人格ある怪異



飴玉ばあさん(あめだま-)

  • 登場作品:学怖,学怖S,VNV,AMC1,学恋,学恋2,流神A,小学怖,ドラマCD,鳴七
  • 種族:人間→魔女?
  • 関連人物:新堂誠,岩下明美,富樫黎雄,元木早苗《噂》,佐久間昇,今野英俊,坂東淳《犠牲者》,野々宮亜由美,坂上修一,倉田恵美《取引》,片桐里子,原恵理子,山本幸男,脇坂安奈《?》,影法師ババア《敵対,?》
  • 関連用語:語り部,ババレンジャー《所属》,ボクシング部,カニバリズム

概要

 初登場は新堂二話「飴玉ばあさん」。
 「鳴神学園」の「校門」付近に出没する謎の老婆。
 大きなかぎ鼻、頭から被った赤いローブ、節くれ立った樫の杖と、グリム童話などに登場する魔法使いの老婆そのものの外見。
 その他の大きな特徴としては巨大なバスケットを持ち、その中には大量の飴玉が詰め込まれている。出会った者には一度だけ、この飴玉をくれる。

 そんな彼女が配る飴玉は以下に特筆すべき様々な特徴を備えており、誰しもが求めてやまない代物である。
 とは言え、飴玉ばあさん自体は何者にも肩入れしない中立的な存在でもある。よって彼女が配る飴玉というある種の「力」に求め、振り回される老若男女の悲喜劇こそが「飴玉ばあさん」の話の中で主題として語られるのだ。

 飴玉ばあさん自体が「学校であった怖い話/アパシー・シリーズ」を代表する有名な怪異のひとつであることもあって、派生する話のバリエーションも数多い。
 それを実証するように発端の「新堂誠」のみならず数多くの口からそれぞれの切り口に従って噂されることになっていった。

飴玉の特徴
 飴玉の特徴は以下の通り;

 ・全分岐に共通する特徴(実際は異なる分岐もあるが、ほぼ全てで共通しており、基本設定と言って差し支えないもの)

 1.よれよれの包装をされており、ばあさんの汚さと相まってとても食欲をそそる外見ではない。
 ただ、ゴルフボール大(『AMC1』ではピンポン玉大)と非常に大きい。グラフィックは全シリーズを通して青いビニールによって蝶(リボン)型に包まれる形で一貫しており、作品にもよるがピンポン玉くらいの大きさが表現としてふさわしいように思える。

 2.飴玉はとても美味である。
 新堂さんが最初に飴玉の話をしてくれた際に並べた数々の褒め言葉は、グルメレポーターもかくやと言うものだった。

 3.副作用として舐めた者に対して有益な効果をもたらす。
 飴玉のおかげで奮起したか、それとも飴玉の魔力のおかげかは定かでないが、将来の成功を約束された者は数多い。

 ・分岐ごとの特徴(現状では特定の分岐でのみ言及されている設定であり、基本設定として当てはまるとは限らないもの)

 1.飴玉にはいくつかの種類があるらしく、最もその人に合った物をくれるらしい。

 2.時々ハズレが混じっていたりする。また、注意しなければならないことが幾つか存在する(後述)。

 3.飴玉の原材料は人間の眼球である。「あ、目玉」とかけた洒落か? 
 ところで、これも一種の「カニバリズム」と言えるのかもしれない。

ばあさんの特徴
 「一人でいる時にしか出会えない」「一度会った者は二度と出会えない(制裁に係る例外あり)」「貰える飴の数は一人に一個」など、元が都市伝説を出自とする怪異だけあってか様々なルールを持つ。
 そして、彼女と飴玉の持つ属性を見ると必然とも言えるが、自業自得にせよ理不尽な結果にせよ、彼女と関わったせいで悲惨な目に遭う者たち(佐久間昇片桐里子)は少なからず存在する。むしろ、ゲーム内で語られるストーリーはこちらに焦点を当てたものがほとんどである。

 特にルールを破ったり、その他彼女を怒らせるような行動を取った者の末路は、制裁の名の下に追い込みをかけられて怪人に堕ちるか、呪いによって生き地獄を味わうかという、ろくでもないもの。
 死にこそしないとは言うものの、どっちかと言うとひと思いにトドメを刺された方がまだマシかもしれない。

 [だが、ばあさんに普通の人間の様な怒りの感情があるのかは疑問である。
 一見すれば佐久間と同様の失礼な行動に出た原恵理子が、結果論とは言え恩恵のみを享受している例から考えると、ばあさんの制裁というのは相手の心根や礼儀への怒りではなく、ルールへの違反という結果でのみ発生するシステマチックなものかもしれない。]

