あ1


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相沢信彦(あいざわ のぶひこ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,VNV,AMC1,極,稲in
  • 種族:人間→悪霊?
  • 職業:鳴神学園高校 生徒(三年生)
  • 関連人物:荒井昭二《噂,正体?,知人》,桑畑達也《実験》,仮面の少女《?》,真下弘美《同士》
  • 関連用語:屋上《出没》,自殺,髑髏,都市伝説家族《?》,人体実験
 ある日「『屋上』から人間が飛び降りたらどうなるのか?」と言う命題に取り憑かれてしまった男子生徒。
 かつては人並みに友人もいる普通の人だったようだが、歪んだ好奇心に衝き動かされ殺人も辞さなくなっていくのだった。

 基本的には「荒井昭二」の語る噂話の中に登場する人物といった体であり、「アパシー・シリーズ」が立ち上った後も本人が話の枠を飛び越えて出演するということはなかった。
 ただし、語る側の荒井昭二のキャラクターを再定義するにあたって「屋上」を愛する趣向や「自殺」、「人体実験」などにまつわる、生と死をもてあそぶかのような歪んだ探究心が大きく根差すことになる。
 相沢さん本人はともかく、彼にもたらした要素が後世に及ぼした影響は一個の噂して片付けられないほどに巨大である。

 メインルートで三人もの人間を手にかけた手際の良さに、しっかり比較して対照実験を行っている頭の良さ、さらに人間が誰しも持っている心の闇を突いた点などから、一部の界隈では荒井さんのパートナー(比喩)とさえ認識されている。
 展開を総合したとしても、二人の間にほとんど面識がないか、極めて希薄な接点しか持ち得ないにも関わらずである。
 時に幼稚と言われることもあるが、知的好奇心に基づいて行動する「荒井昭二」像の原点は彼「相沢信彦」といえるだろう。

 虎は死して皮を残す。人は死して思想を残す。
 「荒井昭二」が能力にも出番にも恵まれ続ける以上、相沢さんの脅威はまだ生き続けているといっていいのかもしれない。

 『学怖(S)』荒井三話「飛び下り自殺の人体実験」に登場。
 初登場作品。
 別に人を殺したかったわけではないようだが、上記の動機から「桑畑達也」と言う不良生徒を発端に都合三人もの不良を実験材料にし、結果的に殺害するに至る。
 仕舞いには仲の良かった友人までも実験の名の下に手をかけようとするが、油断から実験台から逃げられてしまう。最期は精神的に追い詰められたところを何者かに誘われてか、内なる声に突き動かされてか、自ら身を屋上から投じた。

 ただし、これは首尾よく事を運べたメインルートであり、それ以外の場合は幼稚さと詰めの甘さを露呈する。
 自分と同じ願望を持っていた生徒を実験台に仕立てようとして逆に突き落とされてしまう。初心を忘れた結果、犠牲者の亡霊によりにもよって地べたで殺される……など、詰めを誤ったばかりに情けない末路を迎える羽目にもなったりするのだ。

 事件発覚後には、彼が凶行に及ぶ発端ともなった日記帳が発見される。それを読むと実験を行うことになった導入部にはじまり、書けるはずの無い最期の瞬間まで至る心情までもが克明に綴られ、彼の闇を垣間見ることが出来たらしい。
 また、彼の存在は連鎖シナリオ「仮面の少女」を繋ぐ一編でもあり、条件を満たせば彼が本当はどうなったかが語られる。彼は屋上に住む魔物に食べられたと自称したが、実際はまだ屋上におり、呼び出すための言葉を唱えれば会うことができるらしい。

 相沢さん、実験を始めましょうよ

 そして、その顛末は――何かに憑かれたように身を投げ、空中で消えた荒井さんと大空に浮かんだ巨大な「髑髏」だった。
 ……、相沢さんと髑髏の関係、仮面の少女との関連も結局最後までわからずじまいとなる。

 ちなみにこの演出は自動車に悪霊が憑りついて襲い掛かってくるホラー映画『ザ・カー』のラストシーンにインスパイアされてのものと後年の飯島氏の口から語られている。
 『学怖』版では容量の問題から汎用のはっきりとした髑髏のグラフィックを使い回す形になっているが、『学怖S』では本来の企図通り煙のような漠然とした髑髏の輪郭が空に浮かび上がっている。

 [案外、髑髏の真相とは当初学園に巣食う闇が相沢さんの闇を刺激することで、とうとう成り代わってしまったのかもしれない。
 どちらにせよ、どちらが先かなど語れる性質ではないと言うことである。]

 『学怖S』追加分岐。
 ちなみに人を突き落とした際に彼のグラフィックも登場するが、これが何とも名状しがたい笑みの上、超ドアップである。
 正直にいってしまえば心臓に悪く、人によってはトラウマレベルである。画質の向上に伴って生々しい画像が減少したという意見も根強い『学怖S』だが、こと役者のレベルについては時に上回っているという意見は一聴に値するだろう。

 「桑畑達也」を理解者に加えたり、屋上に囚われるのをやめて命を投げ出してしまったりと、展開の幅も広がっている。
 また、「生命」というテーマに基づいて「森川」と「中山葉子」を中心に彼からは外れた分岐が追加されたりもしている。
 男女共有の話は他のシナリオに比べ、通過する機会が多い事情ありきと言え、屋上に魅了された者達が大量に出現したのはひとえに「相沢信彦」の影響の大きさを証明してのものなのかもしれない。

 『学怖inよんはち』『極』「荒井昭二シナリオ」に登場。
 荒井さんの代表ネタとして「飛び下り自殺の人体実験」が選出され、当然ながら相沢さんも続投している。頷ける話である。

 当然ながら「仮面の少女」にまつわる展開は収録されていないが、メインの展開を最後まで進めると代わりとばかりに「都市伝説家族」が例のごとく空気を全く読まずに乱入してくる。
 高尚な実験の余韻を台無しにされたあげく、やっぱり実験台には逃げられてしまう。その上、なぜか小路山一家がウザいコメントをべしゃりながら見守っているという地獄のような眼下に向かい、やっぱり相沢さんは身を投げる羽目になるのだった。
 ちなみにその後の展開は全く同じである、一家の存在がノイズにしかなっていないがいったいなんだったのだろうか。

 その一方で「真下弘美」と言う真の意味での同士を得るという美味しい展開が用意されていたりもする。なんとか釣り合いは取れたのかもしれない。
 ところで、このシナリオでは実験台を気絶させる得物がスタンガンに変更されており、十二年を経た時代の反映を感じさせる。

 『VNV』「恵美ちゃんの坂上君観察日記」に登場。
 とは言っても他の懐かしのキャラに混じり名を呼ばれる程度である。
 が、それも荒井の自宅から発見された日記帳を根拠として、実際は相沢信彦と言う個人は存在せずにすべては荒井さんの妄想だったと言う、あんまりにもあんまりなオチだったりする。国家権力によって真実は闇に葬られたにせよ、衝撃的と言うか……。
 とは言え「相沢信彦=荒井昭二」の構図はかつてより指摘されてきた構図である。

 第一に「日記帳」の存在があるにしても、彼の心情に対する感情移入、彼に関する情報量ははなはだだしい。
 語りの中でも、最後の犠牲者(候補)をモルモット呼ばわりにするなど、相沢信彦の心情にまで踏み込んでいる。
 彼へ傾倒もしくはシンクロしてしているさまが良く取れる。
 自身の罪の告白等、言い辛い事を近い友人のことなどに置き換えて吐露しやすくする手法は古典的なアプローチとしてよく知られることである。

 状況証拠を取っても、分岐によって発生する展開によっては相沢さんが第三者の手にかかって犠牲となる場面に出くわしても現場でずっと傍観していたなど、荒井さん自身が不自然な立ち位置にある様子も見受けられる。
 先の証拠と合わせて、さらなる後発作品『AMC1』でやや浅薄に見えた倉田恵美のツッコミもあながち間違ってはいないだろう。

