索引


東山(ひがしやま)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間
  • 関連人物:岩下明美《噂,親戚》,いくちゃん《幼馴染》,NONAME
  • 関連用語:悪魔《犠牲者》
 岩下五話「恋人達を引き裂く悪魔の公衆電話」に登場。
 まあまあのルックスの持ち主でけしてモテないタイプではなかったが、恋人はいなかった。
 そのことを恥じていた東山くんは誰かに問われるたびに適当に作り上げた彼女の話をするのだが……。

 ある日、東山くんの前に話ででっち上げた架空の恋人そっくりの女の子がどういうわけだか現れ、まるで自分と付き合っているような素振りを見せる。東山くんは自称恋人な彼女の行動にあえて乗ってみることにするのだが……。
 ところで東山くんの話は元々見栄を張って付かなくてもいい嘘を付く主人公に対し、岩下さんが教訓とするためにしてくれたものである。よって東山くんも少々痛い目に遭うのが筋というやつだろう。

 そんなわけで“彼女"の正体が幼馴染の「いくちゃん」であるなら実害はさほどなく、むしろいい話で終わってくれる。その上、東山くんが実は自分の年上の従兄ということを明かしてくれる。
 ただし、彼女の正体が東山くんの想像力に依存した姿を取った悪魔(?)だった場合、東山くんは命を奪われる羽目になる。

 芸術的素養のある岩下さんは、話の中で想像力と言う言葉をよく用いる。
 特に「ダリ」が好きな岩下さんは、話の中に奇妙なギミックを使ってきたりもする。
 想像力に寄りかかる悪魔はやはり想像力豊かな人間の魂を好んだらしいが、東山くん(&もしかしたら主人公)に本性を勘付かれた理由は「女の子の体温を知らなかった」ためと言うもので、なかなかに詩的ではないだろうか。

 そして最後、岩下さんは噂と自分自身を結びつけるかのような意味深な笑みと言葉を残す。生きている人間のものとは思えない冷たい手で触れたのは岩下さんなりの冗談なのか、それとも悪魔なのか。確証は取れないままに、集会は六話目へと向かっていく。


日暮太郎(ひぐらし たろう)

  • 登場作品:探偵局,AMC1,AMC2,流神A
⇒「日暮太郎


比田幸枝(ひだ ゆきえ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋V
  • 種族:人間?
  • 年齢:三十代後半?
  • 関連人物:細田友晴《知人》,西条陽子《いじめ》,遠藤エリ,衣笠聡,あなた《担任》
  • 関連用語:顔型の染み《取引,犠牲者》
 生活指導を担当している女性教諭。
 この学園に勤める教師らしく裏の顔を持っていたりするが、基本的は真面目に生徒と向き合ってくれる普通の人でいてくれる。

 細田二話「女子トイレの壁の染み」に登場。
 女子トイレにある「顔型の染み」のことで細田たちが相談をもちかけた教諭の一人である。
 役柄上、生徒には厳しいが、話は真剣に聞いてくれるとの評判だった。が、さしもの先生もトイレに妙な気を感じるからどうにかして欲しいとの要望には応えられなかったようで、あっさりと流されてしまう。細田たちはすごすご帰ろうとするのだが……、

 そんなところを細田さん達は呼び止められ、真実を聞かされることになる。 
 それは今から二十年ほど前、学校にいた「西条陽子」と言う名の女子生徒に端を発する事件によって明るみに出たことである。
 当時、この学園に通う少女だった比田先生は西条を筆頭とするいじめグループと深い関わりを持っており、その中で件の染みと出会うことになったのだという。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 ひとつに染みは比田先生の体の一部と引き換えに人を殺すと言う契約を交わした。
 先生は首から上と、手首から先以外の上半身を失ったが、今に至るまで生き続けることが出来ている。そのことこそが恐ろしいことなのだと先生は語った。

 なお、別パターンであり、こちらの方が有名な結末だろうが、比田先生こそが元凶であったと言う場合も存在する。
 この際に細田さんと一対一で対面した際に現す面貌(『学怖』限定)は般若もかくやと言う恐ろしさである。
 染みの話なぞ吹き飛ばしかねないインパクトを放っている。なお『学怖S』は単に目のアップとなっており低減されている。

 一応(?)人間のはずなのに、ファンの間では彼女の存在(顔)が「逆さ女」や「瀬戸さん」と言った人外と度々比較されてしまうと言えばその衝撃もわかりやすいだろうか。
 その際暴露された事実として、実は西条ではなく比田先生本人がいじめっ子であったと言う結末も存在する。


