大沢秀介『判例憲法』有斐閣(2009年4月)……適度に解説が付せられた憲法判例集。
**〔ケースブック〕
-長谷部恭男・赤坂正浩・中島徹・阪口正二郎・本秀紀『ケースブック憲法』弘文堂(2010年3月・3版)……判旨のみ。設問が難解。独習はまず不可能、可能な人も(試験対策としては)やる必要がないレベル。長谷部執筆箇所と思しき章は、長谷部の一人説が全面的に展開される、長谷部ワールド。
-初宿正典・大石眞・高井裕之・松井茂記・市川正人『憲法Cases and Materials 人権基礎編・人権展開編・憲法訴訟』有斐閣(2005年8月,2005年8月,2007年5月)……判例の解説、文献の引用が充実。ケースブックの中では一番わかりやすく、独習にも使用できる。
-LS憲法研究会『プロセス演習憲法』信山社(2007年4月・3版)……評価待ち。
-浦部法穂・戸波江二編著『法科大学院ケースブック憲法』日本評論社(2005年7月)……一審からの判決文にちょこちょこっと問題文を付加。解説はない。
**〔演習〕
-木下智史・渡辺康行・村田尚紀編著『事例研究憲法』日本評論社(2008年6月)……長文事例問題集。判例・裁判例をベースとした設問多数。問題文における「問いかけ方」は本番と同様だが、本当の意味で本番と同じ質・量を兼ね備えた問題は稀である。解説にはやや癖のあるものが多い。
-棟居快行『憲法解釈演習』信山社(2009年5月・2版)……評価待ち。
-小山剛・新井誠・山本龍彦『憲法のレシピ』尚学社 (2007年4月) ……評価待ち。
-棟居快行『旧司法試験 論文本試験過去問 憲法』辰巳法律研究所(2001年1月)……旧司法試験の過去問集。棟居教授の解説講義を書籍化。辰巳作成答案、解説(+答案検討)、教授監修答案からなる。全24問。絶版だったがオンデマンドで復刊された。
-宍戸常寿『憲法 解釈論の応用と展開』日本評論社(2011年2月)……法学セミナー連載(640号〜669号)の単行本化。最近の学説に基づいた事例問題・論点解説。一通りの学習を終えた中級者向けとし、芦部説の劣化コピペ論証作業を批判して、いちおう芦部説から解説を始める。が、三段階審査や高橋説等の予備知識がないと理解の難しい部分が多い。「雛見沢」「ハレ晴レユカイ」等のキーワードも一部に。
-石川健治・駒村圭吾・亘理格「憲法の解釈」(法学教室連載・319号〜342号にて完結)……憲法学者2人、行政法学者1人による公法系融合問題のリレー連載。連載のねらいは違憲審査基準による憲法事例問題の安易な解答を戒めること。三段階審査
**〔違憲審査制度〕
-芦部信喜『憲法判例を読む』岩波書店(1987年5月)……市民セミナーでの講演を収録。非常に古いがいまだに芦部違憲審査基準論の入門書として広く読まれている。
-戸松秀典『憲法訴訟』有斐閣(2008年3月・2版)……憲法訴訟の体系書。訴訟の中で憲法が問題になる場面、問題になった後の処理について詳細に分析。判例のとる違憲審査基準についての分析が秀逸。著者の自説は極めて控えめ。
-永田秀樹=松本幸夫『基礎から学ぶ憲法訴訟』法律文化社(2010年11月)……口語的な文章で書かれており、多少辛辣な口調が見られるが、それも含めて読みやすく分かりやすい本であろう。一方、内容に疑問を持つ者も多い。例えば、法令違憲と文面判断の関係の指摘、LRAの基準を中間審査ではなく厳格審査としている点等。また、記述は特定の立場に基づくもののみで、複眼的思考に対する配慮を欠く。詳細は、アマゾンのレビュー参照。とはいえ、この批評自体も一方的な面が拭いきれず、結局のところ人によって好き嫌いが分かれる本であろう。後半は問題集となっている。
-☆小山剛『「憲法上の権利」の作法』尚学社(2011年9月末・新版)……三段階違憲審査制を簡潔にわかりやすく叙述したもの。都合上、本書の紹介はページの最下層に来てしまっているが、まさにバカ売れという表現がふさわしいほどに、ロースクール生の間で最近もっとも読まれている本である。
-野坂泰司『憲法基本判例を読み直す』有斐閣(2011年6月)……法教に連載されたものを書籍化。著者は新司法試験委員。重要判例につき、事案・判旨の分析は非常に丁寧かつ秀逸で、安易に既存の学説にはめ込むような判例解釈の姿勢に距離を取っている。
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商法(総則・商行為)・手形法小切手法
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*〔総則・商行為〕
-江頭憲治郎『商取引法』弘文堂(2010年4月・6版)……実務家必携の商取引法全般に関する体系書。商法自体に規定がある旅客運送等以外にも、販売代理店やフランチャイズ契約等現代における商取引についても扱っている。会社法、信託法、保険法、08年割賦販売法、特定商取引法、規則改正等に対応。商法に範囲を限定していないため、学生が試験対策として使うにはやや使いづらい。