 『稲in』に登場。
 坂上修一の足跡を求め「七不思議の集会」の出席者の居場所を訪ねてあなたは鳴神学園構内を歩く。
 そうして巡り合えた出席者のひとり荒井昭二から「七不思議の集会」で披露した話の追想という形で彼の話が語られる。

 再登場に当たってこちら「相沢信彦」は学園に在校(していた)生徒であり、荒井昭二と直接面識を持っている関係へと再定義されている。さらに屋上から人間をダイブさせる手段こそそのままだが、新たな思想と能力を得てリファインされた形になっている。
 再定義に当たってもっとも異なる点は、こちらのバージョンの相沢さんにとっては人間を鳥のように飛翔させるというのが目的ということである。人類は自力飛行できる生物ではないため、当然ながら物理的に果たせずに墜落するわけだが……。

 ほかの人間に屋上からダイブを敢行させても失敗を繰り返す日々は、相沢さんにとっては不本意に他ならなかった。
 手段と目的の関係が異なる点を除けば、ロマンと狂気の狭間に生きる危険人物という点ではかつてと共通していることになる。
 ただし、この場合の相沢さんは催眠術という特技を持つ上に、実際に話してみた荒井さんも認める相応の知性と迫力も有している。しかも彼の催眠術は人間はおろか、知能の低いはずの鳩に自在に命令を吹き込めるという卓越した域に達していた。

 そのため、相沢さんと腹を割っての話し合いをすることになった荒井さんは彼の言葉に児戯とは切って捨てられないなにかを感じ、魅せられる。続いて荒井さんは、相沢さんから見込まれ協力者として実験材料を調達してほしいという要望を聞き入れた。
 どうも相沢さんは荒井さんの人となりを知ったうえで自分に興味を持つようわざと実験現場を目撃させたのだという。

 なお、元々のキャラからして普通の人だったと言われていた相沢さんだが、こちらでも荒井さんの観察眼に従えばしつこいくらいに凡人だと念押しされている(例のごとく立ち絵は非常に個性的なわけだが、それは言わないのがお約束というものである)。

 [ただし、これら凡人評は相沢さんの普段の学校生活を傍目で観察していただけのため、相沢さんの擬態が完璧だったと考えられもする。加えて相沢さんが日常から催眠術を使って周囲の人間に印象操作を行っていた説も考えられる。
 または周囲の奇人変人に慣らされ荒井さんの目が曇っていたか。以上三要素の合わせ技とも考えられるが真相は不明である。]

 それはそうと髪型がファンキーなことを除くとして、知性的な相沢さんは鳥類の中でも特に「カラス」に傾倒していた。
 が、荒井さんが提供した実験材料をもとに新たなる挑戦に臨もうとしていた相沢さんは舌禍が祟ったのか、それとも傲慢な人間を逆に嘲笑おうという自然の営みか、それともこれまで相沢さんの手にかけてきた犠牲者の怨念だったのか……。
 兎にも角にも逆襲を受け、哀れ相沢さんはわずかな痕跡のみを遺して今生から消え失せてしまうのだった。


相田(あいだ)

唐木田剛人(からきだ たけひと)

  • 登場作品:特,鳴七
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 三年生→写真店
  • 誕生日:11月30日
  • 身体:171cm/64kg ♂ A型
  • 趣味:写真撮影
  • 好きな/嫌いな食べ物:広島風お好み焼き、タラのホイル蒸し/しらす、ホタルイカ
  • 関連人物:福沢玲子《噂》,向井(八戸安蘭)《クラスメート,部活,恋人》
  • 関連用語:写真部《所属》,心霊写真,つごもり橋
 『特別編』福沢シナリオ「歪んだ被写体」に登場。
 こちらでは「相田」名義。
 写真部に所属しながらも三年間ずっと「心霊写真」に悩まされ続けた、不幸な女子生徒「向井」さんのクラスメート。
 彼が「下駄箱」にラブレターという古典的なアプローチを向井さんにかけたのは、写真に傾けてきた情熱が打ち砕かれ、代わりに自分磨きに精を出し始めた彼女が輝くようになっていくのを見初めたからであるらしい。

 大人しめで目立たず、誠実そうという向井さんの印象を裏切らず、彼女の快諾を受けてふたりが付き合い始めた後は、控えめながらも着実で健全な交際を経て仲を深めていった。
 ちなみに洋画を観る上で吹替は邪道派らしく、それなりに映画通でこだわりがあるようなセリフが話中で取り上げられている。

 かといって特に押しつけがましい性格でもないらしく、写真部にまつわる向井さんの嫌な思い出について触れそうになると話題を打ち切るという配慮を見せている。
 が、それは向井さんの事情を聞けたわけでないことを同時に意味した。
 相田くんはふたりの思い出づくりのために「つごもり橋」でツーショット写真を撮ることを提案したのだが、恋人と写真を撮るというプロセスが以前に向井さんがどこかから拾ってきてしまった悪霊のトリガーを引いてしまう。

 後日、彼女の死に納得がいかなかった相田くんが霊能力者に調査を依頼したことで、なぜ悪霊が向井さんの首をフィルムで絞めて殺したか? という真相を知ることになったようである。
 なお、これらの経緯については、ふたりとも予見不可能である。そういった意味で彼が責められる余地はないのかもしれない。
 相田くん個人の反応も福沢さんの話の〆では触れられていない。けれど、彼の何気ない提案が恋人を殺してしまったという事実は残る。恋人の死が悔恨となってその後の相田くんを縛るのかもしれない――と聞き手が思ってしまうのはきっと自由だろう。

 『鳴七』「歪んだ被写体」ほかに登場。
 「唐木田剛人」と名を変え再登板。[筆者の推測に過ぎないが、「相田瑞穂」と苗字が被るための変更だと思われる。ちなみに、相田瑞穂の方も名前が変更されている。]
 相田との大きな相違点は、写真部の部長であるという部分だろう。部長としての立場上、心霊写真を連発する「八戸安蘭」には辛く当たっていたが、個人的には好意を向けていた。

 その他部員達との兼ね合い上、好意を表沙汰にできなかった彼の気苦労は計り知れないものがあっただろう。


 (執筆者募集中)  


 「歪んだ被写体」。
 基本的に『特別編』版とシナリオに相違はない。 


 (執筆者募集中)  


 「殺人クラブ」。
 このシナリオの探索パートでは、各シナリオで語られたキャラクターたちが鳴神学園の至るところに潜んでいる。
 「唐木田剛人」はその中のひとりであり、「写真部部室」に八戸と共にいる。坂上を助けることはできないが、時計塔にまつわる怖い話を語ってくれる。


 (執筆者募集中)  



相田瑞穂(あいだ みずほ)

海女宮亜里沙(あまみや ありさ)

  • 登場作品:特
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 三年A組
  • 関連人物:岩下明美《クラスメート》
  • 関連用語:悪魔,図書室
 『特別編』岩下シナリオ「黒と赤の法悦」に登場。
 眼鏡をかけた(例のごとく外すと美人でスタイルもいい)ロングヘア―の女子。
 本を手にクラスの片隅におとなしく没入するタイプで、会話の受けごたえも少々独特だった。
 ちなみに彼女の方から話しかけてくるまで特に接点を持っていなかったクラスメートの岩下さんからの評は天然の気があるかしら、良識を知らない人には見えない、などの認識である。

 しかし本好きが災いしてある日、「図書室」に紛れ込んでいた一冊の魔導書「黒と赤の魔導書」に魅了されてしまう。
 悪魔らしき謎の影が訪れ、岩下さんのところに相談に来た当初は普通の人だったものの……。
 次第に正気を失ったような、熱狂したような、経過報告を兼ねた一方的な言葉を岩下さんにぶつけるようになっていく。

 ちなみのくだんの魔導書は言っても「綾小路行人」が所有しているような呪文の手引き書と言うわけではない。本そのものが悪魔との契約書であると言い換えても良く、しかも悪辣なトラップを備えているのだ。
 対象が契約を破棄する選択肢こそ用意されているが、時機を考えればそれもかなり難しい。傷口が広がれば広がるほど権利は放棄し辛くなっていく。

