Frankenstein is Monster



曽我秀雄(そが ひでお)

  • 登場作品:AMC2,特,追加,流神A,ドラマCD,荒井,鳴七
  • 種族:人間→???
  • 年齢/誕生日:16歳/1月17日
  • 身体:165cm/55kg→170cm/55kg ♂ AB型
  • 好きな/嫌いな食べ物:特になし/特になし
  • 趣味:プラモデル、フィギュア作り
  • 関連人物:荒井昭二《クラスメート,親友》,早乙女麻耶《クラスメート,恋人》,中村晃久《知人》,柳川裕輔
  • 関連用語:人形,秘密の地下室,勿忘草の会

概要

 それぞれが異なった方向性で才気を発揮する「荒井昭二」の友人たちの中でも別格と思しき親友
 「荒井昭二」は一見人付き合いが悪いようで、心許せる友人も少数ながらいるという性質を持っているのだが、彼「曽我秀雄」はその中でも例外と言えるほどの存在感を放っており、友人たちの中でも極致とさえいえる痕跡を荒井さんの中に残している。

 そんなわけで「曽我秀雄」の才能について述べると、専門こそ美術・造形方面であるが活動ジャンルは非常に多岐に渡る。
 幼少期から多方面に渡って活動してきたようだが、やがて曽我くんが興味を覚える分野は「人形」へと推移していったという。あり余る才能を活かした彼の活動は、荒井さんとの出会いを機に人体の変容にまで及ぶ神の領域にまで踏み込んでいくことになる。
 彼が制作した作品をもし世に出してしまったら、世界の在り方さえ変貌させてしまうレベルだというのだから徹底している。 

 そのため曽我くんが保有する技能は単に芸術に留まらず、展開や作品によっては魔術や超科学の分野にまで進出している。
 曽我くんは、おおよそ人体と生命にかかわる分野でできないことはないだろうと思わせる迫力を備えているのだ。
 すこし大仰な言い方になってしまうが「万能の天才(uomo universale)」と評すべき存在とさえいえるだろう。

 荒井さんは曽我くんのことを高い精神性や教養を備えることはもちろん、神域に至った才能の持ち主であるとして心酔しており、曽我くんも曽我くんで荒井さんのことを得難い自身の理解者として本当に大事にしている。

 反面、外界に対してはあまり興味がないようで周囲の反応には無関心な態度を取っている。
 作品によっては人間不信の気さえあり、周囲の連中を凡愚として見下している傾向にさえある。
 いずれにせよあまり目立つつもりはないらしく、元々あまり目を惹く外見をしていないことを活かして自分の才能を隠している。彼の心の内に渦巻くものはともかくとして、その他大勢の干渉を避けたいという気持ちはほぼ一貫しているようである。

 一方でそんな曽我くんも人並みに人を愛する心は持ち合わせており、「早乙女麻耶」という恋人がほぼ一貫して存在していたりする。ただし、そのように愛し合う男女の在り方は余人には理解できない、求道的な側面を持ち合わせていたりもするのだが……。

AMC2

 「正しいフィギュアの作り方」に登場。
 初登場作品。
 厳密に言えば「アパシー 学校であった怖い話1995(小説版)」向けに追加書き下ろしとして収録されたものの再録となる。
 このシナリオ自体が中編相応の規模を備えていることもあって、以後の曽我くんの基本設定として置かれることも多い。

 少なくとも。
 ・曽我秀雄が絶大な造形の才能を秘めていること。
 ・荒井昭二とは絶対的な友情で結ばれつつも、油断ならない関係であること。
 ・早乙女麻耶という運命の恋人がいること。
 以上三点は共通することが多い。

 この曽我くんは荒井さんにとっては一年の三学期に転入してきて、二年に進級する前に去ったという意外にも短い付き合いだったのだが、双方はその間に友情を培うことになる。荒井さんにとってはまさしく嵐のような人といえるだろう。
 そんな曽我くんは転入当初はいじめられそうな見た目と合わせた愚鈍そうな態度を取っており、荒井さんにとって大して気になる存在ではなかった。

 が、前述した通りにそれは馬鹿の振りをしていたに過ぎない。
 曽我くんは煩雑な人間関係を強要する周囲と交わることを忌避し、己を腐らせないためにも目立たないことを望んだのである。

