会社法


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〔基本書〕


  • ☆江頭憲治郎『株式会社法』有斐閣(2011/12・第4版)……本来は実務家向きに書かれた本だが、学界においても現時点における最高の体系書としての評価が確立しており,多くの合格者も利用している。ほぼ全ての論点を網羅しているが、結論を端的に指摘するのみにとどまる部分や、司法試験レベルでは不要な部分も多い。また、本書を使いこなすには関連分野の予備知識も含めた相応の実力が必要である(本書の記述が会社法プロパーではないため)。とはいえ、全体としては制度趣旨から分かり易く書かれているので、参考書ないし辞書としてならば初学者にとっても有用であろう。本文の記述はきわめて簡潔ながら、詳細な注釈にこそ重要なことがらが書かれているところに特徴がある。したがって注釈を飛ばして読もうとすると本書の価値をほとんど生かせない。もっとも、学習が進めば、簡潔なように見える本文にも実は深い意味が込められているということが分かってくるだろう。会社法に精通した者であれば本文だけ追うことにより択一用にも使えると言われる。第4版ではフォントが変更されている。
  • 伊藤靖史・大杉謙一・田中亘・松井秀征『リーガルクエスト会社法』(2012/01・第2版 補訂)……東大・京大出身の若手有力学者らによるやや薄めの「教科書」。もっとも,百選での引用頻度もそれなりに高く,学界からも注目を受けている一冊であると思われる。内田民法を意識したケースメソッドを会社法の基本書として初めて本格的に導入。学生はもとよりプロの法律家からの評判も良い。伝統的な論点に対する解説が薄い代わりに、先端的な論点を解説するコラムが充実している。記述が平易で分かりやすいことはもちろん、(江頭説以外の)学説を批判し判例の立場に立つことが多い上、記述は上場会社に偏っており、議決権行使書面の書式まで載せているというまさしく新司法試験向きの教科書である。引用判例には百選や商法判例集の番号もふっている。判例の引用が大ざっぱだとか、著者達の個性が強く出ているため初学者向きではないとの意見もあるが、発展的な知識を手軽に得ることのできる好著である。
  • 神田秀樹『会社法』弘文堂(2011/03・第13版)……改訂は早春の風物詩。第13版では30ページ増加の大幅改訂。教科書指定する学部・ローが多く、初学者も安易に手を出しがちだが、神田会社法については次のような両極の評価が存在している。すなわち、(1)薄すぎて初学者にはとっつきにくく、お勧めできない(=中上級者向け)という評価と、(2)大枠を押さえることに適しており、初学者にも幅広くお勧めできるという評価である。※前者の評価をするものとして、法セ07択一解説[上柳]参照。一例を挙げると、定款の絶対的記載事項のひとつに発行可能株式総数があることの根拠として、本書は単に(37)という条文番号を記載するのみである。もっとも、新株発行の節まで読み進めると、授権株式制度として発行可能株式総数の説明がなされている。さしずめ、辞書的に使用するには不適切であるが、通読して会社法を学ぶことには適していると言えよう。本書の記述の大部分は条文と結論のみで構成されており、択一カバー率は驚異的に高いものの、それは裏を返せば「何も書いていない」ということを意味している。いわゆる論点に対する記述は大変短い。脚注を多用しており、そこではしばしば高度なことがさらりと書かれているため、それらを丁寧に読み進めていくと薄さの割に時間がかかる。また、脚注の中で判例の結論を紹介しつつ、本文ではそれと反対の結論をとることもあり、本書は決して判例・通説をコンパクトにまとめることを意図した本ではない。