 この書、半ばまでは非常に面白い物語が展開される。
 が、そこまで読んだところで悪魔が現れ契約が開始される。
 途中まで書かれた物語の続きを執筆し、完成させることが出来ればその本はベストセラー必至の大作となり、書いた者には薔薇色の未来が約束されることになる。
 事実、歴史に残る名作の幾つかはこの魔導書の恩恵によるものらしい。 

 ただ、記述に必要なインクが血液のみと言う制約が曲者である。
 医療従事者ならいいが、一介の女子高生が取り得る方策と言えばまず一つしか無い。相田さんは身を削りながら筆を進めて行ったが、次第に生気を失っていく。
 かつての面影を失いつつも、作品を書き上げようとするが……。

 とあることに気付いてしまう。
 それは、使用する血液は自分以外のものでも構わないというところ。
 彼女はあることをきっかけに、身近にあったある存在の血液を手に入れる。
 そこから彼女がどういった末路を辿るかは伏せるが、彼女が流血と共に紡ぐはずの物語を作中で読むことは叶わない。そういった残念な事実のみは申し上げておく。 

 『鳴七』
 ⇒「海女宮亜里沙」の項を参照のこと。
 「相田瑞穂」の要素・エピソードなどは上記の人物へと集約された。


青井惠一(あおい けいいち)

  • 登場作品:AMC2
  • 種族:人間
  • 職業:職業画家
  • 年齢:53歳
  • 関連人物:青井美恵子《娘》,青井太助《孫》,蘭《恋心》
  • 関連用語:肖像画,都市伝説探偵局
 『AMC2』「綺麗な風景」に登場。
 近所の画廊“笹笛"にも何点かの絵を寄せている職業画家。
 某高校美術部の卒業生であり、同校を卒業する際に部に使っていたスケッチブックに残したが、件の忘れ形見が本人の知らない間に怪現象を起こすようになってしまう。
 その解決(返却)が探偵局に依頼されたことから「オカルト同好会」の部員と接点を持つことになった。

 しかし、そんな彼の人柄は偏屈爺の一言で言い表せるものである。
 普通に訪ねていってもどういうわけか青井氏は、スケブの受け取りを拒否し続ける。
 そんなわけで性格上、こりゃダメだな……と思しき「賽臥隆恭」を向かわせると案の定終わらぬ戦いを繰り広げてくれるのだった。

 ここは乗り気な日暮先輩に出張していただこう。
 先輩の変装術が功を奏せば、警戒を解いた彼から情報を引き出すことができ、依頼は進捗する。が、失敗すれば先輩は間違った方向に目覚める。
 詳細は伏せるが、その辺は芸術家の意地なのかもしれない。

 「」と言う少女がいた。


 (執筆者募集中) 



青木尚(あおき しょう)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:岩下明美《クラスメート,恋心》,尚《兄,犠牲者》
 岩下四話「死のかくれんぼ」に登場。
 岩下さんの一年の頃のクラスメイトで隣の席だった男子生徒。岩下さんに少々の恋心も持っていたようだ。
 ただし、岩下さんは孤独を好んでいたためあまり相手にされていなかったようだ。[というか、よく生き残ってたなぁ。]

 そんな青木くんは偶然か、怪談話の「」くんと同じ名前であり、彼自身のあだ名も「尚くん」である。性格も明るくてみんなの人気者だった。
 そしていつしか尚くんの怪談がクラスでも流行るようになり「旧校舎」の探索が一種の流行となってしまう。その最中でクラスメイトの一人が行方不明となり、本物の生徒探索が行われることとなった。

 展開によっては尚という名前は実は偽名であり、行方不明になった尚くんに関係している者をいぶり出すための作戦だったことが判明することもある。その場合は怪談話を広めたのも彼であったようだ。

 別の分岐では実は尚くんとは実の兄弟ということになり、行方不明となった兄の名前を継いだことで名が一致したことになる。
 だがその結末は、遊び相手を欲しがる亡霊に付き合わされ、憑り殺されてしまうというもの。いずれの展開にせよ、「尚くん」は幼くして死んだことにより分別も善悪もない子どもの霊の理不尽さを身をもって味合わされる羽目になるのだ。


蒼樹ローラ(あおき-)

  • 登場作品:小学怖,極
  • 種族:人間
  • 職業:女優
  • 関連人物:藤森美沙《噂》,桜井瑠奈《嫉妬》,元木葉苗《友人》,大沼繁夫《クラスメート》,桜井
 『小学怖』月曜日「腕のいい美容師」に登場。
 『小学怖』本編から五年前に、一世を風靡していた人気女優。
 長く美しい黒髪に象徴される洗練された容姿の持ち主で美容業界からは引っ張りだこ、本業の女優業に関しての演技力はまさに圧巻でデビュー早々に新人賞総ざらいという実績を持ち帰る。
 加えて頭の回転も速く、当意即妙のトークがお茶の間を沸かせ、バラエティ界隈からの評価も高かったもよう。

 ……と、ここまで羅列すれば「完璧」の一言で迎えられていい女性だが、作中では無惨な最期を迎える。
 それもこれも「桜井瑠奈」という小学生相手に本気で嫉妬した結果、迎えた自滅、自業自得の末路だったのだが。
 どうも彼女、嫉妬深くわがままで自分本位という本性を上品で物腰も柔らかという外聞で取り繕うくらいに演技力が優れていたようだが、自分のプライドを支える容姿、それも「美しい黒髪」という自負で負けるのはどうしても我慢ならなかったらしい。

 この話を語る藤森さんは話の中で蒼樹ローラの被害者となる桜井父娘と懇意にしていることもあり、徹底的に彼女のことを糾弾、罵倒する。一方、ローラの実力自体は認めている。
 他方、冷静に見ればローラが作中で取った行動は無様の極みであり、悪しざまに言われても仕方ないのだろう。
 美しさによってすべてを手に入れた女性は内面まで美しくはなかったゆえに、本当の美しさを引きずり落そうとして逆にすべてを失った。――残酷ながらによくできた話である。

 『極』「イノチ」に登場。
 今回は『極』本編から二十年以上前の時間軸で出演する。当時から恒例になっていたN湖の林間学校に参加した生徒のひとりで、自分の美貌を鼻にかけた高飛車な言動は健在である。
 大沼繁夫のイノチを欲しがっており、殺してでも手に入れようかなどと物騒なことを友人の元木葉苗相手に呟いていた。

 そこに現れたのが自称同じ学校の生徒「原口瑞希」。
 彼女の妙な提案を聞き流した翌日、なぜか態度を一変させた大沼からイノチを受け取るのだが……。


青山栄太郎(あおやま えいたろう)

  • 登場作品:小学怖
  • 種族:人間
  • 職業:青山不動産 店長
  • 関連人物:葛町龍平《噂》,妻果藤吉
 『小学怖』 水曜日「格安物件」に登場。
 悲願のマイホームを見つけるために掘り出し物件を探していた妻果家・父が、念願かなってこれぞ! という内容の中古物件を鳴神学園近くの不動産屋で発見する。即決も視野に入れた妻果家・両親相手の契約応対に当たった男性が彼である。

 ただし、この際の応対についてだがそれ自体に一見すれば問題はなく最低限の説明はしたものの、肝心の物件の内情や詳細までは語らなかったという具合だった。
 住めるかどうかの独自の判断基準を居住希望者相手に契約交渉の席でひそかに用意しており、妻果家なら一応問題ないだろうとみていた節はあるが商取引として誠実さに欠けるのも確かである。
 もちろんいわく付き物件を早々に片づけたい事情は理解できるが……。

 とはいえ一括購入して以降、妻果家一同はさっそく霊障に悩まされる。
 よってか不動産屋にどうこうクレームを入れたという話はされていない。単に描写されていないだけかもしれないが、触れられた範囲内では以降のこの話の展開に関わることもない。 
 セールストークしか言わない青山氏の人となりは実際のところ不明だが、その後の妻果家は霊媒師・元木さんの助けを借りておっかなびっくりでなんとかマイホームをものにすることに成功した。