-近藤光男『商法総則・商行為法』有斐閣(2008年3月・5版補訂版)……たんたんと判例・通説・自説を説明。250頁と薄いが、新司法試験の択一対策にはこれ一冊で十分といわれる。
-弥永真生『リーガルマインド商法総則・商行為法』有斐閣(2006年4月・2版)…通説が多い。薄い。
-落合誠一他『商法I(総則・商行為)』有斐閣S(2009年3月・第4版)
-森本滋他『商法総則講義』『商行為法講義』成文堂(2007年7月・3版,2009年4月・3版)……2冊併せるとそれなりの分量になるが、趣旨から丹念に論じており、初学者でも理解しやすい。図表の類はないが、とても読み手に親切な良書。引用判例は豊富なのに肝心の判例索引がないのが残念。
-大塚英明他『商法総則・商行為法』有斐閣アルマ(2008年12月・2版)
-藤田勝利・北村雅史編『プライマリー商法総則・商法行為』(2010年3月・3版)
-関俊彦『商法総論総則』有斐閣(2006年6月・2版)……著者の熱気の伝わる独特の文章。少数説多数。タイトルの通り、商行為法が載っていない。『会社法概論』と同様の、読ませる体系書。。
-『商法総則・商行為法 プチ・コンメンタール』税務経理協会 (2010年4月)…商法総則・商行為法に関する160頁の注釈書。ほとんど解説はなく、新しいことが唯一の利点。予備校本の方がマシなレベルである。まともな注釈書は1997年の基本法コンメンタールが最後になっている。
-片木晴彦『基本講義 商法総則・商行為法』(2003年5月・2版)……京大系。森本編『商法総則講義』や有斐閣アルマを書いている。
**〔総則・商行為・旧商法〕
-鴻常夫『商法総則』弘文堂(1999年4月・新訂5版)……名著。鈴木以後の通説・判例の到達点。慣習法・実定法としての商法の解釈について示唆に富む第1章と第2章、商法総則解説部分は徹底して無駄のない解説。ひと通り勉強の終わった者が読むべき本。
-上柳克郎他『商法総則・商行為法』有斐閣双書(1998年3月・新版)
-鈴木竹男『商行為法・保険法・海商法』弘文堂(1993年3月・全訂2版)
*〔手形〕
-大崎晴由『書式 手形・小切手訴訟の実務』民事法研究会(2009年9月・全訂2版)……実務家向けの本だが、論文で手形が出なくなった新司法試験では十分な情報量がある。初心者にもわかりやすく、訴訟実務に沿って手形法を理解できる良書である。
-田邊光政『最新手形法小切手法』中央経済社(2007年4月・5訂版)……独自説多め。権利外観理論で大体一貫しているので、答案に使い易くはある。
-川村正幸『手形・小切手法』新世社(2005年10月・3版)……著者は金融取引法の権威であり、金融取引法の一貫として手形法・小切手法を解説している。通説に近い。読みにくさを指摘する声も。徹底した権利外観法理。簡易版の『基礎理論手形小切手法』法研出版(2007年12月・2版)あり。
-弥永真生『リーガルマインド手形法・小切手法』有斐閣(2007年4月・2版補訂2版)……通説が多い。
-大塚・林・福瀧『商法Ⅲ(手形・小切手)』有斐閣S(2011年10月・4版)……コンパクトサイズだがよくまとまった一冊。基礎的理解に徹している。初学者~中級者向け
-上柳・鴻・北沢編『手形法・小切手法 商法講義 (有斐閣双書)』(1998年4月・新版)……手形法版ダットサン。『リーガルクエスト会社法』の執筆者の一人である伊藤靖史が2009年4月時点での推薦教科書リストの筆頭にあげるなど本自体の出来はとても良い。著者数名が鬼籍に入っており、改訂は望めないが、手形法理論の進展や判例は少ないのであまり問題はない。基本が過不足なくコンパクトにまとめられており、中級者以上がまとめとして読むのにお勧め。
-森本滋編『手形法小切手法講義』成文堂(2010年4月・2版)……未完に終わった森本の法教連載(手形法小切手法の理論と実務)をベースに共著で教科書化したもの。銀行員が手形取引実務を解説した「銀行取引と手形」なる章、約束手形の作成から消滅までの流れを解説した「約束手形の一生」なる章が含まれているのが本書の特徴。交付契約説+権利外観説ベースで判例実務を念頭においた無難な見解でまとめており、現時点で最適なテキストのうちの一つ。
-田邊宏康『手形小切手法講義』成文堂(2008年3月)……法学部学生向けの教科書。交付契約説+権利外観理論。薄いがケース・図多用で読みやすい。
-前田庸……『入門』(1983年3月)と『法律学大系』(1999年2月)の2冊(後者は分厚い)。創造説。文章は分かり易い。
-坂井芳雄『手形法小切手法の理解』法曹会(1996年3月)、『約束手形金請求訴訟における要件事実とその立証』法曹会(1996年11月・3訂版)……元裁判官で手形法実務の第一人者。創造説、有因論、白地補充権概念不要論。-裁判所書記官研修所編『手形法小切手法講義案』司法協会(2001年6月・6訂版)……判例ベース(発行説)。ただし出題範囲を超える記述もあるので注意。