  • 前田庸『会社法入門』有斐閣(2009/12・第12版)……制度趣旨から会社法理論を懇切丁寧に解説しているベーシックな基本書。脚注に頼らずにありとあらゆる規定の趣旨を丹念に述べていった結果、横書き800頁超という驚異的な厚さを達成した。徹底したクロスリファレンスと、ほどよく咀嚼された分かりやすい説明に定評がある。多くの論点で伝統的通説を採用しているため安定感はあるが、最新の重要論点への踏み込みは浅く、判例の引用も類書に比べてかなり少ない。脚注がなく、改行もそこそこに、同じサイズの文字で細かな条文までびっしりと説明するため、「入門」と銘打たれてはいるが、初学者には重要なところとそうでないところとの区別がつきにくく、その厚さもあってそもそも通読することすら難しい。もっとも、いったんそれに慣れてしまうと、分かりやすさゆえに逆に離れられなくなる。細かい要件も網羅しているため(例・360条3項「回復することができない損害」の意義)、参考書として江頭と併用するのもよい。六法を片手に、地道に条文を引きながら読み進めていけばとても理解が進む。
  • 弥永真生『リーガルマインド会社法』有斐閣(2009/11・第12版) ……11版から大幅リニューアルして薄くなった。旧司時代はおそらくトップシェアだったが、新司時代になってからは神田や江頭に押され気味である。冒頭に会社法の分析視座が提示されており、論点的なため旧司法試験の論文式試験向きといわれていた。12版からは旧商法に関する記述を削り、神田やリーガルクエスト並みの厚さの本にリニューアルした。この本の大きな長所の一つは、概念の定義がきちんと書かれていることである。たとえば、株主総会決議における特別利害関係のある株主とは、どのような者をいうのか。あるいは、利益相反取引における間接取引とは、どのようなものをいうのか。他の基本書で、これらの定義がきちんと書かれているものは、かなり少ない。他の基本書の多くは、いくつかの具体例を挙げるのみである。しかし、この本には、定義がしっかりと書かれている(もちろん、上掲のような抽象度の高い概念は、定義も抽象的であるが)。新司法試験では、長文の事例のなかから、一定の概念に当てはまる事実を抜き出さなければならない。そのとき、概念定義を正確に覚えていると、それにあてはまる事実を、適切に拾うことができる。しかし、概念定義を覚えておらず、典型例を覚えているのみだと、答案に事実をただ羅列し、その概念に該当する、という結論言切型の答案になってしまう。これでは、よい評価は得られない。弥永の基本書のように、概念定義が丁寧な本は、長文の事例から事実を拾い、一定の概念に当てはめなければならない、新司法試験においても、大きな威力を発揮する。
  • 龍田節『会社法大要』有斐閣(2007/05)……著者は今では現役を退いた感が否めないが、学士院会員であり、江頭以前の第一人者である。新法対応に伴い書名変更。高度な内容でかつ分かり易い。「なじみ型」「ミニ取締役会」などユニークな表現多し。文章は接続詞が少なく単文をポツポツつなげるスタイルで弥永の対極にある。「…黄金株と呼ばれることもあるが、おこがましい名称であり、ウイルス株とでも呼ぶのがふさわしい。」などの皮肉な記述が散見され読み飽きない。改訂が待たれる。

