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索引


1995

  • 登場作品:学怖,学怖S,VNV,AMC1,AMC2,学恋,学恋2,特,追加,最終,新生,月下美人,ドラマCD,ナポin
  • 種族:年代
  • 関連用語:ポケベル
 「アパシー・シリーズ」はあまたの作品群からなるが、大まかに分けて取り扱う時間軸は三つの年代に分けられる。
  「2008年」、「年代の特定されていない現代」、そしてこの項目にある「1995年」である。

 1995年は『学校であった怖い話』の発売年であり、「七不思議の集会」といつものメンバーが揃うシチュエーションの作品はこの年が設定年代とされることが多い。冠題に「学校であった怖い話1995」とついた作品もしくはシナリオはこの年代である。
 『学恋V』は年度でいえば当てはまるのだが、1996年1月からスタートという変則的な形式となっている。

 手のひらに収まるサイズの通信用携帯端末「携帯電話」もほとんどない時代であり「ポケベル」がまだまだ主流。よって公衆電話がしっかり現役。パソコン、インターネットの普及率も家庭ではまだまだ低い。

 不審者を許容する程度にはまだまだ学校の警備も甘い、電話帳や連絡網などで調べればすぐわかる程度には個人情報の扱いが甘い、過去数度あったオカルトブームがまだまだ近くその種の儀式が学校内で行われていてもおかしくないなどど……危険な雰囲気があった。
 などが、この年代の特徴として挙げられるポイントだろう。

 また、少年法の改正も行われておらず、16歳未満の少年少女に刑事罰を科すことができないのもこの年代だった。
 社会全般の雰囲気で言えば前年に発生したいじめ自殺事件などの影響もあり「いじめ」が社会問題として大きく取り沙汰されていた。作中で大きく題材として取り上げられた事情として押さえておきたい。


2008

  • 登場作品:2008,AMC1,AMC2,流神A
  • 種族:年代
  • 関連用語:携帯電話
 「アパシー・シリーズ」はあまたの作品群からなるが、大まかに分けて取り扱う時間軸は三つの年代に分けられる。
 「1995年」、「年代の特定されていない現代」、そしてこの項目にある「2008年」である。

 2008年は「1995年」から十三年後の時間軸で繰り広げられる作品群。
 十三年前になにかが起こり「七不思議の集会」が禁止された――という前提を踏まえたうえでその謎を追っていくシチュエーション、全体的にホラーというよりミステリー、サスペンス調の作品によって構成されている。
 『学怖』の姉妹作でありながら作風をがらりと変えた『探偵局』シリーズが属する年代でもあり、そちらは2007年度を取り扱いながら本番である2008年に向けてあまたの伏線を敷いている段階である。

 ポケベルが姿を消し、「携帯電話」が学生の半数以上には行き渡っていく。
 世紀末を乗り越え1995年にみられた胡乱な影が比較的薄くなっていく一方、情報テクノロジーの発展が著しい。

 インターネットの普及率が上がったことで、各種サイトを介して噂を広めていく「都市伝説」という用語がその手の筋で囁かれ、「学校裏サイト」や「SNS」にまつわる生徒間のトラブルが発生するなど、情報化の裏でツールや危険な情報に振り回される機会が増えた。
 などが、この年代の特徴として挙げられるポイントだろう。


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BL(ビーエル)

 「BOYS LOVE」の頭文字を取った単語。
 男性同士、特に美男子同士の恋愛を描いた創作物全般を指す。
 女性のオタクの中でも「腐女子」と呼ばれる特定の愛好家が好むとされる。
 外部からの認識としては、とりあえず上記のもので問題ないだろう。

 とは言え関係者の間では微妙なニュアンスや定義の違いが見られるので一概に定義することは難しく、一応の認識と断っておく。
 女性同士の同性愛を扱った「百合」の定義、用法が2010年代以降、広がっているという指摘もあったりで、対義語であるこの用語が経年によって激変を遂げるという可能性もなくはないかもしれない。

 「学怖」のファン層自体、元々の女性比率が高めと言うこともあり作中・現実問わずキャラクターを利用した創作活動は盛況である。
 また、厳密に衆道の嗜好を持っていなくとも、シリーズ中にはシチュエーションだけを取ればやや怪しい場面が散見されており、それらを取り扱った趣向も数多い。[過度の友情が愛情と重なるのは異性同性問わずに変わりはしないが。]

 ただし二次創作は元々原作の要素を取り上げて自己流の解釈で再構成するという性質上、好みが分かれる傾向にあるのだが、その中でも「BL」はかなり好き嫌いの分かれるジャンルである。棲み分けは重要であるため、注意喚起は怠らないのが吉だろう。

 その一方で、ややこしいことに「アパシー・シリーズ」中には――。
 スタンスこそは違えど意中の人に対して様々なアプローチをかける同性愛者たち。
 ならびに、主に作中の実在人物をネタに劇中劇として消費する創作者(主犯:「倉田恵美」)の二者が登場する。 

 後者に関しては事の真偽はお構いなしにネタにする傾向にあるため、彼女の作った同人誌のキャラクターとして実際に流通した作中人物が同性愛者として作中の内外で祀り上げられる、なんてことも稀に起こってしまうのだ。
 彼女がどのようにこのジャンルに向き合っているかについてはブラック・ジョークのネタであったり、心身傾ける芸術であったり、それ以上に成り上がるための手段として考えていたりとさまざまだが、シリーズの頒布の主体が同人サークル「七転び八転がり」である以上は自己言及的なメタなネタとしても取り扱われることも多かったようだ。

 [そのため前期「七転び八転がり」は2018年からの後期に相まって公式とファンの垣根が低く、互いに親しまれる雰囲気があった。
 一方で双方の距離感が近すぎるあまり、馴れ合いじみた空気も生まれ、難しいジャンルに関わらず、一時期は棲み分けを難しくして軋轢を生んだ向きがあったという声もないことはなかった。もちろん諸説あり。]

 なお、この項目では作中に実在する同性愛者と、それを元に作られ流通する劇中劇の両方について触れることにする。 
 余談だが実は原作者である飯島氏自身が腐女子の男性版「腐男子」というポーズを取っていた時期もあった。
 その関係もあってか前述した通りに作中にも少数ではあるが「本物の同性愛者」が登場していたりする。

 ただし、飯島氏自身は男子校出身であり、身近なところから男子校生の悲喜こもごもな奇行を見続けていたという都合もあって、その経験は創作に活かされているものの理想化された男性間の恋愛――といった関係性を描くことは稀である。
 真面目なニュアンスで同性へ向ける愛情の行方と苦悩を取り沙汰したり、かと思えばステロタイプな男漁りのホモセクシュアルが登場したり、単に同性間の友情物語が素晴らしいあまり愛情に解釈しても問題なかったりとその描き方もさまざま。