 青山家の住まいとなった物件の真の問題は周囲のご近所と語られているため、紹介した程度の不動産屋が抱える問題はなおのこと問題にならないのかもしれない。
 小学生ではどうにもならない大人の裏事情として些細な棘を葛町くんの心の内に残した、その程度の問題である。 


赤川哲也(あかがわ てつや)

  • 登場作品:VNV,学恋,特,ナポin,荒井,鳴七
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 二年B組
  • 誕生日:11月23日
  • 身体:171cm/58kg ♂ B型
  • 趣味:パソコンの自作
  • 好きな/嫌いな食べ物:エナジードリンク、カップ麺/チーズフォンデュ、ラザニア
  • 関連人物:荒井昭二《クラスメート,友人》,袖山勝《クラスメート,親友》,時田安男,中村晃久《クラスメート》
  • 関連用語:スクール・デイズ《魅了》,アクシデント《犠牲者》,ゲーム研究会《所属》
 いわゆる「荒井の友人」枠に属する一人。
 だが、お互いに敬意を払うことが多いこの関係にありながら、荒井さんの方から一方的に敵意を向けられた挙句せっかく手に入れたゲームを命と(存在もろとも)奪われるという、なんとも不憫な子だった。
 しかも『VNV(小説版)』の同期組の中では、あまり後続作品で出番にも恵まれていない不遇の立場にいた。

 なお『学恋』発売前に公式から開催された第一回人気投票では並み居る語り部を押しのけ、なぜか「八位」と言う高位をマークした。荒井さん効果なのか、単なる不正票なのかは定かでないが快挙である。ただし、それに見合った露出度はなかった。

 とはいえ旧小説版における彼の挿絵は演出の都合上もあるとはいえ肥満体型にしか見えなかった。
 「オタク=肥満」の、安直なイメージにもほどがあったのか、『VNV』『特別編』ではそばかすが散った普通の少年に見えるキャラクターデザインになっており、最初の扱いからすればこれでも彼を取り巻く環境は向上している方だった。

 と、ここまでが過去形で語った彼の遍歴である。
 『アパシー 荒井昭二』の発表に伴い、互いに好き勝手に言い合える(けなし合える)、仲がいいのか悪いのか……という距離関係を強調することで、彼らの力関係は対等に近づくことになる。
 そこに、サイコな荒井昭二の単なる被害者として消化され、踏み台にされてきた赤川哲也の姿はなかったのだ。

 『VNV』『特別編』「ゲーマーの条件」に登場。
 初登場作品。
 当時やっとマニア層でも浸透しつつあった同人ゲームやPCへの造詣が深かった荒井の友人。趣味が合ったため(事件発生以前の)荒井さんからは「頭のいい男」と称えられるほどだった。が、怪しい即売会を見つけてしまったことが彼の運の尽きである。

 渋る荒井さんを尻目に六万円もの自腹を切って、同人ソフト「スクール・デイズ」を手にするところまでは良かったのだが、当初は冷淡に構えていた荒井さんもスクール・デイズの真価を知るや否や、当のゲームに魅了されてしまう。
 一連の流れについては「スクール・デイズ」の項目も参照のこと。紆余曲折あった末、彼は荒井さんにチェーンで滅多打ちにされ死亡、挙句には死体どころか(荒井さんの主観に従えば)この世に存在した事実自体を消去されてしまったようだ。

 ただし、このやり取りは実際に本編の記述の限りでは荒井さん側が一方的に悪いとしか思えないものだったりする。
 確かに頭まで下げてゲームを譲ってほしいと懇願する荒井さんに対して赤川君が取った態度は横柄なものだった。
 だが、この話の中で荒井さんの話す内容はともかく彼の視点や価値観は全く信用できないものになっていたりする。荒井さんが坂上(プレイヤー)に話す身勝手な思考を辿れば、赤川君の性格の悪さも記憶の彼方に吹っ飛ぶこと必至だろう。

 『VNV』「関西版」。
 某巨大掲示板のスラングを駆使する本物のオタクにされてしまい、母親ともどもスイーツ(笑)だのゆとりだの言われたい放題である。もっとも、荒井さんだってキモオタ化していたのでどっちもどっちだが。
 こちらでは中二病によって病死と言う結末を辿る。展開は同じなのに、ガジェットが異なるだけでこうまでカオスになると言う好例である。何とか報われたいという彼の願い故かは定かでないが、

 『特別編』「ゲーマーの条件(改訂)」に登場。
 『VNV』時点でも触れられてはいたが、結局手に取ることはなかった別のゲーム「アクシデント」を購入する分岐が設けられる。……が、結局ロクな結末にならない。
 結局、彼の不幸の源は件の即売会に関わってしまったことなのかもしれない。最初から詰んでると言うか、ある意味で彼の存在自体が出オチとも言える。

 『学恋』「坂上編」夜イベントに登場。。
 本作の夜イベントはほぼ共通して「夢オチ」なので主人公の坂上くんに結果的には害を及ぼすことこそないが、やはり「スクール・デイズ」を求めてさまよっているようだ。あんな殺され方をすれば浮かばれないはずである。

 『ナポin』最終話「呪われたゲーム」に登場。
 「村崎藍」の知る鳴神学園の都市伝説の登場人物として「荒井昭二」と共に彼の口から語られる。
 大筋としては『VNV』と同じ経緯を辿って自宅での喧嘩に至るのだが、即売会で先に『スクール・デイズ』に興味を持ったのが荒井さんである点、噂で伝わる限りでは殺し合い直前に自分たちの愚かさに気づいて和解し日常に戻ったという点で異なる。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 しかし、今回の真相はまた異なる。
 『スクール・デイズ』の正体は異世界(正体は不明だが、便宜上「ゲームの世界」と呼称する)の窓口となるゲームであり、赤川くんは荒井さん共々ゲームの世界に取り込まれてしまっていた。
 「ゲームの世界」は内部に取り込んだその人と全く同じ外見の存在を代わりに外に送り出すため、事態が露見することがなかったというカラクリである。当の世界が具体的にどうなっているかは不明だが「ゲーム実況配信」を行うことはできるらしい。

 というわけで、同じくゲームの世界の住人になってしまった福沢さんを交えて赤川くんと荒井さんは村崎藍を出迎えるのだった。ちなみに赤川くんはこのゲームに滞在する時間を「99年」と見積もっており、現実世界への帰還の目途はない。
 そのためヤケクソ気味なのかもしれないが、赤川くんはゲームの世界に順応しており、よって新たな住人である村崎に実況を乞うのだった。


 『荒井』「やりたくない」ルート、「自分も行かない」ルートに登場。

 各人ごとに異なった方面に才能を発揮し、互いに認め合う「荒井の友人(ソウルフレンズ)」のひとりとして登場。
 彼の得意分野は当然ゲーム関連だが、それを抜きにしても元々頭は良いようだ。キャラクターデザインも今までの純朴そうで平凡な少年という装いは鳴りを潜め、神経質そうで才気を感じる男といった風に一気にイメチェンを果たした。

 そのため、ゲーム関連で荒井さんとの間にいさかいを起こして何度も絶縁している=何度か仲直りしているという紹介文が納得できるかもしれないというところまでが発売前の印象である。

 「やりたくない」ルート。
 「中村晃久」の口車に乗せられて行った牧場アルバイトの過酷な労働環境に身の危険を感じ、「時田安男」に助けを求める電話を入れる。
 地頭が良い彼なら騙される事などないのではとも思えるが、その辺りはまだ高校生なのかもしれない。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 実は全ては時田くんが映画を撮るために仕組んだ罠であり、赤川くんの事も時田くんの口から説明されたものである。そのため、本当に彼がアルバイトに行ったかどうかは定かでない。
 しかしながら、アルバイトに行ったクラスメイト達が豹変して登校してきたことは紛れもない真実。
 赤川くんが牧場に行っていたのならば、彼もまた秀作の名優となるのだろうか。