 そんな比田先生であるが、『学恋2』を公式通販で求めた場合に付属したアフターストーリー集によると「比田幸枝」と言う名前が判明している。
 通称「比田の百面相」、全く言いえて妙なり。

 『学恋V』に登場。
 「あなた」の担任教師であり、この作品においてはいじめを許容しないかなりの好人物として描かれている。
 ……取り乱した時の顔は怖いけど。


 (執筆者募集中)  


 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 耽美小説家でもあることが判明。倉田恵美は大ファンだが、サイン会でもサングラス姿だったこともあり、気付かれなかった。ルート次第は自分から正体を明かす。


 (執筆者募集中)  




ヒトシ君(-くん)

  • 登場作品:特,追加,鳴七
  • 種族:現代妖怪(学校の怪談
  • 関連人物:霧島,    ,立花ゆかり《犠牲者,所属》,西尾,塚原浩《犠牲者》
  • 関連用語:守護霊,せきとり小僧
 ヒトシ君とは鳴神学園に出没する「現代妖怪」の一種。
 鳴神学園の校内に出現し、なぜか「待ってよぉ」と言う一語のみを繰り返しながら、周囲を往復する。

 自分から何かをしなければ全く無害な存在なのだが、彼に遭遇した際にはある禁句が設定される。
 運悪く出現に立ち会ったとして、迂闊にもその言葉を出してしまったらその人は自分の「守護霊」様を食べられてしまい、以後は不幸続きの人生が訪れることになるのだとか。

 その禁句は「ヒトシ君を待ってあげて」。
 知っていればなんともないようだが、ヒトシ君自身が子どもの姿をしていること、ボロボロの衣服を着ていて何とも哀れを誘うことを見て、知りながらそう声をかけてしまった人もいる。 

 『特別編』福沢シナリオ「おいかけヒトシくん」に登場。
 この妖怪と実際に会ってみたいと思った酔狂な女子生徒「霧島」さんは噂では伝わっていない様々な禁止行動を自らの身をもって実証してしまっていたりする。結論としてヒトシ君と遭遇してしまったら、関わらずに速やかにその場を離れるべきなのだろう。

 『追加版』福沢シナリオ「おいかけ修一くん」に登場。
 直前のヒトシ君にまつわる話のうち、ひとつのバリエーションを聞いた場合……。
 直後に、坂上くんは身をもってヒトシ君の実在を教えられることになるのだった。

 『鳴七』「死を招くベッド」、「おいかけヒトシくん」に登場。
 どちらかといえばシステマチックで機械的に反応する印象の強い「ヒトシ君」だが、わりと明瞭な自意識は持っているようで作中では色々な行動に出ていることがわかる。


 (執筆者募集中) 


 「死を招くベッド」。


 (執筆者募集中) 


 「おいかけヒトシくん」。
 基本的な性質や禁句などは『特別編』版を踏襲しており、相違ない。霧島さんあらため「立花ゆかり」さんが高校生活の傍らで彼の捜索に乗り出し、いざ遭遇してしまった後どうなったかという観点から語られているところも同じである。
 いずれにせよあなたがもしヒトシ君と遭遇してしまったとしても、その際に取るべき行動は変わっていない。何も言わず、速やかにその場から離れるべきである。イタズラ心なんてもってのほか。

 ただし、展開に新たなバリエーションが加わっていたりする。
 たとえば禁句を抜きにしてヒトシ君をいじめた際に返ってくる仕打ちがある意味もっとえげつないものに変わっている。
 それから七人小僧の一角「せきとり小僧」となぜだかそっくりな姿形をしており、混同されることが多い――などである。

 また、やはり自分のことを嗅ぎ回られることを好んでいないようである。立花さんのことを殺しこそしないものの、捜索を断念させるように恐怖体験をさせている。『鳴七』版におけるこのケースは、ほぼヒトシ君の仕業と考えて間違いないと思われる。


ヒナキちゃん

  • 登場作品:晦,鳴七
  • 声(CV):長野佑紀
  • 種族:???(死神?)
  • 関連人物:前田和子《噂》,田崎,秋山《犠牲者》,中沢《?》,赤川哲也,袖山勝,米田秋《犠牲者?》
  • 関連用語:予言,猫,自殺,地縛霊 
 天真爛漫で無邪気な言動で出会った者を煙に巻く正体不明の謎の少女。
 とても人間の仕業とは思えない不思議な力を持っているが、その来歴などもやはり謎である。
 登場作品によって微妙に装いを変えるが、変わった色のセーラー服を身にまとっているという一点で共通している。