 補足とばかりに一応断っておくが、以下に取り上げる文面でその都度同性愛者であると明言されたキャラは数名紹介される。
 ただし、彼らは一部を除いて一貫して同性愛者であるとは限らない。定番の口上ではあるが、パラレルなので悪しからず。
 また、ゲーム作品中で直接の濡れ場が描かれることは皆無と言ってよい。
 (※「caramel candy」については除外、本wikiでその辺についての記述は見送ることとする。)

 また、シリーズの進行に伴い、主人公「坂上修一」はこの方面からも異彩を放つようになっていく。視点人物ゆえに我が弱めの坂上は誰とでも組み合わせることができ、気弱でありつつ柔軟に対応できるため同性同士の強い親愛関係に発展させやすい。
 同性攻略可能を謳った『学恋』シリーズでも主人公は交替しつつも流れは受け継がれているので注目してもよいかもしれない。

 くわえて「覚醒」および闇社会に繋がっている設定が追加されると俗に言う「攻め(恋愛で能動的に動く方)」からも注目されるようになった。この場合の坂上はゲイタウンにして魔窟、夜の「新宿二丁目」を堂々と闊歩すると言う裏の顔を持つ。

 つまりはただの男子校生とは全く思えないダーティーな側面をみせる。
 この文脈から『学恋』では食人鬼相手にほぼ全裸に首輪着用のSMプレイを強要するという攻めたシチュエーションを提供した。
 [ただし、彼の根底に流れるものはサディズムであり、同性愛ではないのだが。]

 ちなみに、あたかも男性同士の怪しい関係性を想像したくなるシリーズの異色作『男子校であった怖い話』は発売前から再三にわたって「BLではない」と明言、警告されていた。実際、BLだと思ってプレイした場合死傷しかねない要素が本編中には含まれている。
 共に死線をくぐったりする中で生まれる男同士の熱い友情はしっかり描かれているため、二次創作に使えるBLネタはしっかり含有されているのだが、ネタバレを抜きにしてプレイされる方はまずこのことを念頭に置いてプレイされることをおススメする。

 『学怖(S)』隠しシナリオに登場。
 明確な男性間での同性愛的なエピソードは以下二点に留まると思われる。
 ただし主人公と語り部の関係性に目を向ける限りはそうでもない。馴れ馴れし過ぎ、友情と愛情の境界すらぶっちぎろうと妙に対人距離を詰めてくる細田さんや、問題発言が多すぎて変な方向に勘違いされやすい荒井さんが比較的ネタにされやすいようだ。
 [まぁ、細田さんは恋人というよりは友人を求めているのだが。実際、相手が女性になっても態度はあまり変わっていない。]

 隠しシナリオ「早苗は僕の婚約者」。
 「BL」を語る上では、おそらくはシリーズ全般を見渡してみても最も知名度の高い原点たるエピソード。
 日野貞夫と「神田拓郎」の関係性は語るに外せないだろう。
 これは唐突に現れた日野さんが悪霊と化した神田さんに変わらぬ愛の告白を向けながら彼のことをさらっていき、翌日に水死体となって発見されるというもの。改めての無理心中なのか、生前には届かなかった日野さんの愛が神田さんに届いたのかは不明。

 完全に前後の文脈を無視していることもあって、一同を唖然とさせなんだかわからない気持ちにさせたわけだが……。
 ただし、日野さんが神田さんに向ける愛情は本物と確信させる気迫があり主人公も困惑しながらも敬意をもって見送っている。

 隠しシナリオ「スンバラリア星人現る」。
 「性別が無い」という特殊設定を持った風間さんと結婚してしまうというエピソード(『学怖』限定)。ただし、相手は無性ないし両性のため、これはどう定義して良いか扱いに悩むところである。

 むしろこの設定に関しては後続作品の『学恋2』が本番である。主人公の風間さんは性別がないという設定を活かし、見た目が同性同士であっても、もしくはあればこそ育まれる同胞愛や友愛を描いており、完成度の高さから人気を集めている。 
 [抱きしめたり、「いい匂いだね」とか言われている辺りで、BLとしての解釈もまぁ自然と言えば自然だろう。]

 『晦』泰明一話「絵画に隠された謎」に登場。
 無名画家の遺した絵画の調査・復元に乗り出した泰明さん達だったが、表の絵の上にもう一枚の絵が隠されていることを発見する。CG担当スタッフ・風間が話に関わり裏側に描かれた「女神」だった場合、風間さんはその絵に魅せられてしまうのだった。

 そして風間さんは恋心があまりあまって思い詰めた結果、絵画に残された呪文を解析し、魔法陣を敷いて魔術を発動する。
 とろけた瞳で闇の中から現れた美女の方に歩み寄る風間さんは「魔女」のように豹変した彼女に連れ去られてしまうのだった。

 が、後日になってその女神あらため魔女の絵のモデルは男性だったことが判明する……。
 なお、この際に泰明さんが引いた『モナ・リザ』のモデルが男性という話があるのは本当の話であり、この場合は作者のダヴィンチもしくは愛人ともされる弟子のサライがモデルとされている。 
 また、『モナ・リザ』には男性と女性の意匠が折衷されており、性別が判然としない美を意図したのではないかという一説も。

 閑話はさておき、恋愛に性別なんて関係なさそうなものだが、それはそれとして魔女の方に相手を騙そうとした意図があったことは明白である。しかしこのことを知った泰明さんはすごい勢いで笑い飛ばしており、彼の人の悪さが感じられる展開である。
 とは言え、いい話として終わるパターンも用意されており、そちらの場合だと泰明さんは風間さんの幸福を密かに祈っている。

 ちなみにこの話には風間さんが泰明さんのことが好きで、屋上に彼を呼び出してカミングアウトするという結末も存在する。
 なんでも衝撃の言葉の直後、彼に追いかけられたらしいが、その後ふたりがどうなったかは不明である。

 なんだかんだで、発売当時(1996年)の風潮や時代的背景を踏まえれば、男性間の同性愛が笑い話のオチとして機能するというのは、さほど無理のある展開ではないのだろう。
 もちろん今の感覚からすればそんな茶化しは眉をひそめたくなるものの……、過去を現在の視点から裁くのは慎むべきである。