 「自分も行かない」ルート。
 駅前塾の特訓コースの受講生として荒井さん達と顔を合わせる。
 夏休み前から塾に通ってはいるが、当の本人は塾自体をつまらないものだと思っているらしい。[「ゲーマーの条件」で塾に複数通う荒井さんのことはどう思っていたのだろうか……。]
 こちらのルートでも彼は隠れてアルバイトをしているが、これまた中村くんに紹介してもらったもので、しかもブラックバイトだった。おかげで眠気と戦いながら講習と格闘することになってしまった。[実に不憫である。]

(ネタバレにつき格納)

+ ...
 「姫乃」に対しては最初は時田くんと共にさわやか男子を気取っていた。姫乃さんの正体が明らかになり、事が大きくなってからは地雷だと認識はしているものの、「あれだけかわいければ男でもいいっていう気もする」らしい。


 荒井さんに対しては仲間と共に親身に相談に乗りつつも楽しんでいる節があった。その時の赤川くんの悪い笑みは必見である。

 『鳴七』「ヒナキちゃん」ほか多数のシナリオに登場。
 荒井のクラスメートなおかつ友人のひとり。以前までのシリーズでは帰宅部と明言されていたが、ゲーム研究会所属になった。頭脳明晰でゲームやパソコンの知識なら右に出る者はおらず、それらは鳴神学園で生き残る術としても役立っている。

 そんな赤川くんだが、軽率な発言をしたり悪戯に加担したりすることもあり、展開によってはそれなりに痛い目をみる。
 ただし、荒井さんの友人の中では比較的良識を持つ人物ではある。


 (執筆者募集中) 


 「ヒナキちゃん」。
 「田崎」or「秋山」のエピソードを踏襲している。
 某N君の甘言に引っかかって、ド田舎に来てしまった鳴神生のひとり。

 元々交流があったのかは不明だが、荒井さんを介した友人である「袖山勝」と共に行動することが多い。


 (執筆者募集中) 


 「思い出はイチゴ味」。
 基本的に『荒井』版とシナリオに相違はない。


 (執筆者募集中) 




 (執筆者募集中) 


 「殺人クラブ」。
 このシナリオの探索パートでは、各シナリオで語られたキャラクターたちが鳴神学園の至るところに潜んでいる。
 「赤川哲也」はその中のひとりであり、「ゲーム研究会部室」にいる。


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赤坂陽介(あかさか ようすけ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,学恋2,学恋V,ドラマCD,鳴七,稲in
  • 種族:人間→悪霊
  • 職業:鳴神学園高校 一年生→プロボクサー、地方公務員(鳴七)
  • 誕生日:3月16日
  • 身体:165cm/55kg ♂ O型
  • 趣味:デッサン
  • 好きな/嫌いな食べ物:エビマヨ、オクラ/回鍋肉、カキフライ
  • 関連人物:新堂誠《噂?,知人》,畑中亨《部活,復讐》
  • 関連用語:ボクシング部《所属》,いじめ
 かつて栄光の歴史を築いてきた「ボクシング部」に所属していた部員。
 丈夫な方ではなくいじめられそうな外見だったが、「いじめ」まがいの練習を耐え抜く根性はあった。そして先輩の執拗なしごきが行き着く果てである「地獄の合宿」さえも乗り越えようとしていた。

 が、死亡してしまいその怨念がボクシング部に宿ったことから部が凋落する原因となってしまう。
 ただしその一方で後年の作品では生存し、大成した姿をみせるパターンも存在する。その場合では後輩の「新堂誠」とは大先輩として友誼を深めており、いたって健全なアドバイスを与える頼れる大人ということになる。

 『学怖(S)』新堂四話「ボクシング部の地獄の合宿」に登場。
 初登場作品。
 よりにもよって「畑中亨」を筆頭とする同じ一年生部員たちの手によってリンチされた挙句に殺されてしまう。
 先輩たちや首謀者の手によって死体も隠され、燃やされ、埋められるなど明らかにされないのなら、浮かばれるはずもない。
 赤坂の霊の復讐によって畑中たちは死んでいき、大スキャンダルが発覚したボクシング部は見る影無く落ちぶれてしまった。

 そんな彼のグラフィックは設定を忠実に反映したものだが、この世のものでないことを証明するように、なんというか――青い
 ……ちなみにこの青いグラフィックは、『学怖』の細田四話「新校舎のトイレツアー」の「逆さまになった人影」としても登場する。
 反面『学怖S』では精悍な容姿となっており、逆に先輩達を復讐のためにリンチする首魁となる展開も用意された。もっとも、この場合は自業自得の結末を迎えてしまう。いじめられっこがいじめっこになる負の連鎖は止まらない。

 『学恋2』新堂編夜イベントに登場。
 こちらは合宿で内紛(本人は口を閉ざす)に巻き込まれ、生死の境をさまようものの見事生き延びプロボクサーとして大成したらしい。新堂さんからは、ボクシングの大先輩であるほか「地獄の合宿」を体験した最後の世代として尊敬されている。
 「旧作」からすると見事なまでに報われた未来を歩んでいることになる。

 臨死体験して以来不思議なものが見えるようになったらしく、試合のことや人間関係についてなど、まるで見てきたような事情通っぷりを発揮した。「大倉」と同じく電話越しの登場であっても的確なアドバイスを返してくれたが、やはり大人の余裕が漂う。もっとも、同じお助けキャラでも立場は大きく異なるという事情はあるにせよ。
 ただし、彼のアドバイスは同性相手でも異性を相手にしたものと良くも悪くも大して変わらなかったりする。

 続く『学恋V』では立ち絵が実装され登場する。
 河原に行くと会えることだろう。流石にプロらしく厳つい容姿である。

 『ドラマCD』Disc.2 「ボクシング部のしごき」に登場。
 今回の新堂さんはボクシング部を引っ張る現役の部長である。
 当然「赤坂」と「畑中」を中心とする上記の一大不祥事も詳しく知る立場にいる。
 よって身内意識が働く分、話の内容に手心が加わっているかと言えばそうでもない。今はいじめ紛いのしごきはなくなったとしっかり断りを入れつつそれでも批判的な目を向け、過去大問題になった事件について切り込んだ意見を述べていく。

 なお、今回の赤坂を犠牲者としたストーリーだが、『学怖』および『学怖S』の様々な分岐から展開を抽出、折衷しつつオリジナルの結末に辿り着く。畑中らに殺された赤坂が復讐の念をボクシング部に残した……という大まかな流れこそ同じだが、赤坂のことを手放しで完全な被害者として捉えるのは難しかったりする。

 脱走のくだりで先輩たちに報復した上で逃げようと提案する攻撃的な設定が採用されているのがひとつ。
 それと、過剰なしごきのせいで「完全にボクシングのことを見放した」結果がそれであると今回追記されたため、赤坂の内面では様々な感情が渦巻いていることが推し測れるかもしれない。
 愛憎か、それさえ消し飛んだために純粋な怨みだけが残ったのかは定かではない。死者はいずれも語ってくれなかった。

 ちなみに廃部になってもおかしくない惨事に見舞われたボクシング部が現在も存続しているのは赤坂の霊魂が働きかけたおかげでもあるらしい。ただ、合宿場で彼の霊を目撃したこともあって新堂さんは死後の赤坂のことをどうもきな臭いと感じている。
 新堂さんなりの実感こもった見解であるほか、よくよく考えれば今回の赤坂の報復は過剰に思えるかもしれない。

 『鳴七』「ゴングが鳴って」、「夜泣き石」ほかに登場。


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 「ゴングが鳴って」。
 分岐として「ボクシング部の地獄の合宿」が収録されている。


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 「夜泣き石」。


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 「狂気の夜」。


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 『稲in』に登場。
 坂上修一の足跡を求め「七不思議の集会」の出席者の居場所を訪ねて「あなた」は鳴神学園構内を歩く。
 そんなあなたが新堂さんの所属する部活である「ボクシング部」の部室を訪れたところ、畑中と一緒に出迎えてくれるのが彼である。


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赤間理沙(あかま りさ)

  • 登場作品:2008,探偵局
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 二年A組→三年生
  • 関連人物:朝比奈卓也《部活,恋人》
  • 関連用語:新聞部《所属》
 『2008』1話「十三年目」に登場。


 (執筆者募集中) 