 ちなみに、この話の荒井さんはインテリ特有の周囲を見下した性格なのだが、彼に対する評価は話が進むにつれて上昇していく。最終的には「神」呼ばわりと、事実上最高の評価を下す。
 専門用語や知る人ぞ知る(要はマニアック)作品をプレイヤー置いてきぼりなままに引用ながら話を進めていく今回の荒井さんに教養人としてついていけるだけあり、やはり彼は「本物」なのだろう。
 実家は相当の邸宅を構えており、しかも成金でない上品な趣味にまとめられていた。彼の擬態は相当なものと言わざるを得ない。

 彼の造型師としての才覚はクリーチャーから西洋甲冑(スタチュー)の類まで題材を選ばなかったほどのものらしいが、最近はボトルシップならぬ「瓶詰めの乙女(フィギュア)」というモティーフにのみ注視しているらしい。
 荒井さんも本来なら戯作と罵られるところを喝采に変えたのだからその出来栄えや素晴らしいものだったのだろうが、彼はそれに満足できず、最終的には生きた人間を材料とし、リアルを越えたリアル・究極の作品に挑むことになった。

+ ...
 同じクラスの麗人「早乙女麻耶」を誘拐し、旧校舎に「秘密の地下室」を発見した彼はそこを自らの工房として作業に没頭する。そして、彼の作品は完成するのだが、結局のところ究極の作品とは時代を超越し、人類の美意識を革命し、新時代をも創造しかねない危険な存在だったらしい。荒井さんはそれを目にすることなく、人間としての彼と最後の対面を果たすのである。

 そして、自らをも早乙女さんと同じ存在に変えたのか、彼はもはや人類に理解できる言語を途切れ途切れに、荒井さんへ友情を感じたことを伝えて消えた。やはり、「荒井の友人」は形を変え去っていくのか……。


 ところで、彼の話の構成は当初は見下していた級友に対する評価の激変や人体損壊など「偽りの愛」に類似したところが多く見られる。最終的には手の届かないところに消えてしまったという点でも荒井版「本田佐知子」とでも言うべき人なのかも知れない。
 また、尚親(小説版)と両角潤香、慶(ゲーム版)ではデザインが180度異なる人物でもある。[天才肌か線の細さか、あなたはどちらがお好き?]

特別編

 荒井七話「生ける人形」に登場。
 やはり一年の三学期に荒井さんのクラスに転入してきた、天才的なモデラーである。荒井さんと曽我くんの両者が出会いに至った経緯などは省かれることもあるが、ふたりの間には厚い信頼が持たれていたことが察することは容易である。

 ただし、描写密度の濃淡を除いたとしても似た経緯を辿った「正しいフィギュアの作り方」とは明確な相違点がある。
 それは曽我秀雄と早乙女麻耶との交際関係が周囲に知れ渡っていたという点である。
 一応、補足しておくと良好な通常の人類としてのお付き合いにふたりは留まっていたようである。

 しかし、麻耶さんはそれからほどなくして病で亡くなってしまう。最愛の恋人を失い慟哭する曽我くんだったがそこから一週間、やはり旧校舎で発見した「秘密の地下室」を作業場に定め、彼女を再生する工程に取りかかったようである。

 結果、麻耶さんは意思表示もできず、曽我くんの手に引かれるままに動くだけの人形になってしまったものの、最愛の恋人のことを生前の美しい姿のままで現世に留めおくことに成功したのだという。
 なお、曽我くんはこれらの知識は本から現れた女神から授けられたというが、その正体は不明である。
 しかし、例のごとく曽我くんの圧倒的な才と現世を超越した謎の医学知識(ヒトES細胞?)によって成り立つ、恋人の像を維持するには多大な犠牲が必要らしく……。

 もしくは麻耶さんとは関係を持たず、曽我くんが孤独にさいなまれている側面が語られることもある。
 この場合、曽我くんは立ち入り禁止の「屋上」を彼謹製の彫刻作品を立ち並ばせるアトリエに勝手に定めたのだが、彫刻のモデルにしたのが転入先のクラスメートたちだった、という点ですべてを物語っている。
 曽我くんの後を追って屋上に辿り着いた荒井さんはそこで彼と語らう機会を得て、友情を深めるのことになる。

 が、曽我くんはある時屋上から身を投げて自ら命を絶ってしまう。
 そのことに納得し切れない荒井さんは鍵開け技術を習得してまで屋上に侵入、死して霊となった曽我くんと再会するのだった。
 なんでも彼が語るには学園に棲むという魔物に殺されてしまったからだという。
 [特に明言されないが、以前に投身自殺が頻発して屋上が閉鎖されたという前提と合わせ「相沢信彦」を彷彿とさせる。]