-末永敏和『手形法・小切手法―基礎と展開』中央経済社(2007年6月・2版)……非常に薄い。
-関俊彦『金融手形小切手法』商事法務(2003年11月・新版)……実務を強く意識した独自説。旧来の「転々流通する手形」像に疑問を提起している。
-木内宜彦『手形法小切手法』新青出版(1982年4月・2版、復刊1998年4月)……契約説。かつての創造説全盛時代における契約説の旗手。著者夭折の為、古い。
-早川徹『基本講義手形・小切手法』新世社(2007年3月)……交付契約説+権利外観説。薄い本だが2色刷で文章も分かりやすい。百選の判例番号が引用され、参照に便利。
-丸山秀平『基礎コース商法I総則・商行為法/手形・小切手法』新世社(2010年1月・3版)……商総・商行為、手形法を1冊で。手形学説では逐一創造説に分量を裂いているため、契約説での論証が薄くなってしまっている。
-小塚荘一郎・森田果『支払決済法―手形小切手から電子マネーまで』商事法務(2010年9月)……タイトルどおり、手形・小切手に限らず、電子マネーや銀行振り込み等々の現存する支払決済の法理について、その機能を説明したもの。
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新刊情報
※試験向きのあらゆる新刊・近刊を網羅するものではないが、このページでは2011年中に刊行・改訂された、または刊行・改訂予定の情報が出ている主なものを紹介する。各ページにレビューを編集された際には該当書籍の本ページにおける記述を削除していただければ幸いである。
*《公法系》
-戸松秀典『プレップ憲法訴訟』弘文堂(2011年9月)
-安西・巻・宍戸『憲法学読本』有斐閣(2011年11月刊行)
-長谷部恭男『続・Interactive憲法』有斐閣(2011年10月)
-新井誠ほか『地域に学ぶ憲法演習(法セミLAW ANGLEシリーズ)』日本評論社(2011年11月刊行)
*《民事系》
-大村敦志『不法行為判例に学ぶ:社会と法の接点』有斐閣(2011年10月刊行)......基本判例を事件の背景事情を踏まえて読み進め、「教科書の余白を埋める」とのこと。
-加賀山茂『債権担保法講義』日本評論社(2011年9月)
-河本・大武『金融商品取引法読本』(2011年10月・2版刊行)
-淡路剛久『入門からの民法:財産法』有斐閣(2011年12月刊行)
-松本博之『民事執行保全法』弘文堂(2011年11月刊行)
-松川正毅『民法 親族・相続(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(2012年3月・3版刊行予定)
-野村・栗田・池田・永田『民法3 債権総論(有斐閣Sシリーズ)』(2012年4月・3版補訂版刊行予定)
-上原・池田・山本『民事訴訟法(有斐閣Sシリーズ)』(2012年4月・6版刊行予定)
-中野貞一郎『民事裁判入門』有斐閣(2012年4月・3版補訂版刊行予定)
*《刑事系》
-鈴木茂嗣『刑法総論』成文堂(2011年8月・2版)
*《選択科目》
-『国際法判例百選』有斐閣(2011年10月・2版)
-木山泰嗣『租税法重要「規範」ノート』弘文堂(2011年9月)
-佐藤英明『スタンダード所得税法』弘文堂(2011年9月・補正2版)
-阿部・淡路[編]『環境法(有斐閣ブックス)』有斐閣(2011年11月・4版刊行)
-中里実ほか[編]『租税法概説』有斐閣(2011年10月刊行)
-大内伸哉[編]『労働法演習ノート』弘文堂(2011年11月刊行)......「設問→解説→解答例→関連問題」で構成し、「独習にも最適」とのこと。
-杉原高嶺『基本国際法』有斐閣(2011年11月刊行)
-村上政博『独占禁止法』弘文堂(2011年12月・4版刊行)
-高林龍『標準特許法』有斐閣(2011年12月中旬・4版刊行)
-水町勇一郎『労働法』有斐閣(2012年4月・4版刊行予定)
-沢木・道垣内『国際私法入門(有斐閣双書)』(2012年3月・7版刊行予定)
-神前・早川・元永『国際私法(有斐閣アルマ)』(2012年3月・3版刊行予定)
*《実務系・その他》
-加藤新太郎[編]『民事訴訟実務の基礎』弘文堂(2011年9月・3版)
2012-05-23T10:45:18+09:00
1337737518
-
国際関係法(公法系)
https://w.atwiki.jp/annai/pages/32.html
**〔体系書〕
-小寺彰・岩沢雄司・森田章夫『講義国際法』有斐閣(2004年5月)
-杉原・水上・臼杵・吉井・加藤・高田『現代国際法講義』有斐閣(2007年4月・4版)
-杉原高嶺『国際法学講義』有斐閣(2008年6月)
-大沼保昭『国際法』東信堂(2008年4月・新訂版)
-島田征夫『国際法』弘文堂(2008年4月・全訂版)
-山本草二『国際法』有斐閣(1994年1月・新版)
-小室程夫『国際経済法』東信堂(2007年6月・新版)
-中川淳司・清水章雄・平覚・間宮勇『国際経済法』有斐閣(2003年4月).