 『探偵局』第二話、第十話、第十八話に登場。
 2007年度の「新聞部」を支える部員のひとりで、来年度では副部長。
 同じく来年度の部長である朝比奈卓也とは恋人同士。馴れ初めは2007年に赤間が付き合っていた彼氏に振られたのがきっかけ。かねてよりアプローチをかけていた朝比奈になびいたためらしい。

 ところで彼女自身だが、ブン屋として押しが強く何かと敵を作りがちな朝比奈とは違ってフォローに回るタイプである。

 第二話「預言者ヒッポ様」。
 私用なのか、新聞部の活動の一環としてかは不明だが、ヒッポ様こと「椛島由宇作」の予言を聞くため、わざわざ千円の予約証を取った上で一週間の順番待ちもクリアして彼のいる放課後の教室まで辿り着いたようだ。
 が、椛島にとっては最優先で対応しなければならない来客「賽臥隆恭」が訪れたため、一対一で対処すべく、同じく並んでいた多くの生徒共々人払いとして腰巾着の「権田力也」に追い散らされてしまう。

 流石に散々待たされた挙句の横暴な対応には一言文句をつけざるを得なかったようだが、その場は引き下がる。

 第十話「時を越えて…」。


 (執筆者募集中) 


 第十八話「葉守りの神」。


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秋山(あきやま)

  • 登場作品:晦
  • 種族:人間
  • 職業:中学生
  • 関連人物:前田和子《噂》,田崎《友人》,ヒナキちゃん《犠牲者》
  • 関連用語:予言《犠牲者》
 和子二話「謎の少女・ヒナキちゃん」に登場。
 良夫が今度行く予定の中学に通っていた三年生。
 和子おばさんが噂してくれた「ヒナキちゃん」にまつわる去年発生した事件の当事者の一人でもある。

 いつも「田崎」と言う友達と一緒につるんでおり、かなり落ち着きが無かったらしい。
 ふたり合わせて典型的な悪ガキコンビだったが、秋山の方はおとなしくて慎重なタイプだったようだ。

 よせばいいのにヒナキちゃんなんて天災少女に積極的に関わったのは若さゆえの過ちか。
 相方に比べればまだマシだが、豊富な結末の中でも秋山の生還率は二割を切るなど、かなり渋い水準である。

 ヒナキちゃんと会って早速不幸な目に遭う田崎を追いかけ、逆に道連れになってしまう、というものが彼が辿る末路の基本パターンである。シビアなことを言ってしまえば、友人を放っておけば助かったりする。
 事実、彼が生存する唯一の結末は友人の叫びを無視して眠りこけた結果訪れるものになっている。薄情だが、それも正解。
 そもそも二人の間に真に友情なるものがあったのか、疑問であるし。

 友人を思う気持ち自体は立派であり、このゲームがジュブナイルだったらハッピーエンドもありえたのだろうが、ホラーではそんなことは無いのだった。
 また、たとえどんなジャンルであろうと、冒険するなら賢い子どもでなければ生き残るのは難しい。「予言」に惹かれて自分から不幸を拾いに行くような愚か者には[賽の河原で苦を受けるのが]きっと相応しいのだろう。
 なんだかんだで、ヒナキちゃんに興味本位で会いに行った時点でもう既にチェックがかかっていたのかもしれない。なにせ最初に消極的対応を取ったところでヒナキちゃんは逃がしてくれなかった。

 [『晦』は『学怖(S)』とは違い、特定のテリトリー(領域)やキャラクター(人格)を持たない無機質な怪異が多い。
 言って返せばヒナキちゃんはとても「学怖」的存在と言えるのかもしれない。彼女は「謎の私有地」と言う一個の場所に出没し、明確な姿と性格を持っている。
 その反面で明確な対処法を持たないことが多いのも『晦』に登場する妖怪その他の特徴であり、彼女もその一例に挙がっているのだが。いわば両者のいいとこ取りか?]

 よく分からない私有地と言うのは管理が行き届かず、子どもに怪我を出しやすい。そのため、警句を発する意味もあって噂が流れるのも必定と言える。
 ただ、ヒナキちゃんは「場」には別に依存している様子を見せず、むしろ恩恵を享受する様子のみを見せる怪異である。言うなら空き地は彼女にとって、魔物の逢魔ヶ時細田のトイレと同じような役割を持つのかもしれない。

 『鳴七』
 「赤川哲也」、「袖山勝」の項を参照のこと。
 「秋山」のエピソードは上記の人物へと集約された。


秋山(あきやま)②

  • 登場作品:新生,鳴七
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園初等部 四年三組
  • 関連人物:新堂大誠,松岡伊吹,金沢弘樹,石田,園山《クラスメート》,鈴木先生《担任》
 『新生』「危険な転校生」『鳴七』「危険な転校生」に登場。
 「松岡伊吹」が「四年三組」を掌握してほどなく、クラスメートの大多数は彼の言葉に心酔し自らの意思を手放した兵隊に成り下がってしまうのだが、この秋山という女子児童もその例外ではなかった。

 ある日、椅子と机を隠されて怒る大誠だったが、それに対抗して彼「園山」の椅子と机を取り上げる。が、担任の「鈴木先生」が来るや否や大声を上げて泣き出す園山だった。
 で、その直後に徹底的に大誠を悪者にすべく、援護射撃の発言をした女子児童が秋山である。

 秋山に続きクラスの女子複数人は五月雨式にあることないことを言ってのけることで、鈴木先生の大誠に対する心証を一気に悪化させる。最後に女子のうち誰かが仕込んだ椅子と机のありかを告げ口して、状況的には大誠が園山の机に落書きした上で隠した加害者であるという状況を作るのだった。

 事前の打ち合わせはある程度あったのだろうが、女は天然の役者とはよく言ったものである。
 ただ、当時の「四年三組」の女子は大誠や金沢からはどうも見下されている節がある。
 また、(これを言うのは酷だが)誰一人として松岡に抵抗できていない事情もあり、のちの「六年六組」に属するような傑出した人物は女子の中には一人もいなかったと察せるかもしれない。


秋山恵利子(あきやま えりこ)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 養護教諭
  • 関連人物:岩下明美《噂》
  • 関連用語:死の掲示板《犠牲者》
 岩下一話「災いを呼ぶ死の掲示板」に登場。
 保健の先生で、若くて綺麗なこともあって、よく女生徒からは悩み相談を受けていた。[そこ、グラフィックにケチつけない。]
 そんな秋山先生だったが、二年前にとある女生徒に「死の掲示板」のことで相談を受けたものの、迷信を排撃すべき態度を取っていた先生たちの例に違わず、笑い飛ばす態度を取ってしまう。
 少女にとってある意味励みにはなったようだが、彼女はどういうわけかその日のうちに行方不明になってしまった。

 呪いなんてないっていったのに・・・

 責任を感じる先生だったが、翌日「死の掲示板」に貼り出された女生徒の心情を代弁するようなメッセージを見て憤激。
 その場の眼も気にせず、突き動かされるままにメモを破り捨て、当日はあまりの怒りのため誰も後を追えない雰囲気を醸しつつ、行方知れずになる。
 で、さらにその翌日。昨日の勢いかどうかは知らないが、当の先生が掲示板に貼り出されていた。要するに磔にされて死んでいたということである。
 ちなみに第一発見者は当時一年生だった岩下さんだったという。

赤は真実のみ語る。冗談はさておき、赤文字の後に死人が出ると言えば岩下一話の別分岐で発生する「江藤昭子」の呪いとリンクする部分がある。
 リンクとパラレルは相反する要素のようでいて、色々な解釈が成り立つだろう。

 ところで、豆知識です。「保健室の先生」や「保険医」と呼ばれることが多い彼女の職業ですが、「養護教諭」が正しい名称です(保険医は全然違う職業)。
 保険医というのは、健康保険加入者の診療を行う医師または歯科医師のこと。
 [あと、養護教諭におばさんが多いのは事実ですが、おばさんというのは昔はお姉さんだったわけです。男子生徒にとっての憧れである美人の保健室の先生もけして夢ではないでしょう?]