 更に「ハズレ」を引き当ててしまった片桐里子のケースは、ルールさえ守っていれば災を免れ恩恵さえ被れる場合もあるという、これら都市伝説的な怪異が持つ救済措置をも根底から覆し、飴玉ばあさんという存在の持つ理不尽な恐怖の側面を大いに知らしめている。
 [メタ的な指摘になるが、これはどちらかと言うとばあさん自身の悪意と言うよりは、この分岐を仕込んだシナリオライターの悪意(という名のサービス精神)と言う方が適切であろう。]


四八

 神奈川シナリオ、千葉シナリオに登場。
 ネタとして作中で度々言及されるに留まり、本人は登場しない。

 神奈川シナリオ「来訪者」。
 謎の男「鯖徒瑠陀吏雄」になにか議題を提示するように言われた「荒田尚也」が彼女の話を開帳する(こともできる)。
 「逆さ女」と並んでいることもあって、プレイヤーはまず選びたくなるのではないだろうか。

 千葉シナリオ「学校であった怖い噂」。
 島根県民「新堂誠」さんから提供されたメールに記載されていた怖い話がまさしく「飴玉ばあさん」である。
 内容としてはおなじみ「佐久間昇」が目玉を奪われるまでとその後のオチに至るまでを網羅している。 



アパシー・シリーズ

 「旧作」における彼女の出番は一話分に過ぎなかったが、新堂さんの定番ネタとしてユーザーに与えた印象は強かった。
 分岐の数もそこそこで伏線の張り方や地の文の美味さ上手さもさることながら、飴玉ばあさんのキャラクターが立っていたことが大きいだろう。
 新堂二話と言う序盤に通りやすい位置にいたことも勝因の一つと思われる。

 ネタ的な意味で言えば、彼女と『VNV』の「高木ババア」との相乗効果によって「新堂さん(と言えば)‐都市伝説(と言えば)‐ババア(と言えば)-新堂さん」の図式をユーザー間に定着させたと言う功績が大きいか。

 そんな彼女は舞台が「アパシー」に移ると新堂さんの噂話と言う範疇を外れて、独自のキャラクターもしくは実在に限りなく近い存在として一人歩きをはじめることになった。
 それゆえに「旧作」に見られたある一定の法則に従うという性質からもある程度外れ、校門付近を徘徊する魔性というイメージだけでなく謎の「不審者」、地に足の着いた人間としての属性も強まる。
 一例を挙げれば取引に応じることないし、不審者として国家権力に拿捕されてしまうこと、作品によっては恐ろしいことに恋愛の攻略対象になってしまう点などが挙げられる。

 また、再登場にあたっては「飴玉」の属性に「中毒性」が新たに加わる。
 これに伴なって「佐久間」ルートの一部のみで明言されていた「飴玉の材料=人間の目玉」設定がより強調されるようになった。
 「旧作」で(ばあさん本人はともかく)「飴玉」に関しては『薬と毒』の『薬』の側面が目立ち、「佐久間」ルートでばあさんのその後の行動についてやや齟齬が見られた程度と比べると、「アパシー」の「飴玉」は『薬と毒』の『毒』の側面がより強調されたと言える。

VNV

 『VNV』(新装版)「(岩下明美が語る)飴玉ばあさん」に登場。
 懐かしの「七不思議の集会」スタイル(一部だが)として岩下さんに語ってもらった。
 ただし彼女の性格上、飴玉ばあさんは話の前提設定という趣が強い。
 前述した通り、飴玉の麻薬のように人々を蝕む中毒性に注目され今回は「今野英俊」&「野々宮亜由美」と言う関係性が狂っていった男女を生み出すことになる。 

 ただし、このシナリオ中の一幕として坂上くんの口を借りて哀しい過去まで明らかにされる機会に恵まれている。
 この設定によると若き日の飴玉ばあさんは戦火に焼かれて息子一人を残して家族を失った和菓子職人である。
 その上戦後期の混乱の中で残った息子の視力は失われ、息子の視力を元に戻すために下手人たちの眼球を奪い、直後に官憲に連れていかれる。

 それからの彼女の動向は皆様の知っての通りである。この場合だと彼女の狙いは息子に適合する眼球であり、飴玉(適合しなかった眼球)は撒き餌として再利用している副産物に過ぎないことになる。
 社会や運命への呪いと息子を思うささやかな母心が入り混じり、老婆になっても果たされない願いを抱き続ける彼女の思いは、無関係の身になってみれば痛ましいものがあるが……。