 『VNV』「かぐわしきにおひ」、「恵美ちゃんの坂上君観察日記」に登場。

 「かぐわしきにおひ」。
 悪質なストーカー「大川大介」の被害に遭い続ける男「綾小路行人」の初登場作品である。詳細については彼らの項目に譲るが、これは後続作品にも波及する綾小路の基本設定のひとつである。
 一応断っておくと綾小路自身は別に同性愛者というわけではなく、大川が綾小路に向ける好意と悪意は一方的なものである。

 「恵美ちゃんの坂上君観察日記」。
 原作者・飯島多紀哉の手による「倉田恵美」のキャラクターの再構成に伴い、彼女の主軸を為す要素のひとつとしてBLが取り上げられ、(劇中劇としての)BLを語る上で彼女を外すのは不可能といっていいほどの存在感を放つようになった。

 今回、彼女のお家芸である妄想の犠牲者になるのは最も身近な先輩ということもあって日野貞夫である。
 ついでに倉田さんの妄想によって、なよなよへらへらしているけど実は鬼畜という勝手なキャラ付けが施された坂上修一が相手役として彼と共演させられ(続け)ることになる。

 『探偵局』第六話「フレンドシップ」に登場。
 一方的な好意を友人の「柴田浩次」に向けるあまり匿名のSNS上で「ヤンデレ」じみた問題行動に出た「中雅臣」が該当する。
 柴田自身は女の子大好きな三枚目的な役回りで同性に恋愛的な意味での興味はないのだが、中は男が好きではなく柴田だから好きなのだと高らかに放言することからもわかる通り、ストレートな偏愛をこじらせておりやはり一方通行な関係性である。

 分岐によっては柴田が中の思いを知ることはなく、水面下に導火線を抱えたままで友人関係は継続する。
 ただし、その後の時間軸を描いた『流神A』で柴田は中の秘密を知っていることから、図らずも中がカミングアウトしてしまった結末がやはり正史だろう。
 この場合だと柴田は内心では中の嫉妬を隠さない剣幕に怯えつつもお気楽な性分もあってとりあえず友人を続けているようだ。

 『AMC1』「倉田家襲撃」ルート、「人間狩り」ルートに登場。
 主人公「倉田恵美」のキャラクターを掘り下げるにあたってルートによっては「同人誌」制作が大きくピックアップされている。
 『VNV』での前哨を経てからのお披露目本番ということになるだろう。

 ただし、彼女の本質は自分に都合のいい方向に周囲の人物を捻じ曲げ、自分自身でさえ扇動していく妄想家である。
 それに加えてその場のノリでぶち上げたとしか思えない「世界征服」などの野望達成に向けて本気で邁進していく謀略家・野心家であるため腐女子としての属性はすべてではなかったりする。

 「倉田家襲撃」ルート。


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 「人間狩り」ルート。
 経緯は不明ながら旧校舎で綾小路に悪魔召喚を勧められた倉田恵美はからくも危地を乗り越えることに成功していた。
 が、あまりに衝撃的な出来事だったため記憶からは飛んでおり、その日は何も知らないうちに帰宅した。
 自分のことを殺人クラブのメンバーたちが狙っているとは露とも知らない倉田恵美は、自室で次回作の構想を練っていたのだが……。

 例によってその題材はナマモノだった。


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 『鳴神学園短編集』「滾れ、性☆春」シリーズ。
 元々はソフト購入に伴うおまけ特典などで頒布され、限られた人間が読めた短編三部作である。
 作品内外を混乱のドツボに叩き込んだ問題作であり、真面目な同性愛と悪ふざけと人間トラブルとギャグが同居している。
 その上、周囲を嵐に巻き込みつつも本人は無事という――台風の目じみた「倉田恵美」の特異性を如実に描いたコミカル作品という、いろんな意味で恐ろしい作品に仕上がっていたりするのだ。

 一作目『滾れ、性☆春』は前述した通り実際に倉田恵美が書いた同人誌という題目であり、しかも彼女が身近な人物(新聞部、語り部など)を題材にした二次創作(通称:ナマモノ)ということを好むという設定を否応が無し知らしめるものになっている。

 「劇中劇」であることは(現実の読者なら)最後まで読めばわかる構成になっているため、一応の配慮はされているのだが……。この作品に限れば、濡れ場込みで相当どぎつい描写がされているので相当人を選ぶ作品であることを再度周知しておく。
 実のところ、倉田恵美という人物は虚構が現実を侵食する恐怖を得意とすると言えなくもない。

 そういったわけで『滾れ、性☆春』を受けての二作目『日野先輩の災難』では作中の鳴神学園の一部人物(主に日野貞夫)を襲った激震と、悲喜こもごものドタバタ劇を描く。
 あまたの関係者の思惑が絡み合うことで結果的に(日野さんのところに)訪れた地獄については涙を禁じ得ないだろう。
 外野の人間にとっては笑い話で終わってしまうというのも、よくよく考えれば恐ろしい話ではある。

 三作目『恵美ちゃんの荒井さん観察日記』は独立した流れになっており、ここで初登場した男子生徒「益田洋一」が荒井昭二に向ける感情という真面目な着眼に、善意と悪意が混ざった無敵の腐女子「倉田恵美」の接触という、またしても心胆を寒からしめる発想になっている。

 『秘密』「行かないほうがいい」ルートに登場。


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F.O.A.F

 『流行り神』シリーズに登場。
 「Friend of a Friend」、つまり「トモダチのトモダチ」を意味する言葉の頭文字を取った正式名称を持つ組織である。
 読みについては存在を知った部外者のものという断りはあるが、そのまま「エフ・オー・エー・エフ」もしくは「フォアフ」。

 ただし末端ではなく深層の知識を持つ構成員からも正式名称では呼ばれず、作中ではもっぱら「組織」とのみ呼称されている。正式名称は開発スタッフのインタビューから明らかになった。
 正式名称が作中で出たのは『流行り神2』「道明寺レポート」が初となる。

 世界観を共有する『真 流行り神』シリーズにおいては『真 流行り神2』から。「警察史編纂室」の流れを汲む「とくそう(特殊お客様窓口)」がこの組織の正式名称を知るところとなった。
 こちら、顕在的な敵とみなしている彼女たちの内輪では大っぴらにその名は呼ばれている。

 この組織のことを端的に言うなら「都市伝説を利用する悪の秘密結社」の一言に尽きる。
 都市伝説の裏にある不可解な力を求め、犠牲を出す各種実験を強行したかと思えば、表沙汰になった事件を捜査する警察組織にも大きな影響力を及ぼしており、その全貌は計り知れない。