 『晦』では少女の残酷さを体現したかのような存在であり、自分に近づいたものに容赦しない。わりと破天荒である。
 『鳴七』では大人びたイメージから一転し、あどけない童女のような言動がさらに板についた。裏表のない邪気のない笑顔を見せるなど、大いにイメチェンを果たすことになる。

 『晦』和子二話「謎の少女・ヒナキちゃん」に登場。
 前田本家の近くにある謎の私有地に出没する高校生くらいの少女。普通の学校ならまず有り得ないだろう真っ青なセーラー服を身にまとった綺麗な女の子。噂元の和子おばさんも話の中で可愛い可愛いと連呼しているので実際そんな子なのだろう。

 つねられるよりもっと痛いことが起こるわよ…… 

 だが、彼女に出会った者はまずロクな目に遭わない。
 具体的には不吉な予言をされた挙句に溺死したり「干し首」にされたり……。彼女の不興を買ったために餌にされたりといった具合である。殺されることがなくとも不気味なわらべ歌を歌っていたり「」を意味不明な理由で殺したりと、奇行が目立つ。

 今度は、これよりもっと辛いことが起こるわよ

 なお、彼女について特筆すべきことは、散々やりたい放題していながら、正体が明かされることがなかった点である。興味本位で自身に近づく者を嫌っていながら、自分のことを雑誌に投稿するなどと矛盾も目立つ。
 他にわかる数少ない点は妙な貫禄があり、昔遊びを好んでいたりする点か。地獄少女

 近々、もっと苦しいことが    ……

 もしかしたら、予言の力を持っている愉快犯なだけの女子高生なのかもしれないし、死神(前田和子はそんな単純なものではないだろうと否定)などの人外なのかもしれない。グラフィックも顔が中途半端に見えるか見えないかの程度で留められたものと、散々使い回された口元の二つのみであったのもミステリアスさに拍車をかけた。

 昨日もあの子、今日もあの子、明日もあの子と遊びましょ。
 明後日はあの子と遊べない。あの子がいなくなるからね。

 『鳴七』「ヒナキちゃん」ほかに登場。
 こちらでは赤いセーラー服を身に付けている。これは鳴神学園の女子制服が青を基調としたデザインで関連性を連想させてしまうこと、また、赤のセーラー服も一般的でないことから変更になったようだ。

 『晦』から長い時を経てからの再登板だが、印象などは受け継ぎつつも行動面で大きく異なる。
 今回は出会った者には基本的には友好的かつ親切な姿勢を取っており、多少無礼な態度を取っても流してくれる。
 追い詰められている人に不可思議な術を披露したり伝授したりと、助けてくれることさえもある。
 ただし、その助け方はかなり容赦がない。人死にが出ることも決して珍しいケースではない。

 また、一人称も「私」から自分の名前である「ヒナキちゃん」に変わっており、出会う相手が同年代(少なくとも外見上は)の高校生たちであるため、どちらかといえば幼さが強調された性格付けになっている。
 そのほか、今作では別に私有地に居ついているわけではなく、きまぐれに移動することも語られている。
 よって「鳴神学園」にやってきた彼女と実際に顔を合わせる機会があったりもするのだ。

 キャラクター図鑑では「山猫の化身」ではないかという一説が語られているが、あくまで一説の域を出ない。
 一方できまぐれな性格がどことなく「」っぽいと察せられるのも確かであり、誰が言い出したかはともかくうなづける話だろう。

 「ヒナキちゃん」。


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 「死を招くベッド」。


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日野貞夫(ひの さだお)

  • 登場作品:学怖,学怖S,四八,VNV,AMC1,AMC2,2008,学恋,学恋2,特,追加,学恋V,流神A,小学怖,最終,新生,月下美人,極,新生2,ドラマCD,学恋4,秘密,ナポin,鳴七,稲in,アパ殺
⇒「日野貞夫


日野直哉(ひの なおや)

 第一回鳴神学園生徒総会に登場。
 同イベントは『学怖』25周年を前して行われたクラウドファンディングの成功に伴い、成功のリターンとして発表した企画のひとつ。ファンとの交歓や企画の進行状況を発表するためという理由を兼ねて2019年8月12日に開催されたリアルイベントである。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 うち、日野直哉は「七不思議の集会」を題にとって行われた朗読舞台劇「第一部」に出演した。
 関連人物の項は元より、彼の存在そのものがこのリアルイベントに足を運んだ観衆にとっての叙述トリックとして機能しており、極端な話をいえばこの項目を知った時点でネタバレは避けられないのだが、あえてここで記述する。
 詳細は「仮面の少女」の項を参照のこと。