 この設定の飴玉ばあさんは警察に追われる一個人の犯罪者でありながら、既に人ではないなにかに成り果てているようでシナリオ中で超人的な身体能力を発揮するパートもあった。

AMC1

 各所ルートで顔を出し、自重しない活躍ぶりを見せる事になった。

 「山本さんと飴玉婆さん」ルート。
 従来どおりに人気のない校門付近で飴玉ばあさんとふたりきり出会った、という場面設定でお送りするシナリオである。

 ここで焦点が当たる警備員「山本幸男」さんがどんな目に遭うかについてはここでは伏せさせていただくが、大まかな傾向を言わせていただければ飴玉ばあさんの「今後」、「在り方」について触れた結末が多い。
 特に前述した『VNV』(新装版)のほろ苦い解決編、解答編というべき一幕が用意されているのは両方を遊んだプレイヤーにとっては感無量であるのかもしれない。

 「新語り部集結」ルート。
 日野貞夫が用意した「語り部」たちに対抗すべくノリと勢いで倉田恵美がその辺から集めてきた語り部の一人。

 『VNV(新装版)』の前哨とも言うべき野々宮さんが今野君のために眼球を集めてきてくれた時の話か、もしくは飴玉を出席者全員に振舞ったあとに飴玉の材料を御開帳してくれる話の二パターンを語ってくれる。
 どちらにせよ、おちゃめな老婆心を出しつつ残酷なばあさんらしい語りになっている。特に後者は当然の反応か一部を除いた一同は阿鼻叫喚である。

 「ブラック&ホワイト」を凌ぐ年長者なだけあって、彼らと並んで学園の深奥に関わっている素振りをエンディングによっては見せる。人によっては言われてみれば確かにと思い、妙な説得力を覚えるかもしれない。

学恋

 坂上・倉田編に登場。 
 エンディングをいくつか重ねた後に登場する隠しキャラ的な扱いであり、踏破するイベントも二段階と控えめである。
 ただし、エンディングを迎えるにあたっては特定パラメーターを必要とするほか、必ずしもネタに走っているわけではない。
 行動パターンを踏まえれば、出会うために取るべき行動は決まってくる。ただし、曜日は決まっているものの出現頻度は低い。

 「坂上編」。
 恐ろしいことにこちらでは純然たる攻略対象である。
 飴玉を絡めたバッドエンドこそ用意されているものの、親愛ではなく本当に恋愛的な意味で結ばれてしまう。 

 攻略に必要なパラメーターは「容姿」。可愛い男の子の頼みを聞いてくれる辺り、婆さんもまだまだ女性ととらえてよいのだろうか。一応、飴玉を待ち望む心が恋愛感情へ変化した……と語られているので納得できないことはないかもしれない。
 ただ、一枚絵などはないものの幸せそうに全国を行脚するふたりの姿を思い浮かべると茫然としたくなる気もしないでもない。

 「倉田編」。
 打算と欲望で行動するこちらでは攻略対象にはならない。
 出会い方も純粋無垢な坂上に絆されたあちらの展開とは異なる。

 むしろいつも通りばあさんは、問題のありそうな子の内面を見透かして声をかけたという感である。それならバッドエンドに繋がりそうな選択肢もいくつか用意されていそうなものだが、そちらを選んでもその周回は強制終了になるというだけの話である。

 攻略に必要なパラメーターは「知力」。飴玉を単に美味しいだけでない、野望達成のための便利な道具と見出した倉田は飴玉ばあさんと手を組むことにしたようだ。先のことは想像するしかないが、彼女の宣伝力によって飴玉の脅威は拡散しそうである。 

学恋2

 新堂編、風間編に登場。

 「新堂編」。
 一応、異性なだけあって新堂編では専用の攻略ルートが与えられている。
 ネタ風味ということは最初に断らせていただくが、本当にマリッジを迎えてしまうエンドも一応用意されている。

 ただし、このルートの肝は校門付近に出現する謎の師匠「飴玉ばあさん」に新堂さんが師事するというもの。
 恋愛というより師弟愛に近い扱いになっている。

 夜イベント「ババレンジャー」。
 新堂さんが楽しみにしている夜番組にして戦隊風正義の味方「ババレンジャー」のリーダー格「ババ」の正体は彼女だと思われる。おそらく最年長のリーダーらしく曲者揃いのメンバーを取りまとめたり、そうでなかったりである。