〔その他〕

  • 大隅健一郎・今井宏・小林量『新会社法概説』有斐閣(2010/03)……大隅(元最高裁判事)は1998年他界。今回の改訂は主に小林によるものと思われる。会社法施行後の研究の蓄積を踏まえた内容で、とても新しい。章立ては多少独特だが、解釈論ではおおむね「現在の」多数説を採用している。本文の記述は簡潔ながら要領よくまとめられているが、それゆえ初学者には余り向かないかもしれない。他方で、注釈ではしばしば江頭もカバーしていないような最新の重要論点に深く踏み込んでいる。そこでは最新の文献もきちんと引用されており、発展的学習へのつながりも良い。新司法試験の問題意識にも丁寧に応えている。横書き600頁ほどだが、この詳細な注釈によって本書はかなり重厚な体系書に仕上がっている。なお、執筆陣が京大系であるためか、『会社法事例演習教材』とかなり相性がいい。計算規則の改正に従い素早く改訂されたところを見ると、今後は京大系のテキストの代表格となっていくと思われる。
  • 近藤光男・柴田和史・野田博『ポイントレクチャー会社法』(2009/12)……共同執筆による会社法の講義用テキスト。初学者を主たる対象としており、解説が平易であるだけでなくレイアウトにも工夫が見られ、項目立てがすっきりしており余白も大きくとられている。また、予備校本のように何が論点であるのかが視覚的にもはっきりと分かるため、とても読みやすい。叙述のスタイルはいたって標準的(『リーガルクエスト会社法』のようなケースメソッドは用いていない)。執筆陣の個性は完全に消されており、時折新しい問題意識を交えつつ、現在の判例・通説を江頭や前田を頻繁に引用しながら解説していく。要するに教科書に徹している。便宜上、全体を28+2のUnitに分けて構成しており、内容は大規模公開会社を前提とするものにやや偏っているが、通常の会社法の概説書に求められる程度の網羅性はキープしている。本文は横書き420頁ほど。ロースクール未修クラスや、学部の講義のお供に好適。択一の肢のほとんどをカバーしており、(なぜか事業譲渡に関する記述が欠けている点を除けば)直前期にさーっと通読するのにも使える。
  • 柴田和史『会社法詳説』商事法務(2009/09)……著者は現職の新司法試験委員。「神田は薄すぎる、かといって他の教科書は厚すぎる」という学生には本書がお薦め。リーガルクエストとの違いは、(1)単一著者による「体系書」であること、(2)設例やコラムの類がないシンプルな作り、の2点に求められる。横書きで450頁あるが、フォントが大きいので1頁あたりの文字数は少なく、高速で読める。
  • 北村雅史・柴田和史・山田純子『現代会社法入門』有斐閣(20010/04・第3版)……基本的には初学者向けであるが、司法試験であれば、これ一冊で必要十分。著者は3人とも司法試験委員経験しており、その記述には安心感がある。
  • 石山卓磨『現代会社法講義』成文堂(2009/03・第2版)……会社法に対応してアップデート。論点網羅。標準的な体系で会社法制度の変遷・概要を淡々と説明している。文章は非常に読みやすく、判例も丁寧に紹介しており、全体的に無難なつくりとなっている。残念ながらライブ本のようには面白くない。中立的な本のため、入門書としても使える。
  • 関俊彦『会社法概論』商事法務(2009/12・全訂第2版)……著者は鈴木竹雄門下。全体として自説の主張が強い。少数説を採用したり、結論自体は通説と同じでも理由づけがそれと異なっていたりするところがちらほら見られるが、文章自体は読みやすく、神田以上江頭未満の標準的な厚さなので、とっつきやすい。章立てなどを見ると学習者に対する配慮もうかがえる(会社の設立を後回しにして株式から解説する、など。)。たまに意味の分からない日本語があるが、全体として“読ませる文章”となっており、横書きで500頁あるが、余白も多く、比較的学習の進んだ者であれば一回しするのにそれほど時間がかからないだろう。冒頭の会社法総論ともいうべき記述が充実しているところに著者の個性がみられる。良書だが判例索引がないのが玉に瑕。
  • 落合誠一・神田秀樹・近藤光男『商法II(会社)』有斐閣S(2010/04・第8版)……コンパクト。知識確認用。
  • 近藤光男『最新株式会社法』中央経済社(2011/02・第6版)……厚さ標準的。知識整理通読用。有力説で解釈立体化。
  • 田邊光政『会社法要説』税務経理協会(2006/04・新版)……注のない流れるような文章。簡潔な記載、脇道に逸れない。横書き。『会社法読本』中央経済社(2008/06)……誤植がやや多いとの声がある。
  • 加美和照『会社法』勁草書房(2007/08・新訂第9版)……判例・学説を網羅。会社法改正の歴史を丁寧に踏まえた記述が特徴。一方最新の議論には余り配慮していない面もある(例・株主平等原則や買収防衛策についての記述)。昭和20年代からの改正を確認できる基本書はこれだけである。
  • 青竹正一『新会社法』信山社(2010/04・第3版)……判例紹介が充実。学説は自説の主張が強く自著を頻繁に引用する。最もその点に目をつぶれば、論点についての記述も比較的充実しており内容は悪くない。しかし、第3版では値段が3000円近く上がり、学生があえて買うような本ではなくなった。
  • 宮島司『新会社法エッセンス』弘文堂(2008/09・第3版)……体系書と比べて、独自の見解がそれほど強くない。
  • 森田章『上場会社法入門』有斐閣(2010/09・第2版)……タイトルの通り、特に会社法では例外扱いになってしまう上場会社を踏まえた本。何故か上場会社しか出題されない新司法試験の論文向きのようにも思われるが、少数説満載のため思ったほどは使えない。いわゆる野心的な著作。
  • 高橋英治『会社法概説』中央経済社(2010/08)……枝葉の議論は思い切って簡略化し、重要事項に焦点をあてて解説している。余白が少ない。事例問題の解き方の解説が載っている。
  • 木俣由美『VIRTUAL会社法』悠々社(2008/04・第3版)……著者は日本笑い学会理事も務める。ゲームソフト開発・製造・販売を営む「ランダム社」を舞台に、多くのキャラクターが登場する。とはいっても内容は本格的で、図が多く、また条文が注に引用されている等、非常に親切につくられている。入門書と基本書の間くらいに位置する本か?