 彼の人となりについては、セリフと演技からその端々を窺い知ることができる。基本的には我々の知る「日野貞夫」のうち、一見すれば面倒みのいい先輩である面、やり手ながらも傲岸不遜な側面などを想像すれば、だいたい合っているのかもしれない。
 で、種明かしパートにおいて父譲りの高慢なエゴイストっぷりを発揮することで超高速で死亡フラグを建築した彼は、観衆が見守る中で「倉田恵美(演:日野まり)」の手にかかってあえなく死亡する。

 ちなみにこの際に彼の死体が取った姿勢だが、「両足を九〇度開脚して前に投げ出し、両手は力なく首の真下に垂れ下がり、顔はうつむいたまま座り込む」……というどこかで見たようなポーズが、演者の「山口キヨヒロ」氏によってなされている。

 要はSFC版「荒井人形」のオマージュ・パロディということである。
 あくまでネタ込みでのアドリブだが、親と子の関係性という意味で荒井父子の関係性は「仮面の少女」と通じる部分もあり、ファンとしてはニヤリとするとともに、どこか物悲しい思いを馳せてしまう部分があるのかもしれない。



姫川(ひめかわ)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 関連人物:藤村正美《噂》
  • 関連用語:死を招くベッド,前世《犠牲者》
 正美六話「死を招くベッド」に登場。
 「死を招くベッド」の犠牲となる候補者の一人。
 やたら金ピカの着物(百式、もしくはギル○メッシュ)と分かりやすすぎるメガネが印象的なご婦人で、外見と合わせたかのようなヒステリックな性格(卵が先か鶏が先か)。
 何かある度に厚生省に顔が利く義兄(自称「代議士の弟の妻」)のことを引き合いに出してクレームを付け、一言イヤミを言ってからでないと会話もはじまらない。どうまかり間違ってもお近づきにはなりたくない類の人である。

 「佐原」さんが目にした時は他の患者同様にがなり立てており、事故の影響など微塵もないご様子、とってもお元気だった。実際、こんなご婦人は圧力団体にいくらでもいそうで困る。
 現実にクレーマーの被害に苦しめられている方もいることだし、プレイヤーにとってのベッドに乗せたい度は「戸部」さんと同レベルだろうか。

 しかし、彼女を選ぶとその時点でダウト(=七話目に進めない)なのがらしいと言えばらしいかもしれない。
 傍から見れば迷惑でも単に口煩いだけのご婦人の末路は、小物な性格には何とも似つかわしくなく実に壮大なものだった。

 なんと今回の死を招くベッドは「前世」にまつわる記憶を呼び覚ますという性質を持っていたらしく、姫川さんの前世における業をも呼び返したのである。
 曰く、姫川さんの前世は強大な力を持つ権力者であり、彼女の恐怖政治の中で残酷な刑罰の犠牲となった人間は数知れない。
 その恨みは生まれ変わった来世であり、まったく何も知らない姫川さんにまで及ぶほどに強力だった。

 姫川さんは身に覚えのない前世の悪行のせいで心臓を止められるか、炭くずになるまで焼かれると言う強烈な最期を遂げることになる。確かに褒められた人格の持ち主ではなかったが、あんまりと言ったらあんまりである。
 そして、こんな事件(特に後者)をさらりと片付けられる正美さんの病院も怖いといったら、とても怖い。

 『鳴七』
 ⇒「深尾華穂子」の項を参照のこと。
 「姫川」の要素・エピソードなどは上記の人物へと集約された。


姫乃愛良(ひめの あいら)

  • 登場作品:鳴七
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 一年J組→二年J組
  • 誕生日:8月16日
  • 身体:159cm/45kg ♀ AB型
  • 趣味:兄と同じ
  • 好きな/嫌いな食べ物:兄と同じ/兄と同じ
  • 関連人物:荒井昭二《?》,姫乃大吾郎《兄》,西澤仁志《恋人》,室戸葵《恋敵》
  • 関連用語:双子
 『鳴七』「思い出はイチゴ味」ほかに登場。
 姫乃きょうだいの「双子」の妹。
 双子なだけに、両者は傍から見れば判別がつかないほどにそっくりそのまま瓜二つの容姿の持ち主である。
 立ち絵の上でも一応ツインテールヘアーのカラーリングが微妙に異なる形で差分化はされているものの、その都度どちらがどちらなのかは、実のところ確証が持てない。また種明かしされる機会も乏しいという難儀なキャラクターとなっている。