 「風間編」。


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学恋V



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流神A

 「渋谷で配られる無料の飴」に登場。
 題材が題材なので参戦は確実と思われていたが、やはりいた。
 ただし、本筋に関わることはない。唐突に現れてバッドEDを提供する役柄である。科学的見地とオカルト思考の間で揺れる『流行り神』の世界観上、彼女が存在するだけでオカルトを証明しているので仕方ない……という観方もできるかもしれない。

 小暮さんとイソップ物語の「金の斧」よろしくな問答を行い、前哨の着ぐるみに輪をかけて妙ちきりんな飴をくれる。
 内容は見事なまでの外れだったり、過去作のオマージュなハッピーと言えなくもないエンドだったり……の三択である。

追加版

 「岩下版『飴玉ばあさん』(改訂)」、「坂上修一が語る飴玉ばあさん」、「ババア大連合(前編・後編)」に登場。
 『VNV(新装版)』から再録された大ボリュームの話および、『学恋』シリーズにおけるフリーダムな分脈を汲んだギャグシナリオで大いに存在感を発揮する。

 また、子を思う年老いた母の心情という着目をしたとしても扇の要を担っている。のちに「高木ババア」、「弁当ババア」と老婆の怪異は続き競演すれども、シリーズにおけるババア妖怪筆頭としてのポジションはまさしく伊達ではないと言い切れるだろう。



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 「ババア大連合-前編-」。
 このシナリオでは新堂さんの質問にどう答えるかによって、本番の後編がギャグとシリアスのいずれかに大きく分かれ、前者の三パターンと後者の導入のいずれかに分岐するという変則的な形式を取っている。

 どういうわけか、ババア妖怪の噂が絶えない鳴神学園だったがその理由は……?


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小学怖

 水曜日「飴玉婆さん」に登場。
 今回、ばあさんについて語るのは新鋭の小学生にして都市伝説研究家「富樫黎雄」。
 飴玉およびばあさんの性質の多くは従来の話を踏襲しているものの、飴玉が綺麗にラッピングされている、ばあさん自身も品のいい老婦人のような口調で話すなど、相変わらず怪しくはあるが小汚い印象は外して語られている。

 飴玉を舐めるだけで本当に夢が叶うなら、その代償はだれが払うのか? 答えはその人自身。
 この話の中で飴玉は夢を叶えた際の理想を味だけでなく体感させる性質を持っていることが語られている。

 ただし、夢は自分の努力で叶えるしかないという厳しい現実もばあさんの口から諭されている。そして飴玉に二回目はない。
 一応、飴玉に中毒性はあるが、絶対に二回目はない仕組みになっているので身を亡ぼす心配はなくある程度は良心的である。

 ただ、ばあさんは一見善意かつ無償で配っているようでいて、子どもたちに叶わないかもしれない夢を見せるとても残酷な人のように思えるのも確かである。

 この話でばあさんの飴玉によこしまな願いを託したのは「坂東淳」。
 そしてそれとは別に単純に夢を叶えたいという思いからばあさんの飴玉を手に取った「脇坂安奈」。

 この両名がどのような結末を辿った、もしくは辿るかは当該項目を参照していただくとして。
 さすがのばあさんも(児童向けレーベルの話ということもあって)小学生相手なら手加減してくれているようである。

ドラマCD

 Disc.7 元木早苗「飴玉ばあさん」に登場。
 『学怖(S)』の根幹ルートと思しき佐久間が〇〇を奪われてその後……の話を過不足なく新堂さんではなく早苗ちゃんに語りの口を代えて教えてくれる。よってばあさんと佐久間の行動自体は往年のファンならみな知っての通りである。

 ただし悪ぶった口調から、実在をほのめかしつつもあくまで「都市伝説」や噂のひとつとして語った新堂さんとは異なり、早苗ちゃんの場合はあくまで飴玉ばあさんのことを実在の人物として扱っているのが特徴である。

 加えて早苗ちゃんはオチ部分まで知っていてなお、ばあさんのことを尊敬している。
 その上、会ってお話ししたいとのんびりとした口調で言ってのけているのだ。

 意地悪な引っかけの一環として飴玉の魅力を語った新堂さんとは違い、飴玉の美味しさをぽややんと、けれど一生懸命に伝える彼女と、それと改めて気付かされた飴玉の魅力に何を思うかはきっと人それぞれ……かもしれない。

 また、元木早苗役の「空賀花」さんはおちゃめで残酷な魔法使いの老婆としか言いようのない「飴玉ばあさん」を佐久間昇、元木早苗との三役兼役で見事に演じられているのでそちらに注目してもよいかもしれない。
 あの時、飴玉ばあさんが何を考えていたのかという答えのひとつが確かにリスナーの耳に入ってくることだろう。