〔入門書・実務書等〕

  • 近藤光男『会社法の仕組み』日経文庫(2006/08)……実務上大半を占める取締役会設置会社をベースに会社法を解説。
  • 中島茂『株主総会の進め方』(2009/01・第2版)『取締役の法律知識』(2005/11・第2版)……企業法務弁護士による会社法実務書。会社法において重要なウェイトを占める機関について概観するのに最適。
  • 河本一郎他『日本の会社法』商事法務(2008/03・新訂第9版)……元はオランダのエンサイクロペディアの原稿として書かれた。記述は平板かつ淡白で不親切な部分もあるが、論点は網羅的に取り上げられている。良書だが、初学者が入門書として読むべき本ではない。
  • 滝川宜信『リーディング会社法』民事法研究会 (2010/03・第2版)……元デンソー法務部長による会社法テキスト。
  • 成和明哲法律事務所編『実務会社法講義』民事法研究会(2011/03・第3版)……図や表が豊富。
  • 長島大野常松法律事務所『アドバンス新会社法』商事法務(2010/09・第3版)……会社法施行直後に2版刊行、改正のあった点を重点的に解説していた。2版が絶版となって久しかったが、待望の3版が出版された。きわめて実務向けの本で、実務に重要かどうかで事項解説の濃淡も分かれる。
  • ☆東京地方裁判所商事研究会編『類型別会社訴訟I・II』判例タイムズ社(2011/12・第3版)……実務向け。実務的に極めて影響力が強い東京地裁商事部(民事8部)の見解がわかる本。取締役の解任訴訟や新株発行差止め訴訟などにおける訴訟要件、必要な書証などがわかる。また、実務的に重要な論点についても見解が示されている。訴状や仮処分命令申立書などの書式付。第3版においては、17章に「役員の地位を仮に定める仮処分」の項目を追加、18章に「株券電子化に伴う会社訴訟における留意事項について」という項目を追加。
  • 東京地方裁判所商事研究会編『類型別会社非訟』判例タイムズ社(2009/07)……取締役会の議事録閲覧請求や検査役選任請求などの非訟事件についての論点を整理。書式付。
  • 東京地方裁判所商事研究会編著『リーガルプログレッシブ2・商事関係訴訟』青林書院(2006/07)……会社関係訴訟を類型別に解説。マニアックな訴訟類型は省略している。『類型別会社訴訟』の簡略版(著者も同じ)。
  • 葉玉匡美・郡谷大輔編著『会社法マスター115講座』ロータス21(2009/04・第3版)……会社法立案担当者ビジネスの一環。表や図を用いた入門書。
  • 相澤哲編著『一問一答 新・会社法[改訂版]』(2009/09)……会社法立案担当者ビジネスの一環。立案担当者による立案趣旨の回答集。Q&A形式で254問。最近改訂したが、立案担当者の見解を否定した2008年2月22日の最高裁判例に対応していないなどの改訂漏れも見られる(24頁)。
  • 相澤哲・葉玉匡美・郡谷大輔編著『論点解説新・会社法―千問の道標』商事法務(2006/06)……会社法立案担当者ビジネスの一環。辞書。Q&A形式で1000問。内容が古すぎるためか現在は絶版になっている。
  • 浜田道代・岩原紳作編『会社法の争点』有斐閣(2009/12)……いわゆる争点シリーズ。基本的な論点を中心に解説している。議決権行使書面による議決権行使などの比較的新しい論点も取り上げられている。
  • 宍戸善一監修、岩倉正和・佐藤丈文編著『会社法実務解説』有斐閣(2011/12)……実務家が会社法実務について実際の書式例を挙げて解説した実務書。主たる読者対象は実務家であるが、基本書だけでは知ることができない会社法実務について詳しく解説されている。書式例が掲載されているので具体的イメージを掴むことができる。本書を一回しすれば会社法の苦手意識は相当程度解消されるだろう。