 それはというもの、この愛良さんは「鳴神学園」に籍は置いているものの病弱で登校していない……とされている。
 が、実態は定かではない。なぜなら姫乃きょうだいには虚言癖があるとされているためである。
 しかも、このきょうだいには病的なまでに共依存の気がある。
 心理面の境界もひどくあやふやで、程度の差こそあれふたりでひとりという認識とひどく幼い内面を抱えている。

 その上、双方ともに意図して同じ方向に容姿・性格を寄せていっているきらいがあるため、どのタイミングでどちらの姫乃が登場しているのかを判別するのは両者が同時に登場する場面を除いてはまず不可能と言っていい。


 (執筆者募集中)


 「思い出はイチゴ味」。
 双子の片割れであるもうひとりの姫乃さんと出会ったことを嚆矢に荒井さんは姫乃家を訪れるのだが、展開によっては実際に彼女と対面することになる。病弱と事前に言われた通りに、ベッドに横たわっており実に不健康そうだったが……。
 その正体は、いわゆる「ゆめかわ」(もしくは「病みかわ」)系女子であり、非常に独特な言語センスの持ち主である。

 精神的に不安定なのは片割れと変わらないものの、兄の大吾郎が思いを寄せている荒井さんに明確な敵意を向ける。


 (執筆者募集中)


 「トイレの恋」。
 「戸沢美紀」のエピソードを踏襲している。


 (執筆者募集中)


姫乃大吾郎(ひめの だいごろう)

  • 登場作品:荒井,鳴七,稲in
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 一年J組→二年J組
  • 誕生日:8月16日
  • 身体:159cm/45kg ♂ AB型
  • 趣味:電子工作
  • 好きな/嫌いな食べ物:パンケーキ、にんにくラーメン/納豆、とろろ昆布
  • 関連人物:荒井昭二《友人,?》,本郷茜《知人,恋敵,同士》,時田安男,赤川哲也《知人》,姫乃愛良《妹》
  • 関連用語:天文部《所属》,地雷《性質》,記憶喪失,双子
 『アパシー 荒井昭二』発売前段階において新キャラとして発表されるも外見以外の情報が何一つ出ていなかった謎の人物。
 名前に準ずる姫カットの前髪、裾をショッキングピンクに染めたセー〇ームーンを彷彿とさせるようなお団子ツインテールにユニコーンカラーのヘアアクセサリーという特徴的な容姿をしている。
 制服を気崩している様子は特にないが、ヘアメイクは所謂地雷系女子のようなスタイルである。

 なお、下の名前でも通じる名字からは誤認させがちだが、項目名からもわかる通りに実際の性別は男性である。
 ただし性自認としては男性であり、心と体の性が一致しないトランスセクシュアルというわけでもないようだ。

 『荒井』「自分も行かない」ルートに登場。
 「駅前の塾」で夏期講習を受けていた荒井さんに忘れ物の財布を渡されたことをきっかけに彼と知り合い、自身も追いかけるようにして入塾する。

 電子工作と天体観測が趣味らしく、高じて荒井さんを満足させるほどのルームプラネタリウムを自作するほどの腕前である。
 また、自分の持ち物にはたとえどんな些細なものであり自分の名前を書くという、少し偏執的とも取れる癖を持っている。

 一見すると明るく快活な性格の持ち主で、荒井さんとは趣味が合うこともあり塾終わりには親しく話すようになっていった。
 しかし荒井さんは姫乃さんの秘密(下記参照)を知ってしまったことをきっかけに、姫乃さんの執着したものは決して手放そうとしないひどく幼い内面に終始振り回されることになってしまうのだった。

 まず、荒井さんは成り行きで実は「姫乃」さんが女装した男性であることを知ってしまうのだが、それがはじまりだった。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 女装しているのは気弱な自分、嫌いな自分を変える演出としての意味合いが大きい。“彼”は、相当に追い詰められていた。
 同じく彼の秘密を目撃した時田くんによる「男の娘」という評は、近からずも遠からずといえる。

 そういったカミングアウトを行った姫乃さんだったが、これでめでたしとは行かず事態は思わぬところへ暗転していく。
 そこから姫乃さんの荒井さんに向ける好意は変質的かつ偏執的なものへとエスカレートしていき、周囲にいる同性異性を問わず、執着と嫉妬を隠さない危険なものへと変貌していった。

 なお、このふたりの接点だが、一度姫乃さんが男性の姿をしている時に荒井さんに「屋上」からの飛び降り自殺を阻止されたことが本当のきっかけであり、荒井さんのことを見知ったはじまりだという。
 それから姫乃さんは女装と荒井さんのウォッチングをはじめ、夏休みに再会を半ば必然的に果たしたという流れとなる。