上石先生(あげいし-

  • 登場作品:追加
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 非常勤講師
  • 関連人物:坂上修一,玄武拓馬,緒方麻紀
  • 関連用語:秘密の地下室,宿直
 『追加版』隠しシナリオ「殺人クラブ リベンジ」に登場。
 「宿直」で夜間の見回りをしていたところを集会を終えて下校しようとする坂上と出くわし、その場のノリでふたりで探検と洒落込んだか「旧校舎」にまで足を踏み入れる。そんなことからもわかるように表向きは明るく朗らかで優しい先生なのだが……。

 その正体は、鳴神学園ではさして珍しくもない殺人教師。
 ただし、常日頃から殺人を生業としていたり、哲学として昇華していたりなんてこともない。
 生徒をはじめ周囲から見下されているという被害妄想に憑かれており、その憂さ晴らしに生徒たちを殺していたようである。

 絶好の死体の隠し場所「秘密の地下室」を発見したこともあってか、上石は最新と思われる犠牲者の「宍倉」さん以外に数人の生徒の命を奪っていたとも考えられる。
 ただし、実際に彼が何人を手にかけたかは不明である。

 本性を現した本人の言い分はサイコなものの、大人という立場以外にすがれるものはないちっぽけな人間であると自己紹介しているようでもある。そのため殺人という大罪を犯してしまったことを抜きにすればどこにでもいそうな小物である。
 そんな彼だが、言葉巧みに坂上を殺人およびその遺棄現場である「秘密の地下室」におびき寄せたものの、俗にいう「覚醒」状態に陥った坂上によって瀕死になるまでボコられた上で、後を追っていた「殺人クラブ」の制裁によって始末された。

 上石自体は特にバックボーンのない野良の殺人鬼であるようであり、彼にまつわる事件は表沙汰になることもなく内々では退職したと発表され、地下室への入り口もふさがれた。
 上石なんて小物ではなく、「坂上修一」という羊の皮をかぶった狼、そして学園で暗躍する殺人集団のこれから。
 そして、その正体について考えを及ばせた方がいい、とプレイヤーが思ったということはきっと言うまでもないことだろう。


浅井(あさい)

 『新生2』「赤い靴下」に登場。
 細田さんの母のいくつか下の後輩だった女性。
 「黒百合総合病院」に入院していた時のことを話すべく細田家に来るなど、卒業後も結構な接点はあったようだ。浅井さん本人は細田さんの印象では活発で物怖じしないように見えたらしい。

 ちょうど家にいた細田さんだったが、浅井さんの実体験を又聞きしたことから黒百合総合病院の女子トイレに出没する「謎の長身の女」という怪異に興味を持つことになる。
 その細田さんは調査のとっかかりを掴もうと訪れていた主人公の坂上くんにこの話をしたことから、プレイヤーもこの話を知ることになる。

 いわく浅井さんは、トイレの洗面台の前に立ち微動だにしない謎の女に遭遇してしまったという。
 当初は些細な違和感だったものの、階を変えても同じところにいる女を目撃する、用を済ませたところを物音立てずに個室から出てくるなどの怪現象を前に一気に危険だと考えを固める。

 とはいえ、トイレに行きたいというのは生理的欲求であり逃れられない。
 そのため浅井さんは女とは徹底的に関わらないようにする、認識されないように息や言葉を潜める、なによりひとりきりにならないようにするなど、不安に駆り立てられながら対策を取った。

 特に三番目は重要で、一階の個室に追い詰められた際に、たまたまやってきてくれた看護師の藤村さんの助言も取り入れた対策である。結果、浅井さんは入院生活をなんとか乗り切れたようだ。

 ちなみに女の正体は不明である。
 ただし、藤村さんはこの病院に「魔物」と称される、得体のしれない、声質もさまざまななにかが潜んでいることを教えてくれた。

 前述のとおり、藤村さんは謎の女の正体はともかく性質について察していたような口ぶりも見せている。少なくともどの階のトイレも危険なことは、浅井さんの体験と照らし合わせれば自明だろう。
 また、断言することこそ難しいが、細田さんの語ったこの話のエンディングを両方目撃したプレイヤーなら浅井さんが九死に一生の窮地を潜り抜けたことがわかるかもしれない。


朝倉(あさくら)

  • 登場作品:学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 関連人物:福沢玲子《噂》
  • 関連用語:桜《愛好》,霊道
 福沢三話「旧校舎の裏に立つ桜の木の呪い」に登場。
 植物を愛した男子生徒。
 桜の根元で過ごすことが多かった彼のことは桜も好んでいたようで、彼が肺の病で若くして亡くなってしまった際には相当に堪えてしまったようだった。そのため、桜の木は彼の霊を呼び寄せるために「霊道」を引き寄せるという暴挙に走ってしまう。
 当然ながらそんなことをしても朝倉くんの霊と再会できる保証はないのに関わらず……、である。

 霊道を通る霊が良いか悪いかはさておいて、世の流れを歪ませ、大きな力に晒されることが桜にいい影響を及ぼすはずもない。
 ここ「桜の木の話」は展開の経緯は違えど、結局は桜が怨念を宿すことになってしまったという結末が語られることが多いのだが、その中のひとつの流れ「朝倉くんと霊道の話」もその例外ではなかったようだ。

 一応、慰めになる話をしておくと、ことの発端になってしまった朝倉くんの霊についてそれ以上に語られることはないこと。
 それから、桜はまだ大丈夫という気休めの結末が語られることもある。


浅田茂(あさだ しげる)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 三年生
  • 関連人物:荒井昭二《噂》
  • 関連用語:野球部《所属》,古井戸,地縛霊,手《犠牲者》,第一体育館《呪い》,自殺
 荒井一話「校内に巣くう地縛霊」に登場。
 当時野球名門校だった学園だったが、その中でも彼は三年生になったに関わらず、レギュラーはおろか補欠にすらなれなかった雑用部員に過ぎなかった生徒。
 それでも浅田茂はめげることはなかった。せめて応援で頑張ろうと三年間の野球生活に思い巡らせていた。たとえ大人しくても、歪むことない野球への情熱は誰に負けることもなかった。
 しかし、運命とこの学園は彼をそういった安穏とした境地に置いてくれることはなかった。

 思いも寄らず、ボールが建設中だった「第一体育館」の現場に転がっていったのが運の尽き。床下に潜む「古井戸」の手に地の底に引き込まれ、一週間後に変わり果てた姿で発見された。彼の身体はふやけて赤水を吸い込み、体中に無数の手の痣が遺されたという。

 または動くはずのないコンクリートミキサーに右腕を破壊され、後日気を病んで自殺するという結末を迎えてしまう。
 彼のなくなった腕には代わりにマネキンのそれが括りつけられていたのだという。
 八月の初め、夏の野球大会がはじまる頃になると「野球部」では骨折して怪我をするものが多発すると言うが、そこに彼の霊が介在すると考えるのは邪推だろうか――?