-横田洋三編『国際法入門』有斐閣アルマBasic(2005年3月・第2版)
-桜井雅夫『国際関係法入門』有信堂高文社(2004年11月)
-松井・佐分・坂元・小畑・松田・田中・岡田・薬師寺『国際法』有斐閣S(2007年3月・5版)
-中谷・植木・河野・森田・山本『国際法』有斐閣アルマSpecialaized(2006年3月)
-小寺彰『パラダイム国際法』有斐閣(2004年3月)
-小室程夫『ゼミナール国際経済法入門』日本経済新聞出版社(2003年7月)
-波光巌『国際経済法入門』勁草書房(2004年1月・2版)
**〔判例集・ケースブック〕
-山本・古川・松井編『国際法判例百選』有斐閣(2001年4月)
-松井芳郎編集代表『判例国際法』東信堂(2006年5月・2版)
2012-05-23T10:44:30+09:00
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-
国際関係法(私法系)
https://w.atwiki.jp/annai/pages/31.html
**〔体系書〕
-木棚照一・松岡博・渡辺惺之『国際私法概論』有斐閣ブックス(2007年7月・5版)
-廣江健司『国際民事関係法―国際私法・国際民事手続法・国際取引法』成文堂(2008年6月)
-石黒一憲『国際私法』新世社(2007年2月・2版)
-山田鐐一『国際私法』有斐閣(2004年12月・3版)
-溜池良夫『国際私法講義』有斐閣(2005年5月・3版)
-石黒一憲『国際民事訴訟法』新世社(1996年2月).
**〔入門書・概説書〕
-澤木敬郎・道垣内正人『国際私法入門』有斐閣双書(2006年10月・6版)
-松岡博『国際関係私法入門―国際私法・国際民事手続法・国際取引法』有斐閣(2009年10月・2版)
-櫻田嘉章『国際私法』有斐閣S(2006年11月・5版)
-神前禎・早川吉尚・元永和彦『国際私法』有斐閣アルマSpecialaized(2006年12月・2版)
-道垣内正人『ポイント国際私法 総論』有斐閣(2007年4月・2版)……各論は現在改訂中とのこと。
-出口耕自『基本論点 国際私法』法学書院(2001年4月・2版)
**〔判例集・ケースブック〕
-櫻田嘉章・道垣内正人編『国際私法判例百選』有斐閣(2007年1月・新法対応補正版)
-櫻田嘉章・道垣内正人編『ロースクール国際私法・国際民事手続法』有斐閣(2007年4月・2版)
-大塚章男『事例で解く国際取引訴訟―国際取引法・国際私法・国際民事訴訟法への総合アプローチ』日本評論社(2007年6月)
-野村美明編著『ケースで学ぶ国際私法』法律文化社(2008年5月)
2012-05-23T10:44:11+09:00
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-
環境法
https://w.atwiki.jp/annai/pages/30.html
**〔体系書〕
-大塚直『環境法』有斐閣(2010年8月・3版)……定番。
-北村喜宣『環境法』弘文堂(2011年2月)……横書き2色刷。予備校本のような体裁。新定番となるか?
-阿部泰隆・淡路剛久編『環境法』有斐閣ブックス(2006年4月・3版補訂・2011年12月4版予定)
-松村弓彦・柳憲一郎・荏原明則・小賀野晶一・織朱實『ロースクール環境法』成文堂(2007年4月・補訂版)
-佐藤 泉・池田直樹・越智敏裕『実務環境法講義』民事法研究会(2008年11月)
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**〔入門書・概説書〕
-吉村良一・藤原猛爾・水野武夫『新・環境法入門―公害から地球環境問題まで』(2007年6月)……藤原は元試験委員。
-畠山武道・大塚直・北村喜宣『環境法入門』日経文庫(2007年5月)
-北村喜宣『プレップ環境法』弘文堂(2011年2月・2版)
-南博方・大久保規子『要説環境法』有斐閣(2009年11月・4版)
-交告尚史『環境法入門』有斐閣アルマ(2007年4月・補訂版)
-北村喜宣『現代環境法の諸相』放送大学(2009年3月)……環境法の基本概念・法政策についてわかりやすく書かれている。
-山村恒年『検証しながら学ぶ環境法入門-その可能性と課題』昭和堂(2006年4月・全訂3版)
-北村喜宣「展開講座・環境法入門」(法学教室連載・367号(2011年4月)~)。
**〔判例集・ケースブック〕
-淡路剛久・大塚直・北村喜宣編『環境法判例百選』有斐閣(2011年10月・2版)
-日本弁護士連合会編『ケースメソッド環境法』日本評論社(2011年11月・3版)……資料版CD-ROM付。
-大塚直・北村喜宣編『環境法ケースブック』有斐閣(2009年8月・2版)
**〔演習書〕
-浅野直人・柳健一郎編『演習ノート環境法』法学書院(2010年8月)
2012-05-23T10:43:32+09:00
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-
労働法
https://w.atwiki.jp/annai/pages/29.html