 そして、魔物は曽我くんの死と同時に消滅した彼のアトリエを、生贄と引き換えに返してくれると言った。
 曽我くんと荒井さんの答えは――、もはやここでは語るまでもないだろう。

 以上のようにどちらかと言えば何事にも動じない超然とした印象が支配的な曽我秀雄だが、恋人の死に普通に取り乱すし、人恋しいと思うことも皆無ではないのだろう。時にはただびとの心を持つ普通の男子高校生である可能性も秘めているといえる。

追加版
 新分岐を設けられ、他再録された『AMC2』メンバー共々出演を果たす。


 「正しいフィギュアの作り方(改訂)
 基本的に『AMC2』版とシナリオに相違はない。


 (執筆者募集中) 


 「旧校舎探訪-脱出-
 本人は姿を見せないものの、曽我くんの運命の恋人である「早乙女麻耶」さんが人間の姿を取って現れ、当時の心境を語ることで間接的に言及されている。
 この場合の早乙女さんは単に芸術家としての(金銭や名誉の方で)将来性を見込んだ俗人であることもある。
 または曽我くんの神をも恐れぬ所業を全幅の信頼をもって受け入れ、幸福の笑みを浮かべることもある。

 後者の場合、両人の状態は不明だが曽我くんも同じく幸福の極みにあることが察せられる。
 前者の場合は曽我くんの死は確定しており、狂気の末に道連れ「心中」を選んだことが早乙女さんの口から憎々しげに語られた。

流神A

 「紅女」に登場。
 「勿忘草の会」の主催者であり、「紅女」事件の仕掛け人、黒幕である。
 人が消えても問題にならない「鳴神学園」を絶好の狩場と定めて実験を行っていたようだ。

 ところで彼の最大の理解者である荒井さんは本作には全く姿を見せない。
 細田が電話越しと例外はあるものの語り部たち四人が十二年後の姿で出演していることを考えると、まだ何かあるかのように思えてならない。
 結局彼が何を企てていたかはわからず仕舞い、最愛の人がどうなったかというカードも切らないまま、警察に追われてもまんまと逃げおおせた。
 彼のポテンシャルと姿見せない協力者を合わせば、次はさぞ手強かろう。

ドラマCD

 Disc.5 荒井昭二「正しいフィギュアの作り方」に登場。


 (執筆者募集中)  


荒井

 「無理にでも一緒に行かせる」ルート、「この牧場怪しいですよ」ルートに登場。
 今回は曽我くんが出演するにあたって、一月前に『正しいフィギュアの作り方』の事件を経過したことが前提に置かれている。
 すなわち、曽我秀雄という少年は荒井さんとの間に多大なる親交を築き、今の人類には早すぎる「美」に到達し、人の姿を失って「早乙女麻耶」と共に消えたはずだった。その曽我くんが人間としての姿を取って荒井さんの前にふたたび現れる。

 彼が姿を現したわけについては――、すべては語られない。ただし、なんとなく悟ることはできるだろう。
 ちなみに麻耶さんは作中に姿を見せないまでも存命のようであり、曽我くんは彼女のことをやはり深く愛しているようだ。
 そして作中で曽我くんは造形に関する凄まじい技術力をいかんなく発揮し、いろんな意味で夢のような光景を見せてくれる。

 「無理にでも一緒に行かせる」ルート。
 最愛の「早乙女麻耶」と共に暮らせる安住の地「ユートピア」を作り出すには人間の姿でなくてはいけないと思ったらしく、荒井さんの知る曽我秀雄としての姿で一ヶ月ぶりの再会を果たす。

 「中村晃久」とは在学中も多少は言葉を交わせるくらいの間柄だったようで、その会話の中で知った中村くんの親戚の牧場を自身のアトリエと定めたようだ。
 そうでなくても突っ走りがちな中村くんを御することは容易だったようである。
 すなわち、中村くんが自分と荒井さんにとって共通の「知人」だったということを利用して牧場でのアルバイトを紹介させるという形で自分のところに呼び寄せたようだ。

 その上で愛憎が半ばする心境を抱えていたとカミングアウトしながら最高の親友であることに変わりのない、自分の作る芸術を見せたい、荒井くんには人のままで生きてほしいとと内心を吐露した。