 「地縛霊」というお題目と関連が薄い話しかしてくれない気がする荒井一話だが、彼の話は結構オーソドックスに「学校の怪談」と言える物に仕上がっている。良くも悪くも平凡で『学怖(S)』の中では結構影が薄いが、逆に印象に残ることもあるのかもしれない。
 もっと恐ろしいのはありふれた悲劇としてしか捉えることの出来ない、この学校における怪異のあまりの多さだろう。幸いにも彼自身が悪霊と化したという確証はないことから、辛うじて彼の名誉は保たれたのかもしれない。


浅田亮平(あさだ りょうへい)

  • 登場作品:男怖
  • 種族:人間
  • 職業:笹ヶ岡学園高等学校 生徒
  • 関連人物:久留米剛,一乗寺奏,松平良明《部活》,藤岡豊
  • 関連用語:歴史部《所属》,狭間の部屋
 『男怖』「根幹」ルートに登場。
 五年前に消息を絶った笹ヶ岡学園「歴史部」最後の世代であり、その一員だった。
 とは言え、作品の導入となるアバン部分で凄惨な最期を遂げたことが示唆される「歴史部」だが、作劇上の立ち位置としては典型的な「マクガフィン(物語には必要だが重要でないもの)」であり、例外はあるが彼ら自身についてさして語れることはない。

 で、この浅田くんに関してだが、他の部員たちはけっこう特徴的な性格付けや立ち絵が与えられている中でなぜか一人だけそういったものがない。実はアバン部分でも彼のセリフらしきものはない。
 「久留米剛」部長が怪しい部外者を発見して見咎めた際、部外者である彼の輪にかけて怪しい発言にツッコミを入れるなどしており、ノリのいい先輩にブレーキをかける後輩キャラなのかなぁと推測が立てられる程度である。

 (ネタバレにつき格納)

+ ...
 そんな彼の影が薄いのにも理由があって、アバン部分で登場した四人の立ち絵の持ち主こそが「歴史部」のメンバーであったとプレイヤーに誤認させるために、「浅田亮平」の存在が伏せられていたと考えられる。
 協力していた部外者の「藤岡豊(立ち絵が二番目に出た男)」と部長たちが会話を交わす中、浅田くんは固唾を呑んで成り行きを見守っていたのかもしれない。が、部長たちと同じ運命を辿った彼が真に何を思っていたのかについてはやはり知る術はない。



朝比奈慎也(あさひな しんや)

  • 登場作品:VNV,AMC1,追加,極,新生2,ドラマCD,学恋4,秘密,鳴七
⇒「朝比奈慎也


朝比奈卓也(あさひな たくや)

  • 登場作品:探偵局,2008
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 二年D組→三年生
  • 年齢/誕生日:18歳(2008)/5月9日
  • 身体:176cm/67kg ♂ A型
  • 好きな/嫌いな食べ物:鶏のからあげ/イカ
  • 関連人物:朝比奈慎也《兄》,赤間理沙《部活,恋人》,緒方麻衣,工藤光輝《部活》,日野貞夫
  • 関連用語:新聞部《所属》,七不思議の集会
 2008年度の鳴神学園新聞部部長。
 強引と謗られることもあるが、その行動力で部を引っ張るやり手。
 長年校則で禁止されていた「七不思議の集会」を新聞部主導で開き、全校生徒の耳目を集めることを目論む。

 しかしその裏には謎の男「日野貞夫」の影があった。
 朝比奈は日野が巧みな話術の下に繰り出す「学園に潜む殺人クラブの真実を白日の下に引き出し、兄の仇を取りませんか?」という誘いに乗っかることに。
 彼に請われるまま、計画の軸となる集会のお膳立てを行い、当日は日野と一緒に密かに新聞部部室に仕掛けた監視カメラとモニター越しに、二転三転する集会の様子を観察するのだが……?

 『探偵局』第十話、第十四話、第十八話に登場。
 この頃から次期部長との呼び声は高かった。
 恋人となる赤間とは作中で交際をスタートさせる。

 第十話「時を越えて…」。


 (執筆者募集中) 


 第十四話「妖怪ベロリ」。


 (執筆者募集中) 


 第十八話「葉守りの神」。


 (執筆者募集中) 



浅海恵子(あさみ けいこ)

  • 登場作品:特
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 一年生
  • 誕生日:4月2日
  • 関連人物:岩下明美《噂》,鍋島香織《友人》
  • 関連用語:図書室,こっくりさん
 『特別編』岩下シナリオ「図書室の話」に登場。
 放課後になると「図書室」に通っていた少女。
 内向的でクラスでも孤立しており、誘ってくれるような友達もいなかった。
 が、押し付けがましい上級生「鍋島香織」に声をかけられたことから彼女と微妙な接点を持つようになる。当初は彼女の一方的語りに無言を貫いてきたが、内容のいい加減さについつい口を開き、ついでに心も開くようになっていく。

 ただし、当の鍋島さんからはロクな仕打ちが返ってこない。
 「こっくりさん」の生贄にされそうになる。
 またはやたらグロい末期に居合わせた果てに呪いの言葉をぶつけられたりと、さんざんな目に遭わされる。

 しかし、全分岐において五体満足のまま生還することに成功している。
 内向的な性格ゆえ、当事者の立場に置かれることがなかったのが幸いしたのかもしれない。

 『鳴七』
 ⇒「野沢知美」の項を参照のこと。
 「浅海恵子」のエピソードは上記の人物へと集約された。


浅見玲子(あさみ れいこ)

  • 登場作品:流神A
⇒「福沢玲子


芦村先生(あしむら-)

  • 登場作品:学怖,学怖S
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 体育教師
  • 関連人物:細田友晴《知人》
  • 関連用語:顔型の染み《犠牲者》
 細田二話「女子トイレの壁の染み」に登場。
 女子トイレにある「顔型の染み」のことで細田さん達が相談をもちかけた教諭の一人。
 進路指導を担当する上に昔気質かつ大柄な体格と言う性格もあって、当然ながら話は聞いてもらえなかった。
 しかも、その場の対応も四人の先生達の中では一番厳しく、怒鳴られ追い返されると言う顛末を迎える羽目になる。

 しかし、その日細田さんが部活を終えて帰ろうとした時、件のトイレに入っていく芦村先生の姿を目撃する。どういったことかといぶかしみむ細田さんは、ここで好奇心を出すか、出すまいか悩むのだった。とはいえ、メタなことを言ってしまえば、この時点で先生の命運は決まっている(≒細田友晴の安全は保証されている)ので安心して選んでもらって構わない。

 この分岐での「顔型の染み」の正体は、過去に芦村先生が受け持った教え子で不良だった女生徒の霊である。
 芦村先生は彼女のことをはずみで殺してしまい、その死体(と怨念)を隠蔽のために壁に塗りこめたのだった。

 先生は染みに向かい、あれは事故と言い張るなど恨み言をこぼしていた。
 そこにあった感情は時を経てもけして隠せない恐怖に他ならない。きっと罪悪感などではなく、罪の発覚を恐れるあまりの。

 現に偶然彼の自白を聞いてしまった細田のことを口封じに殺そうとしたことからも、うかがい知れる。
 結果、先生は壁から飛び出した女生徒の黒髪に全身を刻まれバラバラ死体となって発見される。もしくは、彼女と入れ替わるようにして壁に引き込まれてしまう。

 自業自得な二つの末路であるが、壁に引き込まれた場合が彼にとってよりキツい罰だろう。
 なにせ彼には彼女のように恨みを晴らすべき相手が存在しない。

 あえて言うなら細田さんだろうが、八つ当たりにしかならない上に彼があのトイレに近づくとは金輪際思えない。
 その上、芦村先生の未練は正直ありきたりの上に、弱い部類に入りそうである。
 よって、この分岐では他で手出しができかねて敗北を重ね続けた染みの怪異を実質上完全に退けられたことになる。
 もっとも、この分岐において染みが発生したのはそもそも芦村先生のせいなので、感謝する筋合いはまったく無いのだが。


東優斗(あずま ゆうと)

  • 登場作品:追加
  • 種族:人間
  • 職業:鳴神学園高校 生徒
  • 誕生日:9月3日
  • 関連人物:前沢美咲《幼馴染》,西野有里
  • 関連用語:
 『追加版』福沢シナリオ「ラジオの声」に登場。
 幼なじみの「前沢美咲」とその親友である「西野有里」と言う二人の女の子の間に挟まれた男子生徒。一見すると、三角関係の渦中にいるということで羨ましくも危険な目に遭いそうなポジションに……思える。

 だが実際はこの二人の人間関係に割って入ることが出来ておらず、蚊帳の外に置かれたままよくわからない内に自分の命もしくはこれらの関係性を失ってしまった不憫な男である。



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  • 朝比奈部長(兄)もそろそろ単独項目に移していいかもしれませんね……? -- 名無しさん (2022-01-10 14:28:57)
  • 今後も継続して登場するキャラでしょうし、賛成です。 -- 名無しさん (2022-01-10 14:36:13)
  • 「上石先生」の読み方迷ったんですが、全国的には「あげいし」と読む比率が高いそうなので、ひとまずそのようにしました。 -- 名無しさん (2022-02-01 22:54:40)
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最終更新:2023年11月25日 14:59