**〔体系書〕
-菅野和夫『労働法』弘文堂(2010年4月・9版)……労働法全分野にわたる、実務法曹必携の最も権威ある体系書。最近は厚生労働省関係者も改訂に関わるようになった。結論はおおむね穏当で、多くの論点で判例を部分的ないし全面的に肯定する。とはいえ、全体を通じて理論書としての高度な学問的水準を維持しており、単なる実務の手引書ではない。とくに団体的労使関係法の分野では硬質な解釈論を展開する。文章自体は分かりやすく、読みやすいが、いかんせん分量があるので、初学者がこの一冊だけで労働法を理解し、あるいは菅野説を味わうのはかなり困難だろう。辞書として利用する人が多いが、受験対策上重要と思われる個所はできるかぎり精読しておきたい。
-☆水町勇一郎『労働法』有斐閣(2012年3月・4版)……判例をベースとした豊富な設例を用いて労働法を解説する「教科書」。序章において大きく紙幅を割いて,歴史的・社会的背景から労働法・判例の解釈や変遷を社会学的に分析している点に特色がみられる。内容は平易で,おおむね通説的な解釈に終始しており,非常に分かりやすい。組合関係法はやや薄いが,司法試験には充分な情報量があり,学生はもとより法務担当者にも人気があるようである。ただし,版を重ねるごとに厚みを増しており,試験直前にさっと通読するのは難しい分量になってきている。
-浅倉むつ子・島田陽一・盛誠吾『アルマ労働法』有斐閣(2011年8月・4版)……アルマにしては比較的厚い。通読用。
-西谷敏『労働法』日本評論社(2008年12月)……立場的にはリベラル。憲法から説き起こし、労働者の権利と自己決定を尊重するスタンス。まず判例を紹介した上で、その射程を論じ、あるいは正面から批判した上で、自説を展開する。主たる読者としてロースクール生をかなり意識していると思われ、菅野と比べると記述はあっさりしており、とりわけ組合法はやや舌足らずとなってしまっている感がある。なお、『労働組合法』有斐閣(2006年11月・2版)は学界を代表する本格派の体系書であり、判例・菅野説と西谷説との間の諸論争はつとに有名である。菅野労働法と共に、労働訴訟に携わる実務家にとっては必携の体系書であると言ってよい。
-荒木尚志『労働法』有斐閣(2009年7月)……個別的労働関係法を労働保護法と労働契約法に二分し労働契約法を体系に取り入れている。理論派の基本書だが結論は判例・菅野説に近く安定感がある。専門の労働時間、労働条件変更法理についての記述は詳しい。原論文は「論点講座・新労働法講義(1)~(24)」(法学教室連載・307号~330号)。
-土田道夫『労働契約法』有斐閣(2008年7月)……労働契約法時代を見据えた雇用関係法の体系書。組合関係法は扱っていない。非常に詳細であり、実務的に問題となる点や裁判例の動きなども見据えて丁寧に論点を分析している。辞書。
-☆土田道夫『労働法概説』弘文堂(2012年4月・2版)……労働法全分野を概観。概説&判例ベースの事例を使用した論点解説というスタンダードなスタイルの教科書。「企業・労働者・雇用社会の最適な利益調整」という視点から事例を丁寧に分析している。人事で使用される文書例、図、グラフの使用、くだけた表現など働いたことがない学生でも労働法のイメージが掴みやすいように配慮されている点が特色。個別事例の利益分析が丁寧な点は試験向きだが、自説の主張がやや強い。
-中窪裕也・野田進・和田肇『労働法の世界』有斐閣(2011年3月・9版)…定番の概説書。8版から横書きに変更し内容にもかなり手が加えられた。1人の人間が会社に雇用されてから解雇されるまでに問題となる法律を解説するという独特の体系をとっている。記述が全体的に薄くややとっつきにくい面もあるが、問題点は網羅的に取り上げている。まとめ用
-山川隆一『雇用関係法』新世社(2008年4月・4版)
-盛誠吾『労働法総論・労使関係法』新世社(2000年5月)
-下井隆史『労働基準法』有斐閣(2007年11月・4版)……労働契約法草案まで対応。
-山口浩一郎『労働組合法』有斐閣(1996年3月・2版)
-小西國友『労働法』三省堂(2008年8月)
**〔入門書・概説書〕
-水町勇一郎『労働法入門』岩波新書(2011年9月)……労働法全分野を概観した入門書。新書サイズなのでさっと読める。章ごとのはじめに書かれたミニコラムでは水町教授の菅野教授に対する熱い愛が感じられる。
-森戸英幸『プレップ労働法』弘文堂(2011年3月・3版)……まずはここから。入門書ではあるが、はしがきに「新司法試験対策としては本書でも充分」とあるように、重要論点の多くを拾い上げてそれなりに論じている。
-野田進編『判例労働法入門』有斐閣(2011年4月・2版)……判例・裁判例の立場をベースにした概説書。重要判例をシケタイのように引用しつつ労働法全体を解説している。入門書だがまとめ用としての方がむしろ有用。
-両角道代・森戸英幸・梶川敦子・水町勇一郎『リーガルクエスト労働法』(2009年3月)……新進気鋭の筆者4人による学部生向けの概説書。章末には演習問題(解答なし)もついている。コラムも充実しており、内容的には他のリーガルクエストシリーズに比べても悪くない出来栄えだが、筆者の一人である水町勇一郎教授の体系書と位置づけが被っている。しかし厚くなり続ける水町との差が出てきた?