〔コンメンタール〕

  • 江頭憲治郎ほか編『会社法コンメンタール(1),(4),(6),(8),(10),(11),(12),(16),(17),(18),(21)』商事法務(2008/03-)……実務必携の詳細な注釈書。全22巻(予定)。新会社法に対応した文献を中心に解説・解釈がなされており、特に(8)機関は学生にとっても有用である。なお、(1)巻のはしがきと附属の月報では会社法立案担当者に対するかなり強力な批判がされている。(21)罰則のうち、島田執筆の特別背任罪の解説は刑法の背任罪の解説としても秀逸。
  • 酒巻俊雄・龍田節編『逐条解説会社法1-5巻』中央経済社(2008/06-)……中規模コンメンタール。全10巻(予定)。会社法コンメンタールに比べて広い範囲をカバーしているが、執筆者の自説主張がやや強い。
  • 奥島孝康・落合誠一・浜田道代編『新基本法コンメンタール 会社法(1)-(3)』日本評論社(2010/09,2010/09,2009/08)……中規模コンメンタール。全3巻完結。
  • 弥永真生『コンメンタール会社法施行規則・電子公告規則』商事法務(2007/03)……会社法施行規則についての注釈書はかなり少ない。実質的に選択肢は本書しかないが、多少古い上にとても高い。改訂が待たれる。
  • 弥永真生『コンメンタール会社計算規則・商法施行規則』商事法務(2009/09・第2版)……計算部門が何故か出題されない司法試験レベルではまず不要。

〔判例集(含商法総則・商行為法、有価証券法)〕

  • ☆江頭憲治郎・岩原紳作・神作裕之・藤田友敬編『会社法判例百選』有斐閣(2011/09・第2版)……収録判例数は103件。旧版から実務的であり多くの文献で引用されてきたが、今回の改訂では旧商法下の判例の会社法改正後の実務の扱いを踏まえた記述がなされており、さらに参照価値が増した。
  • 倉澤康一郎・奥島孝康・森淳二朗編『判例講義会社法』悠々社(2007/04)……判例収録数は百選よりも多い(150個)が解説は全体的に薄味。
  • 岩倉正和・佐藤丈文編『企業法務判例ケーススタディ300 企業組織編』金融財政事情研究会(2007/12)……企業法務に携わる弁護士の立場から会社法判例を解説。解説の内容は充実しており、判例を踏まえた実務上望ましい取り扱いを解説しているのが特徴。独占禁止法などの関連法分野にも触れている。この巻の判例収録数は100。
  • 酒巻俊雄・尾崎安央編『会社法重要判例解説』成文堂(2008/10・第3版増補版)……会社法の判例を見開き2頁で収めている。会社法の判例収録数は類書で最大だが、判旨・解説ともにやや舌足らず。2006年の第三版に増補しただけなので内容はやや古い。
  • 『手形小切手判例百選』有斐閣(2004/10・第6版)
  • 『商法(総則・商行為)判例百選』有斐閣(2008/12・第5版)
  • 弥永真生『最新重要判例200 商法』弘文堂(2010/03・第3版)……コンパクトに会社法、商法総則・商行為、手形小切手法の判例を解説している。タイトルは200だが、第3版では222判例を収録している。
  • 山下友信・神田秀樹編『商法判例集』有斐閣(2010/10・第4版)……商法全分野の判例集。解説は短めだが、判旨の引用は百選よりやや長い。