 そして、翌日。
 荒井さんは曽我くんの手によって幻想の生物が闊歩する異界へと変貌した元牧場を目の当たりにし、やがて夢うつつのままに二度目は行けなかった牧場の手前、中小国駅で目を覚ます。もちろんそこに曽我くんと早乙女さんの姿はなく。
 荒井さんはふたたび、曽我くんとの再会を夢見る日常に戻るのだった。

 「この牧場怪しいですよ」ルート。
 「カズ」さんが消えた後、好奇心に駆られて肉の正体を探る荒井さんの前に、彼のよく知る「曽我秀雄」として姿を現す。やはり中村くんと接点を持っており、荒井さんを呼び寄せたのは彼の手回しによるものである。
 曽我くんはここで自身が「野菜」とうそぶくものを牧場の使われていない廃屋が置かれた一角を使って栽培していた。

 栽培した野菜をある種の特殊な食材の調理に長けた老夫婦に提供していたようだが、もちろんその真意は定かではない。
 普通に考えれば資金調達など打算あってのことだろうが、荒井さんは無二の親友を理解するがゆえに思考を放棄するのだった。

 で、荒井さん自身も老夫婦の開いた店で出された「やきにく」に舌鼓を打ってしまったわけだが、そんなわけで肉あらため野菜の正体は曽我くん自身の手によって明るみに出る。そこに広がっていた悪夢的光景についてはここで記述することはしない。
 ただし、プレイヤー諸氏がその情景に美しさとおぞましさの両面を感じるとして、その配分は人によって異なることだろう。

 その直後に、荒井さんと曽我くんの両者は双方納得の上でとある結末を迎えることになるのだった。ちなみにこの際に曽我くんが語った動機は意外と人並みのものである。一方で荒井さんの動機は語られなければわからないが、意外と腑に落ちる。

 ふたりの心境はどうであれ曽我くんが牧場に残した痕跡はここで完全に絶たれ、荒井さんはふたたび元の日常に戻るのだった。なおここまでくればどうでもいいことだが、牧場関係者が曽我くんを知っていたかどうかについては、さっぱり不明である。

鳴七

 「正しいフィギュアの作り方」ほかに登場。
 余談ながら『生徒名簿』発刊に伴い、身長設定が165cmから170cmに上方修正されている。
 また今回は二年時に荒井さんと普通に学校で会話を交わす機会は設けられていないが、所属クラスが「二年B組」と設定されている通り、今後の作品次第ではともに机を並べ合う未来も描かれる可能性はあるようだ。

 「正しいフィギュアの作り方」。
 基本的に『追加版』版とシナリオに相違はない。
 版権の問題から一部引用作品の名称がいじられていたり、荒井さんの「夢精(!)」発言が消えている程度である。

 「牧場奇譚」。
 基本的に『荒井』版とシナリオに相違はない。
 なお、彼が出演する分岐だが上記「正しいフィギュアの作り方」を以前の周回で通過していなければ解禁されない仕組みになっている。従来作品から事前知識を得ていなくても完結する本作の親切設計を感じ取れる一幕であるのかもしれない。

 「殺人クラブ」。
 このシナリオの探索パートでは、各シナリオで語られたキャラクターたちが鳴神学園の至るところに潜んでいる。
 「曽我秀雄」はその中のひとりであり、「二年B組教室」にいる。

 彼がこの場に人間の姿形をして存在している事実からも察せるだろうが、シナリオ「殺人クラブ」に到達した時点で集会で語られた話の多くはまったくの虚言か、多少なりとも脚色が入っていると考えられる。よって「曽我秀雄」もその多分に漏れない。
 ただし、今回彼の口から聞き出せる荒井評は、非好意的とも、初対面の坂上相手には言葉濁していると取ることもできる。
 また、簡潔に語られたその言葉はヒントであろうが、かく乱とも取れる。その辺はプレイヤーのお考えにお任せする。

 結局のところ、このシナリオにおける「曽我秀雄」がいかなる存在なのか、荒井さんと本当に親友なのかは不明である。

 なお、例に漏れず怖い話を聞いた場合はしっかり教えてもらえる。
 彼の場合は実在する心理実験を語る形になっているが、主として衆愚に憎悪を吐き出すものになっている。
 この場合は、怖さを感じるポイントが語る側へとズレているパターンの怖い話と言えるだろう。
 やはり造形に関してたぐいまれなる才能を秘めていると考えられるが、曽我くんが抱える人間不信は相当に深刻なようである。


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最終更新:2024年03月11日 08:00