-下井隆史『労働法』有斐閣(2009年4月・4版)……とても薄い。一冊で労働法全分野を概観している。労働契約法、労基法08年改正に対応。
-奥山明良『基礎コース労働法』新世社(2006年7月)
-安枝英のぶ・西村健一郎『労働法』有斐閣(2009年4月・10版)……プリマシリーズ。コラムの類はなく、プレップのような「読みやすさ」もない。本書の特長は、条文・判例・行政解釈中心の、淡々とした明快な叙述である。労働契約法対応。
**〔実務書〕
-☆山口幸雄・三代川三千代・難波孝一編『労働事件審理ノート』判例タイムズ社(2011年11月・3版)……東京地裁労働部の裁判官が主要紛争類型の要件事実を解説した著書。第3版では労働災害事件を追加。
-日本労働弁護団『労働相談実践マニュアル』日本労働弁護団(2009年12月・ver.5 補訂版)……実務で頻出の相談につき、労働者側の立場から基本的な知識と立証方法を網羅している。東京地裁労働部でも評判がいい。基本的には判例に沿っているため、裁判所で認められる限界を取るという意味で使用者側からも便利である。
-岩出誠『実務労働法講義(上)(下)』民事法研究会(2010年1月・3版)……上下巻併せて1600頁を超える大著。使用者側の立場から実務上生じる労働法の問題を網羅している。問題もついているので,見た目ほどの情報量はない。
-大内伸哉『労働法実務講義』日本法令(2005年11月)……非常に分厚いが、個々の問題を深く掘り下げて論じているため、網羅性はない。改訂予定。
-渡辺弘『リーガルプログレッシブ9・労働関係訴訟』青林書院(2010年2月)……東京地裁労働部の裁判官が裁判例を利用して労働法の典型論点を解説した本。東大ロー卒業生や修習生を対象にした勉強会をベースにしているため、荒木労働法や百選の頁数が振られている。基本は判例ベースだが、判例の射程を経営者有利に解釈する傾向がある(特に解雇権濫用法理)。
-菅野和夫・安西愈・野川忍編著『実践・変化する雇用社会と法』有斐閣(2006年3月)……実務的かつ先端的な設例に対する回答集。法律上の措置だけでなく、事実上の措置も含む。判例・裁判例の立場を重視しており、判例が固まっている論点では学説は完全スルー。はっきりとした判例がないような事例についての処理がわかる。実務家向けの本だが、意外と内容は平易であり法科大学院生でも使える。
**〔コンメンタール〕
-金子征史・西谷敏編『基本法コンメンタール 労働基準法』日本評論社(2006年5月・5版)……基本法コンメンタールシリーズに共通することであるが、サイズが大きいため情報量は意外に多い。個別紛争処理制度・派遣法・パート労働法の概説もついている。
-東京大学労働法研究会編『注釈労働基準法』有斐閣(2003年4月,2003年10月)……詳細な注釈書。
-荒木尚志・菅野和夫・山川隆一著『詳説労働契約法』弘文堂(2008年12月)……労働契約法の制定に関わった研究者らによる注釈書。労働契約法の規模がかなり縮小されたため、実質的な注釈は100頁程度になっている。最も信頼できる労働契約法の注釈書である。
-中谷敏・道幸哲也・中窪裕也編『新基本法コンメンタール 労働組合法』日本評論社(2011年9月)……30年以上の時を経て改訂された労働組合法のコンメンタール。労働組合法に関する近時のコンメンタールとしてはほぼ判例しか書いていない厚生労働省が出しているものしかなく、実務で参考になる唯一のコンメンタールである。
**〔判例集〕
-村中孝史・荒木尚志編『労働判例百選』有斐閣(2009年10月・8版)…労働契約法に対応して改訂。収録判例が120件に削られた。最もスタンダードな判例集であり、司法試験の問題に使われるような基本判例は網羅している。実務家にも評判がいい。
-唐津博・和田肇編『労働法重要判例を読む』日本評論社(2008年5月)……労働契約法対応。23の労働法重要判例を解説。一般的な判例の読み方についての案内が役に立つ。関連裁判例も多数掲載。
-野川忍『労働判例インデックス』商事法務(2010年10月・2版)……見開き2頁で160の判例を解説。事件の概要・事案・図・判旨が2頁の4分の3を占め、コメントは短め。参考文献欄には百選7版、菅野8版・水町2版、有斐閣・弘文堂のケースブック等の頁数が摘示されている。学者が書いた予備校本という評価がぴったりである。
-大内伸哉『最新重要判例200労働法』弘文堂(2011年4月・増補版)……類書最多の221判例を収録。事案と判旨を中心しているためコメントは短めになっている。インデックス同様単独著者が執筆しているため見解は安定しているが、重要判例にも1頁しか割かれていないためやや物足りなさを感じるのも事実である。
**〔ケースブック〕
-荒木尚志他編『ケースブック労働法』有斐閣(2008年4月・2版)
-☆菅野和夫他編『ケースブック労働法』弘文堂(2012年3月・7版)……毎年改訂されている。女工哀史の引用から始まり、百選掲載判例と最近の裁判例をそれなりに網羅している。
**〔演習書〕
-水町勇一郎編著『事例演習労働法』有斐閣(2011年2月・第2版)……労働契約法対応の事例問題集。会社法事例演習教材などと似たスタイルだが、全問にヒントと答案例が付いている。これについては、第2版で全問に出題趣旨と解説も追加されることになった。なお、初版では答案例が解説を兼ねているためやや冗長なところもあり、また法的三段論法に則っていない失格答案も散見されるが、概して丁寧なため初学者にも使いやすい。