 そういった事情を踏まえたうえで、姫乃さんが荒井さんに抱えていた情を茶化しを抜きで言わせていただく。
 負の方向に解釈して独占欲、正の方向に向くなら信愛や友愛としては成立することは確かである。
 ただし同性間でも成立しうる「愛情」であったかについては、はなはだ怪しい。なぜならば彼の情動が幼過ぎるためである。

 よって荒井さんに拒まれてはもちろん、たとえ受け入れられようと彼の精神はそれを容れるには足りなかったのだろう。
 必然的に「自殺」またはそれからの「記憶喪失」という顛末を辿る。もっとも後者は希望を残す結末となっているが。

 一方で「本郷茜」さんが関わってくる場合は話は別。
 このルートらしくユーモラスだが、洒落にならない「ラブホラー」の真骨頂をプレイヤーは目の当たりにすることになる。

 ……元々『アパシー 荒井昭二』は全編が荒井さんの体験談ということもあって彼の得意とする第三者的俯瞰視点や冷徹な観察者としての姿は控えめなのだが、このルートの荒井さんは良識を備えた常識人として正論を連ねるスタンスに特に終始している。
 よくよく姫乃さんや本郷さんの姿を追っていけば、ある種のステレオタイプ的「ヤンデレ」、「メンヘラ」、「地雷」的属性を早いうちから見つけられないことはないのだが、姫乃さんが女装をしている秘密と合わせてそこまで悟れというのも酷だろう。


 『鳴七』「思い出はイチゴ味」に登場。
 基本的には『アパシー 荒井昭二』の当該ルートを再録した動きで相違なく、荒井さんへの執着心も据え置きである。
 ただし姫乃さんにとって魂の片割れというべき妹「姫乃愛良」が追加され、内情の複雑怪奇さと対処の難しさが跳ね上がっている。

 結果、なんだかいい話で終わらせることもできた『荒井』版と比べるとホラー色が強まり、姫乃さんのサイコ度も上昇した。
 また、荒井さんの姫乃さんに対する態度も親身というよりはいつも通りの好奇心に従って動く塩対応っぽいものだったりする。

 感触として大きく異なるため、元のシナリオを知る方でもきっと楽しめることだろう。 
 ただ一つ言えること。それは異常者と異常者がぶつかりあうと、どちらかが正常になるか、異常が常態化してしまうこと。
 それから、姫乃さんと関わってしまった時点でどうあがこうとも大変なことになってしまうということである。

 『稲in』に登場。
 坂上修一の足跡を求め「七不思議の集会」の出席者の居場所を訪ねてあなたは鳴神学園構内を歩く。
 そうして巡り合えた出席者のひとり荒井昭二から「七不思議の集会」で披露した話の追想という形で語られた話の中で彼もまた触れられている。


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平井香苗(ひらい かなえ)

平井唯愛(ひらい ゆあ)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間(ヤンデレ)
  • 関連人物:福沢玲子《噂》,佐藤博通,鈴木,近藤真司《恋人,犠牲者》,田中《恋人》,美和子《呪い》,福沢姉《クラスメート》
  • 関連用語:占い《魅了》,黒魔術,猫《犠牲者》,茶道部《所属》
 福沢六話「真夜中の魅惑の恋愛占い」に登場。
 「福沢姉」の同級生。平井さんの話は「占い」と「恋愛」をキーワードにして展開され、それらに偏執的な想いを抱く点では共通しているが、分岐によって彼女の性格は激変する。

 話によって性格すら微妙に変えるパラレルワールドの巧みを教えてくれる好例と言えるだろう。
 そんなこんなでどうあがこうと平井さんの恋は悲惨な結末を迎えてしまうのだが、その原因は切ないすれ違いだったり、恋敵のせいだったり、性格の問題だったりと多種多様である。

 性格と結末の詳細については彼女のお相手「近藤真司」、「佐藤博通」、「鈴木」、「田中」の項で。

 ところで、ブラコンだったり、ヤンデレだったり、永遠の十九歳だったりと、どっかのギャルゲみたいなキャラにばっかなってるのは気のせいだろうか? ところで勘違いされがちなので重ねて申し上げるが、彼女は岩下ではなく福沢の話の登場人物である。
 あと、彼女の名前は「早苗」ではなく「香苗」である。