〔ケースブック(含商法総則・商行為法、有価証券法)〕

  • ☆丸山秀平他『ケースブック会社法』弘文堂(2011/03・第4版)……スタンダードなケースブック。裁判例が長めに掲載されており、教科書では省略されている会社法の関連知識も書かれている。
  • 小塚荘一郎編著『ケース会社法-会社法判例・資料集』商事法務(2008/10)
  • 小塚荘一郎『ケース商行為法―企業取引法判例集』商事法務(2007/04)

〔演習(含商法総則・商行為法、有価証券法)〕

  • 中村信男・受川環大著『ロースクール演習 会社法』法学書院(2009/03) ……受験新報の誌上答練過去問から新司法試験向きの長文事例問題36問を選別したもの。雑誌掲載時の解説がアップデートされ、図や出題の意図、答案作成のポイントも加筆されている。百選掲載判例や近時の重要判例を元ネタにした問題が多い。答案はない。
  • ☆伊藤靖史・伊藤雄司・大杉謙一・齊藤真紀・田中亘・松井秀征『事例で考える会社法』有斐閣(2011/12)……「事例で学ぶ刑法」に続く、司法試験対策の長文演習問題。新進気鋭の若手学者6人による連載が単行本化されたもの。なお、書籍化にあたって収録順が変更されている。全24問。各設問の難易度は標準ないし高度で、ボリュームも司法試験本番のそれと比べてそん色ないため(その気になれば3時間でも4時間でもかけられる問題が並ぶ)、全問を解くにはかなり骨が折れるが、解説が丁寧なので何とか頑張れる。全問解けば重要論点は漏れなく拾える。司法試験対策の決定版。
  • 石山卓磨『石山教授の新会社法 論文演習』辰已法律研究所 (2007/03) ……短文の事例問題・一行問題集。初学者向け。会社法の問題33問、商法総則・商行為の問題4問。そこそこの長さがある事例問題は19問。論点の網羅性は比較的高い。参考答案は一通のみ。
  • 弥永真生『演習会社法』有斐閣(2006/05)……法学教室連載の単行本化。新会社法にいち早く対応した学者系演習書だが、旧法との違いを論じるような過渡期的性質を持つ。
  • 前田雅弘・北村雅史・洲崎博史『会社法事例演習教材』有斐閣(2007/12)……京大教授による会社法演習書。解答・解説はサンプルを除いて存在しないが、同シリーズの民法と比べれば、基本的な設問、教科書的な内容が多く、そのような問題は引用文献を参照すれば難なく解ける。とはいえ、もちろん発展的内容も多い。新試対策として使える会社法の事例問題集が乏しい中、発売以来、ロースクールでは優秀層を中心に使用者を増やしていると思われるが、使用者の実力次第では自滅する危険性も有している。そもそも独習には向かないので、使用する際は“優秀者と”ゼミを組むべきであろう。なお、増刷の際に江頭2版の頁数に対応しているので刷数には注意すべきである。
  • 葉玉匡美・会社法立案担当者の会『新・会社法100問』ダイヤモンド社(2006/11・第2版)……会社法立案担当者による会社法演習書。立案担当者の一人説が当然のように書かれているため内容を鵜呑みには出来ないが、立案担当者の見解を知るのは本書一冊で十分という意味では良書である。改訂予定だったが再版された。
  • 田邊光政『旧司法試験 論文本試験過去問 手形法小切手法』(2004/11・新版)……平成16年度までの旧司法試験の過去問につき田邊教授が解説講義をした講義録が元となっている。新版では平成16年度までの問題解説が追加されており、手形法・小切手法の演習書としては極めて評判が高かった。特に手形法についての理論的進展、重要判例はないので、現在でも第一級の本である。絶版になっていたが、オンデマンド版で復活している。とはいえ、手形の衰退に伴い、新司法試験でも手形法は軽視されているためここまでやる必要があるかは疑問がある。
  • 丸山秀平『演習講義 手形・小切手法』法学書院(2001/02・第2版)……旧試験チックな有価証券法の事例問題集。全37問で難易度も旧試験レベル~やや簡単め。交付契約説ベースの解説。ちなみに最後の商行為法のある分野が絡む問題は論点を知っていること自体マニアック。