鳴七

 「倉田恵美の飴玉ばあさん」、「飴玉婆さん」ほかに登場。
 スポットが当てられたシナリオを加筆修正のもと二本再録しているほか、今回は「魔女」としての属性が強められている。
 海外でも高名な歴年の魔女らしく、そちらの方面から交友を持っている魔女の仲間も複数名登場する。

 そんな婆さんは基本的には善き魔女として語られており、対応ともらった当人の性根などが間違っていなければ幸せになれる。
 作品によって程度は異なるものの、今回の飴玉婆さんは教訓的な性質を比較的強めに描かれていることになるだろう。

 「鳴神学園」における知名度は引き続き相当に高く、少なく見積もっても数代前の卒業生が在籍していた頃から現在に至るまでという相当の長期間に渡って認知されている。
 このことから、彼女の飴玉を求めて狂っていった老若男女が怪異的存在に成り果ててしまっても「飴玉ばあさん」という噂が塗りつぶされることはなく、噂としても実在人物としても現役であり続けていることがわかるかもしれない。


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 「倉田恵美の飴玉ばあさん」。
 基本的に『学怖(S)』版とシナリオに相違はない。
 ただし佐久間昇あらため「田所尚敬」が相変わらずの自分勝手さを発揮してロクでもない末路ばかり迎える一方で、ばあさんは別に活動を休止するなんてことはなかったりする。こんな話を聞いてなお飴玉を求める剛の者もまぁひと安心(?)であろう。

 また、片桐里子あらため「酒井聖美」さんの方は彼女の善性が高かったことと、酒井さんの親友「名倉寧々」さんのフォローが的確なこともあって、飴玉に託す願いを間違えても将来的な展望は暗くないことが示唆されている。

 ちなみにとある願いを酒井さんがした場合は、飴玉ばあさんは魔女としての基本形を突き詰めた達人であることが逆説的にわかったりする。その気になれば美女の姿も取れるであろう飴玉ばあさんがあえて老婆の姿のままでいる理由は、余人には計り知れない。

 「飴玉婆さん」。
 基本的に『追加版』版とシナリオに相違はない。
 ただし飴玉ばあさんのオリジンを語る展開はオミットされており、一貫してばあさんは正体不明の魔女である。



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 「死を招くベッド」。
 倉田恵美が語り部として立候補するにあたり怖い話を披露するはずが、妙なところから認める認めないの水掛け論になって脱線し、こじれにこじれてしまうことがある。
 結局、その日はしっちゃかめっちゃかで後日、坂上くんは嫌な予感を抱えながら本番当日の新聞部部室を訪ねるのだが……。
 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 部室の扉を開いた坂上君のことを出迎えてくれたのは謎の毛玉に、飴玉ばあさんをはじめとする妙齢の女性たち三名、まさかのキャラかぶりを気にしている男児一名、そして「ヒナキちゃん」という惨状だった。怪異しか集まっていない上に、やっぱり六名しかいないのはなにかの冗談なのだろうか。

 カオスな展開を前にして、めまいがする坂上くんを前にして彼女たちがどんな話をしてくれるかはもちろん定かではない。


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 「トイレット・シャーク」。
 坂上たちが噂の検証のためにトイレを訪れたところで多種多様なサメの恐怖が襲い来るこのシナリオだが、なんとでも取り合わせが効くというサメの特性を活かしてだろうか、条件を満たした場合に飴玉ばあさんが現れる。
 新作と称して飴玉ならぬ、サメの形をした飴([さしずめ、アメ玉ならぬサメ玉。……ダジャレかよ!?])を坂上にくれるのだった。

 が、こんなところで飴玉を渡されても食欲は湧きづらいというもので逡巡していると


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 「坂上修一の学校であった怖い話」。
 「七不思議の集会」を終わらせた坂上修一だったが、そんな彼の夢枕に立ち意味深かつ不穏なカウントダウンを穏やかな口調で告げてくる。

 夢の中に現れる老婆といえば「高木ババア」だが、今回は目深にかぶったローブを跳ねのけた先に意外な顔が現れるという演出が行われている。そのため、素顔が見えない「飴玉ばあさん」が選ばれたのだと思われるが詳細は不明である。

 いずれにせよ夢とは、脈絡がなくともなにかを示唆さえしていれば何が飛び出しても許される舞台である。
 ある意味で『学校であった怖い話』の象徴のひとりともいえる彼女が選出されたことにも納得が生まれるかもしれない。


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最終更新:2024年02月19日 11:45