 当人も知らない内に組織に抱きこまれている構成員もいるため、彼らの目がどこに及んでいるかについても定かでない。
 かく言う編纂室も組織内でのカウンターパートとして結成された無自覚の構成員であったりする。

 各界の要人を構成員に持ち、長い歴史を持つが組織の肥大化の中で都市伝説に代表される怪異を監視、制圧するという当初の目的は失われ、権益を求める各種派閥に分裂気味の模様である。
 都市伝説や古い伝承からエネルギーを取り出したり、その中で「不老不死」を求めてみたりと言った連中が幅を利かす一方で、謎の男・道明寺も属する別の一派から一斉に血の粛清を喰らったりと内情はなかなかきな臭いものを抱えているようである。

 この組織自体が都市伝説のひとつ「陰謀論」を下地に設定されたこともあって、シナリオのコンセプト上実像を明らかにする方針でもないのかもしれない。加えて外部からでは正確な実像を掴むのも難しいため、明確な目的を見失った迷走気味であやふやな活動しか観測できないのも当然だろう。


LIME

 「アパシー・シリーズ」のうち「年代不明の現代」を舞台にした作品中に登場するコミュニケーション用アプリケーション。
 「携帯電話」などにインストールして使用し、認証し合った利用者同士での音声通話やチャットを可能とする。

 名称は現実世界において大きなシェアを有する同様のアプリ「LINE」のもじりだろう。
 「Twitter」をもじった「ポエッター」同様に、機能面でも現実におけるそれを踏襲していると思われる。


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 『極』「招霊騒動」に登場。
 「あの子」に見つかったが最期、絶体絶命の事態を打破するための手掛かりを求めて校内に語り部たちはツーマンセルで散る。
 そんな彼ら彼女らと、「こっくりさん」を帰さないために新聞部部室から動けない主人公との間での通信、連絡に用いられる。
 作中ではグループチャット機能が主として用いられ、各人が入手した情報をリアルタイムで反映させ情報を共有、集合知による思わぬ発想を積み重ねて真相を探り出し、最終的には生還を目指すというプロットになっている。

 『秘密』「行かない方がいい」ルート、「差出人を探そう」ルートに登場。


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 「行かない方がいい」ルート。
 新聞部内での連絡手段としてこのアプリが用いられているようだ。

 「差出人を探そう」ルート。


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ONI

  • 種族:ゲーム
  • 関連用語:忍者,妖怪
 ゲームクリエイター・小説家「飯島多紀哉」にとって『抜忍伝説』、『ラストハルマゲドン』などと並ぶ代表作のひとつであるゲームシリーズ。ジャンルはゲームの王道たる「RPG」(最新作のみパズルアドベンチャーで)。
 タイトルの「ONI」は言わずと知れた妖怪というカテゴリを越えて独立した魅力を放つ人外種族「鬼」と隠れ忍ぶ者「隠忍(おに)」を掛けたダブルミーニング(※幕府隠密のお庭番も同一の語源とされる)である。

 後年の原作者によるコメントによるとタイトルの初期案が「残地張(ザンジバル)」=生きに潜む名(隠(なばり))とされているが、メーカーから売れ残りを思わせる「残」では縁起が悪いとの旨を受けて「ONI」に変更されたものであるらしい。

 原作者・飯島氏の得意とする忍者およびその隠れ里伝説に、人にまぎれて隠れ住みながら人知れず人々のために戦い続ける妖怪のヒーローという着眼を結び付けた和風の世界観が特徴的である。
 シリーズ諸作品の舞台とする年代はさまざまで平安時代~幕末までと幅広く、作品によっては実在する歴史上の人物や神仏魔王の類も登場するなど歴史モノ、伝奇モノとしての見ごたえも大きい(※歴史の裏側で活躍する側に立った物語であるため、奈良時代の怪僧「道鏡」が平安時代に登場するなど現実の歴史とは必ずしもイコールではない。あくまでエンターテイメントである)。

 シリーズ最大の特徴が主人公および仲間の大部分が戦闘中に人外としての力を解放することで姿を変えてパワーアップする「転身(初期作では変身)」というシステムである。
 主人公の名前は一貫して「〇〇丸」という形式であり、転身によって得る名は「〇〇童子」という形で共通している。

 なお、ゲームボーイ五作品(ONI I~V)およびスーパーファミコンでリリースされた二作品(鬼神降臨伝・幕末降臨伝)は転身に伴う変化は甲冑や外骨格をまとうなど、メカニカルでありなおかつヒロイックな印象を与えるものだった。
 シリーズの完結を見据え制作され飯島氏がシナリオも手掛ける『ONI零~復活~』では元のキャラクターの面影はそのままに人外としての装飾や装備が施され、場合によってはクリーチャー然とした姿に変貌を遂げる『デ〇ルマン』形式に変更されている。
 (※女性キャラなら露出度もマシマシ。シナリオの鬱っぷりも含めてますます『デビ〇マン』)

 どちらかと言えば飯島氏の率いた「パンドラボックス」時代の主力IPタイトルだったシリーズであり、本wikiが取り扱う「学校であった怖い話/アパシー・シリーズ」とのかかわりは希薄である。
 シリーズファンとしては「七転び八転がり」が活動初期に頒布した同人誌『センス・オブ・ワンダー』に、ゲームとしては『鳴神学園都市伝説探偵局』と一ヶ月違いの発売になった『ONI零 戦国乱世百花繚乱』の小説が収録されていた、くらいの認識だろう。

 ただし、『四八』に「ONI」とコラボしたシナリオを収録する予定があったり(※例のごとく痕跡を残してシナリオはカットされた)、同じく忍者の隠れ里伝説をモチーフにした『藤丸地獄変』がシリーズに客演するにあたって関連ワードが触れられたりとオールドファンならニヤリとする要素が盛り込まれていたりもする。

 [クリエイター・飯島多紀哉は氏の旧来のファンにとっては感慨深い「天界九部作」などの統一世界観を持っており、時と場合によっては単一作品を投げ込む形式を取っているが「アパシー・シリーズ」は独立性が高いということもあって合流する可能性は低いだろう。
 ただし客演という形で今後シリーズの鍵を握る「司狼丸」たちが鳴神学園にやって来ることや、歴史の闇に消えた事柄として妖魔が触れられることは可能性としては皆無ではなく、いずれにせよ今後の展開に期待したい。]


PO-HELL(ポーヘル)

 PO-HELLとは地球侵略を企む悪の秘密結社である。
 悪役らしく、宿敵とも言うべき組織(戦隊?)「ヤジレンジャー」がいるらしい。
 合言葉は「PO・HE」と、奇しくも坂上の飼い犬「ポヘ」と同じ発音である。