 『霊怪記』
 『鳴神学園霊怪記』での再登場が予告されている人物のひとり。
 今回は在校生であり、前述の名前被りを防ぐべく「平井唯愛」名義となっている。


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広岡邦夫(ひろおか くにお)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間→悪霊
  • 関連人物:折原初子《恋人》
  • 関連用語:首吊り桜《犠牲者》,夢
 『学怖(S)』隠しシナリオ「真説・桜の木の伝説」に登場。
 何十年か前にいたカップルの片割れで、恋人の「折原初子」を誘い、桜の木の伝説を実践しようとした。
 しかし、そのジンクスは悪い方に働いた。
 先に伝説を実現しようとしていたカップルを目撃してしまったことから、彼らを死なせる原因を作ってしまう。

 挙句、当事者の一人である桜の精霊に責任を取らされることになるのだが、開き直った場合は狂った笑いをあげながら桜に放火するなど思いきりおかしくなってしまっている。
 どうあがいても責任逃れをすることはできないので大人しくお縄についたほうが楽といえば楽だが、結果が生き埋めではどっちもどっちな気がする。

 その後は負の念を求めるようになった桜に囚われてしまったようで、生贄の夢枕に立ちとある説明をする。
 その際に生贄候補者は二人の末期の姿を見せられるのだが、生き埋めの場合はともかくとして焼死してしまった場合は黒焦げの姿と語られている。それを思うと彼らが桜から見返りに与えられる永遠の愛もあまりいいものではなさそうである。

 『学怖S』追加分岐。


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弘前歩美(ひろさき あゆみ)

  • 登場作品:特
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 誕生日:6月14日
  • 関連人物:荒井昭二《クラスメート》,岩下明美《噂》,門倉陽司《クラスメート,恋人》,高瀬美香《クラスメート,犠牲者》,塚本明《呪い》
  • 関連用語:人形,丑の刻参り《呪い,犠牲者》
 『特別編』荒井、岩下シナリオに登場。
 『特別編』に頻出する複数シナリオに跨いで登場するキャラのひとり。
 ちなみに彼女の登場する両シナリオだが、同一の周回で両立させることが可能である。

 ただし同一人物であると仮定すると矛盾が多く、特に語り部同士で補完の説明がされるというわけでもない。
 同じ立ち絵を採用した同姓同名の別人として捉えた方が賢明だろう。

 荒井シナリオ「呪いのヒトガタ」。
 まだ一年生なのに学業もおろそかにしていちゃつくバカップルの片割れ。
 明らかに目の毒で、荒井さん達クラスの皆にも迷惑をかけていたらしい。
 度重なる注意を受け入れなかったため、相方の門倉陽司と共に担任による互いの両親同席の指導を受け、一定期間の交際禁止を布告されてしまう。

 が、それでこの二人が反省するわけもなく、担任の塚本先生を逆恨みしてしまう。
 とは言っても所詮はバカ二人、やったことはたかがしれている。思いついた方法は二つあるが、その顛末はどちらも彼女たちらしく非常に頭の悪いものとなった。

 その1:雑な方法で呪いをかけてみる。
 雑誌の記事(!)を参考にヒトガタを作成したはいいが、その後の処置を過ったために呪いの矛先は自分達に向かい、ぐちゃぐちゃの肉団子になってしまった。
 ちなみに呪術に使えそうな紙を持ち出したのはこちらでも手回しがよさそうな弘前の方である。

 本気で呪いをかけたいなら丑の刻参りとご縁があった神木の紙垂を材料に選ぶのは間違っていないのだが、どの道危険性はないと高をくくっていたようだ。

 その2:「旧校舎」にたてこもってみる。
 こちらは「門倉陽司」の項目を参照のこと。
 どちらの分岐も弘前の無駄にある行動力と、両方の思慮の浅さが仇になった形になる。

 岩下シナリオ「ポプリ」。
 負けず嫌いと言うか、目立ちたがりで自分が自分がと前に出たがる性分だったらしい。
 そのため「高瀬美香」の作るポプリの秘密を知りたいと躍起になった挙句、彼女を尾行する。

 が、どこまで追いかけていっても自宅は見えない。
 それどころかどんどん人気のないところへ、森の奥へと高瀬さんは進んでいく。

 この過程でやたらしつこく引き返すか否かを聞かれるが、そこは岩下さんのこと風間さんのように別の意味で後悔することはないのでご安心あれ。
 高瀬さんがどう関わったかはさておき、彼女の自宅近辺で無残な死体が発見され、高瀬さん当人も消えた……という含みのある結末が出迎えてくれる。逃げ帰った弘前さんは当然無事である。