-土田道夫・豊川義明・和田肇『ウォッチング労働法』有斐閣(2009年10月・3版)……労働契約法対応の定番演習書。法学教室連載の単行本化。冒頭にテーマに沿った短めの事例を示して、テーマについての概説と事例への解答を示している。但し、事例への解答部分はわずかであり、むしろ論点集としての性格が強い。
-石田真・豊川義明・浜村彰・山田省三編著『ロースクール演習労働法』法学書院(2010年1月・2版)…労働契約法対応のやや長文の事例問題集。31問の基礎編と8問の融合問題からなる。全ての問題に法科大学院生による答案がつけられており、教授・弁護士らによる答案に対する駄目出し&問題解説がされている。問題の難易度は全般的に高めで、解説も労働法の知識を一通り持っている人間を対象にしていることが明らかなため、初学者には厳しい。しかしその分事例に対する分析は丁寧であり、新司法試験対策としては有効である。
-大内伸哉編著『労働法演習ノート』有斐閣(2011年11月)……評価待ち。
2012-05-23T10:43:12+09:00
1337737392
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知的財産
https://w.atwiki.jp/annai/pages/28.html
-角田政芳・辰巳直彦『知的財産法』有斐閣アルマSpecialized(2010年4月・5版)
-相澤英孝・西村あさひ法律事務所編著『知的財産法概説』弘文堂(2010年11月・4版)
-田村善之『知的財産法』有斐閣(2010年5月・5版)……知的財産法全体にわたる著者独自の視点を貫くため、独自の構成で(不正競争防止法から始まる)各法分野を概説。
-紋谷暢男『知的財産権法概論』有斐閣(2009年4月・2版)
-大淵哲也・茶園茂樹・上野達弘・横山久芳「知的財産法の重要論点」(法学教室連載・319号-)……特許法と著作権法の重要論点を解説。特許法編と著作権法編がバラバラに進行するので連載は少し追いかけづらい。
-知的財産裁判実務研究会編『知的財産訴訟の実務』法曹会(2010年3月)……東京・大阪の地裁知財部、知財高裁の裁判官らが執筆した連載(「知的財産訴訟の実務」法曹時報58巻11号-61巻4号)を加筆・補正したもの。訴訟類型ごとに請求原因・抗弁を解説している。
-グループ・スタディ・ネットワーク「知的財産法基礎セミナー」東洋法規出版(2007年10月)……特許、実用新案、商標、意匠、不正競争防止、著作権法、及び、条約について、大枠で解説している入門書。
**〔特許法〕
-中山信弘『特許法』弘文堂(2010年8月)……定番基本書。法律学講座双書シリーズ『工業所有権法(上)』を改題。
-高林龍『標準特許法』有斐閣(2008年12月・3版)……元裁判官(最高裁調査官経験者)
-渋谷達紀『知的財産法講義1』有斐閣(2006年7月・2版)
-吉藤幸朔著・熊谷健一補訂『特許法概説』有斐閣(1998年12月・13版)
-竹田和彦『特許の知識―理論と実際』ダイヤモンド社(2006年3月・8版)
-竹田稔『知的財産権侵害要論(特許・意匠・商標権)』発明協会(2007年9月・5版)
-高部眞紀子『実務詳説特許関係訴訟』きんざい(2011年1月)……知財高裁の裁判官が特許権侵害訴訟・審決取消訴訟の実務・理論について解説した体系書。特許関係訴訟の要件事実を詳しく解説しているので実務家のみならずロー生、司法修習生にも役立つと思われる。
-中山信弘・小泉直樹編著『新・注解特許法 上下』青林書院(2011年4月)……実務必携の特許法コンメンタール。図書館での参照用。
**〔著作権法〕
-中山信弘『著作権法』有斐閣(2007年10月)……著作権法改正にも関わった大家の決定版。『マルチメディアと著作権』岩波新書(1996年1月)は今となっては古いが名著。
-渋谷達紀『知的財産法講義2』有斐閣(2007年6月・2版)
-松村信夫・三山峻司『著作権法要説 実務と理論』世界思想社(2009年4月)……著者は二人とも弁護士・弁理士・ロー教員の三足のわらじを履く実務家。ケーススタディを適宜用いており、重要な判例については詳細に検討されている。参照判例が充実。実務家らしく、実務的に問題となる点についても「実務処理の基点(グラウンドレベル)」(帯より)を理解するのに必要な限りで触れられている。
-島並良・上野達弘・横山久芳『著作権法入門』有斐閣(2009年10月)……静かなブームになっている人気の新刊。判例・通説をきっちり書ききっていて、それでいて飽きさせない記述が魅力的である。重要なテーマについては突っ込んで解説されている。重要判例は事実・判旨が長く引用されており、簡単かつ適切なコメントも付されている。現時点では最高級の入門書である。
-作花文雄『詳解著作権法』ぎょうせい(2010年4月・4版)、『著作権法―制度と政策』発明協会(2008年4月・3版)……文科官僚の公式基本書。入門書として、作花文雄・吉田大輔『著作権法概論』放送大学(2006年2月)
-加戸守行『著作権法逐条講義』著作権情報センター(2006年3月・5訂新版)……元文科官僚の公式コンメンタール。分厚くて高い。
-半田正夫『著作権法概説』法学書院(2009年1月・14版)
-斉藤博『著作権法』有斐閣(2007年4月・3版)
-田村善之『著作権法概説』有斐閣(2001年11月・2版)