 『四八』千葉シナリオ「学校であった怖い噂」に登場。
 「記憶喪失」になった風間さんが唐突に言い出しただけの組織である。
 実在すら定かではない。風間さん曰く、自分は四天王の一人・カッザーマらしいが、たまたま居合わせただけの坂上くんのことを同志シュウイッチャーと呼んで勝手に仲間としてカウントしてしまう。

 カッザーマがいくら謎な人とは言え、信憑性はかなり低いことだろう。
 別分岐では自分のことを「PO-HELL」相手に不覚を取り、記憶を消された「大いなる天空の覇者・シュガーナッツ」と語っている。 風間さんはその後も坂上くんを付き合わせ、倉田さんを仲間に勧誘しようとしてるのだとか……。

 この場合だと矛盾が生まれて信頼性はさらに低下してしまうかもしれない。
 (※『四八』はキャラ設定の固定を謳ったアンチ・パラレルワールド世界のため)

 「PO-HELL」を相手取るくらいだから敵対しているのだろうが、ナッツ系のコードネーム=ヤジレンジャーと考えれば、悪の四天王から光堕ちして正義の戦隊に鞍替えしたのだろうか……? 

 『学恋』倉田編「風間」ルートに登場。
 重ねて説明するが『四八』内ではどうか知らない。
 バッドEDのひとつで少なくとも完全な与太話ではないことが立証されることになった。
 倉田恵美が風間さんにマズいドリンクを散々おごられた結果、秘められた力が目覚めたのである! 
 倉田恵美が風間さんに飲まされ続けていたのはただのマズいドリンクに思えて、実は「熱き魂を持つ聖なる力を増幅する力」[なげーよ]を持つ特別なドリンクだったのである!

 風間さんは自らをコードネーム「カシューナッツ」と名乗る。
 彼もまた、悪の秘密結社「POHELL(こちらではなぜかハイフンが付かない)」に対抗すべく、指導者である中野新橋博士に力を与えられた一人であった。

 ドリンクに適合して力を得ることが出来るのは地球上でも五人ほどしかいないらしい。
 見事に日曜の朝にやっている戦隊の人数と同じである。

 とかく、正義の組織があるなら悪の組織の存在も認められようもの。
 とにかく、戦士レディーマカダミアンと認められた恵美ちゃんは風間さん、――いやカシューナッツと手と手を取り合い、明日に向かって走り出すのだった(つづく?)。

 先述のヤジレンジャーは『学恋』の彼らと同一の存在としてカウントして差し支えないだろう。 
 『四八』内で矛盾があると言う先の指摘は風間さんが電波を飛ばしていると言うもっともな仮説以外に、二重スパイや裏切りなどでいくらでも説明がつくかもしれない。
 なにより、洗脳によってかつての味方が敵へ、敵が味方に回ってしまうのは王道である。

 なお、『四八』中に発言があるコードネームと対応する人物は以下の通り。
 大いなる天空の覇者・シュガーナッツ(風間)、父なる大地の守護者・ピスタチオ(坂上)、母なる海の聖母・レディーマカダミアン(倉田?)、偉大なる炎の猛者・レッドアーモンド(?)。
 以下四名である。謎に包まれた五人目が言及される日が来るか否かについては定かでない。


RPG(アールピージー)

  • 登場作品:AMC2,極,秘密
  • 関連用語:旧校舎,黒バラの城
 ロールプレイングゲーム(role-playing game)の頭文字。
 直訳は「役割を演ずるゲーム」
 日本では「ドラクエ」や「FF」などの西洋のドラゴンと騎士をモチーフとした勇者の冒険譚などが発端として有名。システム的にはコマンドとターン式の戦闘で雑魚と戦い、経験値やお金を貯めて主人公やキャラクターを強化していくタイプが主流である。
 [決して対戦車グレネードランチャーのことではない]

 『AMC2』に登場。
 物語中のあるポイントからおまけゲームであるRPGをプレイできるのだが、その内容は「ドラクエ」や「FF」の一世代前である「地下迷宮探索型」というものである。
 これは大前提として地下の大迷宮と、迷宮の宝を求め続けていく冒険者、そして迷宮の真上にあって冒険者を支援しつつ発展してきた町、という設定があり、プレイヤーも一冒険者として迷宮を探索していく。

 この頃のこういうゲームと言えば性能が低いパソコン(Apple II、IBM PC、PC-9800とか!)によるモノで、町の描写は文章だけ、迷宮を構成しているのはワイヤーフレーム、モンスターも簡素なドットというレベルだった。
 しかし奥深い迷宮への探索やキャラクターの成長要素、攻撃や回復・支援に様々な種類のある魔法の使いどころなどの要素が当時としては斬新であり、大ヒットしていった。
 [なお、当時の必須アイテムとして「鉛筆と紙」があった。モンスターの弱点のメモのほか「迷宮の地図」を手作りしないと迷ってしまうのだ。]

 しかも『AMC2』のゲーム内では文章はすべてひらがなで表示、迷宮の表示もワイヤーフレームを再現するなど徹底している。
 敵キャラは鳴神学園や送り犬の登場人物となっており、宿屋や武器屋などの施設ではレンタル家族の登場人物が使われていた。

 『極』「呪われた旧校舎」に登場。
 『学校であった怖い話』初の「RPG」と銘打たれたシナリオになっている。
 上記『AMC2』を知るプレイヤーとしては「ん?」と首をかしげる部分もなくはないだろうが、『探偵局』主導ではなく『学怖』キャラを実際に操作して遊べるシナリオという意味では「初」である。

 今回は舞台となる「旧校舎」のマップに配置された各施設およびオブジェクトをクリックすることで探索し情報やアイテムを集めながらクリアを目指す形式である。
 戦闘も存在するが、ザコ敵とエンカウントを重ねて成長していくという一般的な「コンピューターRPG」の形式ではなくシナリオの節目にボスと会敵するという方式を取っている。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 最大三ポイントからなる「体力(ライフ)」およびその右上の「アイコン(精神状態「SAN値」)」を確認し、やりくりしながらシナリオを進めていく。
 どちらかと言えば本シナリオが題材に採った「クトゥルー神話」がその知名度を高める一因となった「テーブルトークRPG」を彷彿とさせる演出といえるだろう。


 よって、どちらかと言えばマップ探索型アドベンチャーに近いものの「RPG」の銘に偽りなしといえる。

 『秘密』「行かないほうがいい」ルートに登場。
 『極』「呪われた旧校舎」と同じシステムを採用しており、今回は廃洋館黒バラの城」を探索していく。
 やはり敷地内の見取り図をクリックして館内を探索していく方式を取っているが、今回は戦闘パートは存在しない。