 ただし、いざ高瀬さんの家に到着してしまった弘前さんの末路はお察しの通りである。
 そこからはご愁傷様というべきか、いくら警戒しようとすでに詰んでいる。招かれるかどうかの違いや、動物性か植物性かは別として弘前さんの蛋白質は高瀬さんに有効活用されてしまうのだ。


ピンクさん

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間?
  • 関連人物:前田良夫《噂》,片山《犠牲者》
  • 関連用語:七不思議の集会,パワーストーン,ルビー
 良夫六話「7つの不思議な話」に登場。
 『学怖』の直系として発売された『晦』において「飴玉ばあさん」の系譜を着実に歩んだ老婆妖怪(?)だが、如何せん登場する話が「七不思議」と称したショートストーリーの集合となっているため、イメージでは七分の一話分の印象である。
 さらには分岐が実装されているとは言え、『晦』自体のマイナーさを加えると、他のババアに比べると影が薄い存在だろう。[ババアの名称で統一できなかったのが敗因(?)か。あえて言うなら「宝石ババア」だろうか。]

 とは言え、キャラクター自体は他の老婆妖怪に負けず劣らず非常に濃い。
 なんでも着せ替え人形みたいな生地をしたピンクのドレス(フリル付き)を着ており、ピンク地に白い水玉が散らされた日傘を差して、頭には大きなピンクのリボンを飾っているんだとか。
 妙齢の女性として見たとしても微妙なファッションを老婆が着用しているのだからなんともたまらない。林家パー子

 その点では同じババア妖怪として『VNV』から登場した「高木ババア」や『探偵局』以降の「シンババ」と共通する要素だろうか。

 ところで飴玉ばあさんは鳴神学園の「校門」付近に現れて飴玉を配る。
 そしてピンクさんは良夫の学校の校門付近で宝石を配る。行動はほとんど同じである。
 ただし、対象年齢が下がっている点で危険性は上がっているのかもしれない。

 宝石をもらう場合は特定の受け応えを要求され、実際に答えることが出来れば本当にくれるのだが、良夫が肝心のやり方を教えてくれる機会はない。ちなみに間違えれば殺されると言う、この手の噂話にはつきもののお約束をきちんと踏まえている。

 と、ここまで聞けば噂で片づけられる都市伝説的な怪人なのだが、ここからがピンクさんの本領発揮である。
 なんでもピンクさんは不審者じみた容貌をしているにも関わらず、家に住んでおり、そこで凶行を働く。

  野暮を言うなら彼女の甘言に引っかかった犠牲者のその先がわかるはずはないのだが、良夫の言を信じるなら「ピンクさん」と言う怪しい人物が徘徊しているのは事実である。
 真偽は置いても、得体の知れない人物に対する恐怖や戒めが彼女にまつわる都市伝説を形成したと考えれば興味深い事例である。微妙なリアリティが噂と現実の間を振れる感触は『晦』全体に漂う奇妙な味わいその物なのかもしれない。

 [彼女と高木ババア、そしてシンババに連なったこれらババアの服装の源流としては、おそらく『ヨコハマメリー』と言う題名でドキュメンタリー映画にもなった実在の人物、通称「ハマのメリーさん」を元にしていると思われる。

 彼女は1960年代初頭から1995年頃まで、最後は七十を過ぎても街娼として横浜の街に立っていたホームレスである。
 晩年は実際に客を取ることこそなかったろうが、白塗りの顔に厚いメイクを施し、上品なレースのドレスを身に纏った面妖な風貌から当時、彼女の存在は半ば都市伝説となって語られていた。
 意味のない施しを受けようとせず、最後まで矜持を守った性格もあってか、一部地域住民にとってはある種の敬意を払って迎えられていたらしい。それを実証するように彼女が残した書簡などからは知的水準の高さを窺い知れる。

 実際に映画を鑑賞されることを薦めるが、彼女がずっと横浜の街に留まった背景には進駐軍にいたとある男性との恋にあったらしい。ただし、詳細については資料が散逸しつつある時期、および映画の性質もあり、ぼかされている部分も数多い。
 そして、彼女は映画公開と同年の2005年に郷里広島の老人ホームにて83歳にて逝去された。まさに事実は小説より奇なり。]



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  • 姫乃愛良さんの反転処置は削ってもいいんじゃないでしょうか? 別に事前に知っていてもシナリオの驚きが薄れるとかないと思いますし。 -- 名無しさん (2023-02-24 16:02:54)
  • ↑同意です〜 -- 名無しさん (2023-02-24 20:05:36)
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最終更新:2024年03月14日 22:39