-三山裕三『著作権法詳説―判例で読む16章』LexisNexis(2007年9月・7版)
-岡村久道『著作権法』商事法務(2010年11月)……弁護士による著作。図解つきでわかりやすい。第8章、第9章を著作権法の契約実務、訴訟実務(要するに要件事実)に充てているのが本書の特徴。
-☆高部眞紀子『実務詳説著作権訴訟』きんざい(2012年1月)……知財高裁の裁判官による体系書。侵害の類型(要件事実論)と侵害の成否(実体解釈論)を分けて解説しているのが特徴。最新判例や実務経験をふまえた解釈論は参考になる。実務家のみならずロー生、司法修習生にも役立つと思われる。
-半田正夫・松田政行編『著作権法コンメンタール1-3』勁草書房(2009年1月)……弁護士、研究者、その他実務家による著作権法と著作権等管理事業法の注釈書。大著なので図書館でのレファレンス用。
**〔判例集・ケースブック・演習書〕
-塩月秀平編『特許・著作権判例インデックス』(2010年12月)……現職知財高裁部総括判事、知財専門判事らによる、知財版「最高裁調査官解説」。最新かつ解説の分量も適量で、百選へのクロスリファレンスまであり、ロー生から実務までカバー。
-中山信弘・相沢英孝編『特許判例百選』有斐閣(2004年2月・3版)
-中山信弘・大渕哲也・小泉直樹・田村善之編『著作権判例百選』有斐閣(2009年12月・4版)
-大渕・茶園・平嶋・蘆立・横山『知的財産法判例集(補訂版)』有斐閣(2010年7月)
-金井重彦ほか編著『知的財産法重要判例』学陽書房(2005年7月)
-本橋光一郎・本橋美智子編著『要約著作権判例212』学陽書房(2005年6月)
-小泉直樹・高林龍ほか編著『ケースブック知的財産法』弘文堂(2008年4月・2版)
-大瀬戸豪志・岩坪哲『重点演習知的財産法』青林書院(2008年5月)
-鈴木・井関・上野・宮脇『知的財産法演習ノート 知的財産法を楽しむ15問』弘文堂 (2009年3月・2版)
-盛岡・土肥『演習ノート 知的財産法』法学書院(2006年11月・2版)
-飯村敏明・設樂隆一編著『リーガル・プログレッシブ知的財産関係訴訟』青林書院(2008年5月)……特許訴訟の要件事実につき詳しく解説。
-田村善之編『論点解析 知的財産法』商事法務(2009年2月)……新司法試験対策として、本試験レベルのオリジナル問題を収録。解説はもとより、論点の抽出や解答例の項も設けてある。ただし解答例はかなりあっさりしている。&br()執筆者によって内容にばらつきがあり、解説・答案の内容が少数説によるものもある。&br()はしがき→http://www.shojihomu.co.jp/newbooks/1616.html
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経済法
https://w.atwiki.jp/annai/pages/27.html
**〔体系書〕
-根岸哲・舟田正之『独占禁止法概説』有斐閣(2010/07・第4版)
-金井貴嗣・川濵昇・泉水文雄編『独占禁止法』弘文堂(2010/06・第3版)
-谷原修身『独占禁止法要論』中央経済社(2010/02・新版第2版)
-松下満雄『経済法概説』東京大学出版会(2006/03・第4版)
-村上政博『独占禁止法』弘文堂(2010/03・第3版)
-白石忠志『独占禁止法』有斐閣(2009/08・第2版)、『独禁法講義』有斐閣(2010/03・第5版)
-泉水文雄・土佐和生・宮井雅明・林秀弥『経済法』有斐閣Legal Quest(2010/07)
**〔入門書・概説書・論点本〕
-川濱・瀬領・泉水・和久井『ベーシック経済法 独占禁止法入門』有斐閣アルマBasic(2010/04・第3版)……平易に書かれ、ケーススタディを多用している。分量も適当で、読みやすい入門書。高度な内容を考える際に取っ掛かりとなる問題意識も随所にちりばめられており、体系書への橋渡しとしても有効。判例・通説で書かれた入門書を探しているならお勧めの一冊。
-岸井・向田・和田・内田・稗貫『経済法』有斐閣アルマSpecialized(2010/03・第6版)
-厚谷襄児『独占禁止法入門』日経文庫(2005/11・第6版)
-谷原修身『独占禁止法の解説』一橋出版(2006/03・第6版)
-鵜瀞恵子『独占禁止法実務の手引き』判例タイムズ社(2006/01・初版)
**〔判例集・ケースブック〕
-厚谷襄児・稗貫俊文編『独禁法審決・判例百選』有斐閣(2002/03・第6版)
-白石忠志『独禁法事例の勘所』有斐閣(2010/04・第2版)
-白石忠志『事例教材独禁法』商事法務(2007/10)
-金井貴嗣・川濵昇・泉水文雄編『ケースブック独占禁止法』弘文堂(2010/06・第2版)
-鈴木満・鈴木深雪『経済法-判審決の争点整理』尚学社(2009年7月・2版)……元公正取引委員会首席審判官が自分の講義の教科書として書いた本。第1部概説,第2部争点整理,第3部適用条項別主要審決一覧という構成になっている。2009年の独禁法改正を反映しての改訂。
**〔演習書〕
-土田和博・岡田外司博編『演習ノート経済法』法学書院(2008/03)……唯一の演習書。法学教室に連載されていた「演習」10問とあわせて利用したい。
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