 (執筆者募集中) 



TSF

 「Trans Sexual Fiction」の略。
 男性が女性、女性が男性へと異性に後天的に性別が変わってしまう創作ジャンルに向けた呼称である。
 後天的な変化という過程が肝となっており先天的にもし性別が逆転していたらという「IF(仮定)」はあまり重視されないとされる。[識者の間ではあまり混同は歓迎されない風潮にあるといわれている。]

 コロコロと性別が入れ替わるライト目なお色気コメディや思春期の悩みをテーマとした社会派まで多くのジャンルを横断するジャンルであり、それらについて語っていると紙幅が尽きかねないほどに広大な概念を有する。
 なお、肉体的な変化が伴わない「女装」や「男の娘」といったジャンルとは近隣し、多少シチュエーションとして重なり合っても本質的には異なるジャンルなので注意が必要である。

 シリーズ中では「パラレル・ワールド」などを用いた「入れ替わり」なる性転換の手法(代表例としては尾道三部作のひとつ『転校生』や新海誠監督の大ヒットアニメ映画『君の名は。』)が主として用いられ、シチュエーションとして時折発生している。 

 『学怖S』隠し02(女)「あの子は誰? 謎の坂上君」に登場。
 「七不思議の集会」を無事に終え、見事に取材原稿を完成させた「主人公(女)」だったが……。
 肝心の原稿を一読した日野先輩からは出来映えをぶった切られてしまう。

 意気消沈として退席する主人公だったが、その間際になってそんな日野先輩がつぶやいた言葉は「こんなことならサカガミに任せればよかったな……」という一言だった。
 それからは、語り部たちと再会しながら同じクラスメートのハズなのに面識のない謎の男子生徒の姿を追い求める主人公だったが、開き直された「七不思議の集会」に出席した時、自分が男子になっていることに気づく。

 果たして、彼女がどうして、なぜ、彼に変化していたのか?
 ふたたび開かれる七不思議の集会の果てに、彼女はどうなってしまうのか?
 謎は一切語られないままに「永劫回帰」に似た物語は解けることなく結び直されていくのだった……。

 言うまでもないことだが、『学怖S』では最初にプレイヤーが介入できる「主人公選択」を境に主人公の男女とキャラクターは分かれ、以後作中でこのふたりの存在が共存することはない。
 この釈然としない状況が生まれた理由については、おなじみの平行世界の混線や虚構の中の登場人物である「サカガミ」が女性主人公の下にインストールされたなどで諸説考えられはする。

 また、メタ的な解釈に立てば、プレイヤーが「主人公」という無形の存在に介入できる「性別の変化=シナリオの変化」というシステムをシナリオ上に落とし込んだメタファーとも考えられるだろう。

 [一方で、『学怖(S)』の主人公という存在は男女を問わず内心ではかなりの個性を発揮しているのに直接顔を見せないことで個性を剥ぎ取られ、主張する機会もなくしている。

 そして結局は男女の区分もさしたる意味を持たないという言外の主張だと考えてみると、シリーズの世界観の枢軸に座す「仮面の少女」を思わせてなかなか示唆的な話ではあるのかもしれない。

 「アパシー・シリーズ」始動後、主人公――『学怖S』の女性主人公は「倉田恵美」というデフォルトネームを確固たる不動のものとし、固有のキャラクターを有することになる。
 よってこのシナリオはそういった区分以前の、性別が属性程度の違いだった時代のものといえるのだろう。] 

 『特別編』細田七話「パラレルトイレツアー」に登場。
 トイレで怪異を探してみようという細田さんの提案に乗っかり、新校舎一階南側の男子トイレを訪れた場合の出来事である。
 「パラレル・ワールド」にまつわる『魅惑のトイレ』の話を坂上くんが聞いていた場合、彼は細田さんの体験を身をもって思い知らされてしまう。具体的には、女性として生を受けて十五年間歩んできた並行世界の自分と入れ替わってしまうという形で。

 まどろみに似た意識の空白を経てから例のトイレの個室を出た坂上だったが、風間さんからちやほやされる言葉をはじめ、語り部たちの反応から「ん?」と思う。直後、慌てて駆け込んだトイレの鏡を見て自分の体が変わっていることに気づくのだった。
 なおこの際に、元の「坂上修一」の立ち絵を少し差分化した女性版の専用立ち絵が表示される。

 双方を見比べてみると、元々が小柄でほのぼのとした女顔(たぬき顔)という印象は共通しており(プレイヤーからも)違和感は薄く納得感さえあるものの、当たり前の話だが本人は愕然とし、途方に暮れるのだった。
 余談ながら、この際に平行世界の自分の心配をするあたり彼(女)もなかなかお人好しである。

 ちなみに彼「坂上修一」ではない彼女の名前は「坂上修子」[安直である。]。とは言え、周囲の認識は元から女だったということでもあり、自意識と生活習慣、その他諸々の信じてもらえない孤独感に苛まれることになるのだろうし、本人にとっては笑い話ではない。
 学校に怖い話を聞きに行っただけで女の子になってしまった彼あらため彼女の明日はどっちだ……!?

 『極』「イノチ」に登場。


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 『鳴七』「実験室の白髪鬼」、「パラレル・トイレツアー」に登場。


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 「実験室の白髪鬼」。
 白髪鬼こと「白井伝三郎」先生が手がける実験のバリエーションが広がった今作だが、その一環として坂上+語り部たち六名の精神をシャッフルされてしまうという展開が存在する。
 実験で意識を失ったあと気を持ち直したらご覧のあり様だったということもあるが、当然ながら原理は一切の不明である。

 内訳についてはここで述べることはしないが、大外れを引いてしまったり、その逆だったり。
 はたまた特に気にせず、入れ替わった先の体の生活に順応したりと反応はさまざまである。


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 「パラレル・トイレツアー」。
 基本的に『特別編』版とシナリオに相違はない。
 多少の差分程度で納得できる坂上修一の中性っぷりも健在となっている。
 ただし、本人の反応は違っている。今後どうなるかはわからないにしてもなんともたくましいと言わざるを得ないだろう。


UMA(ユーマ)

  • 登場作品:学怖S,四八,学恋2,流神A,新生2
  • 関連人物:時田安男《犠牲者》,風間望
  • 関連用語:映画研究会,都市伝説家族
 未確認動物、(Unidentified Mysterious Animal)の頭文字で略称。
 具体的には雪男(ビッグフット)やネッシーなど、自然界にいて未だ人類が確認、研究が出来ていない謎の生物のことを指す。「妖怪」や創作上のものは含まれないとされる。
 ただし、シリーズ上では謎の宇宙生物の方が幅を利かせていたりする。
 「Universal」の頭文字と考えれば、略語としてはけして間違ってはいないのだが。

 ちなみに謎の宇宙生物に関しては宇宙人・風間望(マザーカ)のペットがシリーズ上で存在感を放っている。
 これらは毛玉や肉塊のような本体から針金のような手足を生やし、同じくいくつもの眼球を本体に突き刺した棒の先にくっつけたような、なんとも名状しがたい形をしている。

 女性好きの風間さんらしく「アケミ」、「サナエ」、「レイコ」などといった名前が個体ごとに付けられているが、当然ながら元ネタになった地球人女性とは一切関係ないことは彼女たちの名誉のためにも補足しておこう。
 シリーズ中では同じデザインのクリーチャーが度々登場するが、設定はその都度異なっていたり流用されたりとさまざまである。

 『学怖S』「時田君の自主制作映画」に登場。
 「時田安男」くんたち「映画同好会」が旧校舎で発見した謎の宇宙生物が該当する。
 隕石から現れたと思しきこの宇宙生物は当初は銀色に輝くひよこのような愛らしい姿をしており懐いてくれていたようだが、やがて繭になり孵化した時は「長いくちばし、頭から生えた触手、ぬらぬらと輝く瞳」というグロテスクなものへと変化していた 

 この時点で大人に報告しておけば大事にはならなかったと思われるが、案の定この宇宙生物はヤバかった。
 夜の旧校舎で宇宙生物は時田くんの隣のクラスの生徒を捕食し、時田くんたち映画同好会の命こそ取らないものの体内に何かを打ち込む。入院中の彼らの脳内では腫瘍らしきものが次第に大きくなっているのだという。[B級モンスターパニックの前哨かな?]

 ついでに言えば、これら人類史を塗り替えそうな大発見は学生映画や怖い話の範疇で収めていていいとは思われないが、果たして荒井さんが胸の内に収めたのか、それとも水面下では結構上の方にまで話が上がっていて大騒動になっているのかは不明である。

 『四八』広島シナリオ、鹿児島シナリオに登場。

 広島シナリオ「ヒバゴン」。
 富沢七姉妹のひとり「富沢水貴」が(おそらく)プレイヤーである「あなた」に向けて披露してくれる、見るたびに見えるものが変わる「心霊(?)写真」に写るもののひとつである。
 いや、だからなんやと言いたくなる方も多く『四八(仮)』を悪い意味で物語るシナリオのひとつとなっている。

 ただし、このシナリオは「ランダム分岐」を採用している。
 そのため、ヒバゴンのほかに用意された「ホッピングババア」、「津蛾鶴人(顔面ドアップ)」、「イッシー」、「???(ゲームのオープニングの最後で流れた両断され逆さになった顔、おそらくは未使用画像)」との間で五択を強いられる。
 場合によってはヒバゴンばっかり拝む羽目になるし、粘ってもヒバゴンだけが出てきてくれないなんてこともある。

 ちなみにヒバゴンとは類人猿型のUMAであり、例のごとく正体は不明ながら逆三角形型の頭部などが特徴的とされている。
 名称は広島県にある「比婆山」に由来し、長らく途絶えているものの1970年以降数度に渡って目撃例がみられた。
 広島県ではご当地UMAとしての知名度は高く、現地の庄原市では「イッシーのたまご」というお菓子が生産、販売されていたりする。ちなみに哺乳類にしか見えない外見なのになぜ「たまご」なのかといえば、イッシーには地球外生物説が存在するため。

 ほか、直木賞作家「重松清」氏がこのUMAをモチーフとした小説『いとしのヒナゴン』は地元全面協力の下で2005年に映画化された。ご当地キャラとして着ぐるみも作られており、存在感は健在である。断じて『四八』発祥の怪生物ではない。
 地元密着の町おこしとして作られた「ゆるキャラ」に通じるようだが、歴史に裏付けされた浪漫を感じてはいかがだろうか?

 なんでこんなことになってしまったのか理由はあるのだがこの節ではさておこう。もしあなたが現地である庄原市に赴いた際には、写真だけで満足せずに本物のヒバゴンを探してみるのもなかなかに乙なものかもしれない。

 鹿児島シナリオ「都市伝説家族 イッシー編」。
 仕事熱心だが頭の固いサラリーマン「神田堤造」さんが鹿児島県指宿市にある池田湖を訪れたところ「都市伝説家族」と遭遇してしまう。当初は家族サービスの一環として都市伝説探検ごっこをやっているのかと思った神田さんであり、一家のノリに乗っかってみることにするのだが……。

 その次の瞬間、神田さんは一家の異常性を前にして身の危険を感じる。
 足早に立ち去ろうとするも一手遅く、神田さんは水上ジェットスキーからイッシー(?)のエサコースを決めてしまうのだった。
 なお、一家が神田さんを意図して犠牲にしようとしたのか、天然でやっているのかは彼らのムーブからすると判別できない。

 『学恋2』風間編「坂上」ルート、GWイベント「黒の扉」に登場。
 前述した通り、風間望のペットとしては初登場作品。
 爆弾探しの任務の一環として、坂上修一とそのペット「ポヘ」に目を付けた風間さんは、彼らとお近づきになるために本星からペットを取り寄せることを目論むのだが……。
 例のごとく地球の犬について「長官」との間に噛み合わない会話を繰り広げた末、上官から送ってよこされたのがコレである。

 風間さんはどっからどう見ても地球外生物な禍々しいグラフィックの上、登場に伴って名状しがたいSEがかかるなど、否が応にも不安を誘う存在を目の当たりにするわけだが、やはり異星人である風間さんの感性はズレていた。
 どうやら肉食性らしいのだが、自身の頭にかじりつく彼(?)の挙動に遭っても風間さんはまったく動じない。

 大真面目にコレを犬と言い張った(信じ込んだ?)上で坂上くんたちに接近するのだが、さすがの天然ボケの坂上くんも看過はできず風間さんたちにツッコミの手を入れまくることになる。


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 『流神A』「渋谷で配られる無料の飴」に登場。
 地球侵略の尖兵として風間さんが使役しているのか、引き連れての出演である。
 怖がりはさておいても体格と武術に申し分ない「小暮宗一郎」がなすすべなかった辺り、戦闘力は高いようである。

 『新生2』「赤い靴下」に登場。
 「異世界」を支配する三大魔王として例の三体が登場している。イメージ画像ではデザインは従来通りながら毛先が長く見え、どことなくほのぼのとした印象を受けるものの、異世界人の感覚としてはとても恐ろしく見えるそうである。


Yチューブ(ワイ-)

  • 登場作品:新生,新生2,秘密,レトin,鳴七
  • 種族:商品(サービス)
  • 関連人物:瑠戸怜人ほか多数
  • 関連用語:Yチューバー
 「アパシー・シリーズ」のうち「年代不明の現代」を舞台にした作品中に登場する動画共有サイト。
 動画を投稿、視聴、評価などをして共有して楽しむ用途については現代を生きる人々にとってはもはや説明は不要だろう。

 名称は現実世界において大きなシェアを有する同様のサイト「YouTube」のもじりだろう。
 登場して当初は、名称が安定せず現実そのままに「ユーチューブ」や「UTube」などと呼ばれていた。シリーズの世界観に落とし込むうえで元ネタへの連想を働かせつつ、そっくりそのままを避けた名称へと落ち着いたようだ。

 『新生』「危険な転校生」に登場。
 こちらでは「ユーチューブ」名義。
 「松岡伊吹」が「四年三組」に独裁体制を敷いている決定的な物証を盗撮によって得たことを「松戸博士」が確認すると、「ニコニコ」かこちらに動画を投稿して松岡を失脚させることを提案した。

 しかしそれは洗脳されているだけのクラスメートが、不特定多数の好奇や誹謗の目にさらされ将来が台無しになってしまうことを意味する。それを危惧した「新堂大誠」は提案をはねのけ、決着は別の手段による直接対決という形で持ち越されることになる。

 『新生2』「赤い靴下」、「正義のゴネシエーター」に登場。
 こちらでは「UTube」名義。
 本作においては怪談師としての顔も持つ声優の「原田友貴」氏がシナリオライターとしても参加している。
 その一環として原田氏が現実の世界の「Youtube」で主催する実話系怪談の朗読・語りコンテンツ「怪異伝播放送局」とのコラボレーションが行われ、実際に作中で彼の口から新作怪談が聞ける。

 ただし話の流れと関係ないオマケ要素かと思えばそうでもなく、同コンテンツは有志からの投稿を紹介するという形式をとっている。そのため、実際にこの怪談を送ったのは「誰?」という含みを持たせることになる。
 実際の犯人はプレイヤー目線からだと透けて見えるものの、現実と創作の間で虚実があやふやとなる不気味さを演出していたりもするのだ。

 「赤い靴下」。
 坂上修一は「黒百合総合病院」の個室に備え付けられたタブレットから「怪異伝播放送局」の放送を視聴する。
 このネットラジオだが、朝比奈部長からはけっこう好評を博しているらしい。同じく聞いたことがある倉田恵美いわく、語りを担当するのは男性の時と女性の時があるとか。

 が、坂上が視聴した話は普通のアーカイブに載っていないものであり、ほかの新聞部一同とは話が噛み合わない。
 坂上が効いた内容はとある神社で動物の死骸の体の一部を捧げると亡くなったペットの夢を見せてくれる、かいつまめばそういう簡潔なものなのだが、どうももやもやが隠しきれない。そんな坂上に美しい上級生の女生徒「岩下明美」が接触してくる。

 展開によっては後日談が某視聴者から投稿されるのだが、その某氏が誰なのかについてはもはや語るまでもないだろう。
 パーソナリティーの男性は皮肉めいた声で締めくくっているのだが、いずれにせよこの話を信じるも信じないもあなた次第。

 「正義のゴネシエーター」。
 岩下明美に敵対する者の誹謗中傷によって紆余曲折を経て岩下さんに信頼する女子生徒「館伊織」が死に追い込まれてしまい、彼女が残したという遺書の内容がネット上に拡散されてしまう。
 しかも、さすがに名前などは伏せられているものの、館さんを追い詰めた関係者が彼女の怨念によって次々と死を遂げていくという内容と、これを見た者にさらなる拡散を助長するような怪談じみた内容を付け足された都市伝説が発生してしまった。

 その中で実話怪談を配信する「怪異伝播放送局」もまた「遺書を残す劇場霊」と銘打たれた「ネットロア」を紹介しているのだとか。ちなみにこれらの話の発生源は不明である。もっとも、話の真相のその先にある深層を知ることができたあなたなら……?

 『秘密』「行かない方がいい」ルートに登場。


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 『鳴七』「時田君の自主制作映画」ほかに登場。


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 「危険な転校生」。
 基本的に『新生』版とシナリオに相違はない。
 ただし作中での表記は「Yチューブ」で統一されている。

Yチューバー

 上記「Yチューブ」に配信動画を上げている人、もしくは職業。
 一定の再生数やチャンネル登録者数を記録した場合は、運営法人から広告などに起因する一部利益が分配されることから、競争こそ激しいもののビジネスモデルとして確立しているというのが昨今の流れである。

 なおシリーズ中では本当にその人物――「Yチューバー」である某氏が実在しているのか? といった方向性でこの職業の危うさにスポットを当てることが多い。この職に就くものはキャラクターなどのアイコンを介して活動することが多いためである。

 一例を挙げるとするなら配信者がたとえこの世のものでなくなってしまっても、大多数の視聴者にとっては無関係であり、何も知らないまま死者の番組を楽しみ続けたっていい。
 もしくはアイコンが独り歩きしてデジタルの網の中でコンテンツは続いていく、などという現象も考えられるだろう。

 ほか、この種の動画配信者の中には炎上や犯罪すれすれの迷惑行為に手を染めることで耳目を集めて荒稼ぎしようとする輩が散見されることが多い。そのため、近年のホラー作品では廃墟など危険地帯に深く考えず足を踏み入れては痛い目に遭う、いうなら視聴者の溜飲を下げる犠牲者枠としてこれら動画配信者が配置されることもあるのだとか。


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 『秘密』「行かないほうがいい」に登場。
 このルートでは主として「坂上修一」と「岩下明美」の両名がYチューバ―として活動していることが判明し、そこから巻き起こる悲喜こもごもについてが主題となっている。

 顔出しのリスクや利益分配をめぐる人間トラブル、もっと言えば撮れ高を稼ぐために危険な場所に踏み入ったことで巻き起こってしまう悲劇などが坂上修一の一人称視点から語られるのだ。


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 『鳴七』「時田君の自主制作映画」ほかに登場。


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 「秘密」。


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最終更新:2024年04月01日 16:49