来たら助けてくれるよ?



学校のコワいうわさ 花子さんがきた!!

  • 種族:文芸作品(アニメ・小説・ゲーム)
  • 作者:森京詞姫(原作)、平岡奈津子・喜国雅彦・木村千歌・松泰雪子・ほりのぶゆき・TAMI・青木智子・押切蓮介(イラスト)
  • 関連用語:学校の怪談,都市伝説,トイレの花子さん,赤い靴の女の子,悪霊,妖怪,自殺,異次元

概要

 「学校の怪談」の隆盛に合わせ、制作された作品で、かつその中で代表的な存在である「トイレの花子さん」を取り扱った作品のひとつである。
 作品全体は一部を除き独立したショートストーリーの集合体であり、うち各話のキャラが怪異に遭遇し窮地に追い込まれたところを助っ人の花子さんが現れて助けてくれる――と、いうのが基本的な筋になっている。
 この作品はどのメディアが明確な原作であるかは明言されていないが、情報量や恐怖で言えば、書籍版が一番とされることも多い。
 よって、この項では主にそれについて記述する。

 まず、1994年よりフジテレビの子ども向けテレビ番組『ポンキッキーズ』内の一コーナーとして全35話のショートアニメが放映されたことを起こりとする。
 ナレーションデスラー総統伊武雅刀。彼は主人公(?)の花子さんとホワホワを除いた全ての声を担当しており、老若男女のこだわりなしの淡々とした語り口は当時のちびっ子達に恐怖を与えた。全体的にチープに見える作画もいい味を出している。

 そして、同年から竹書房より書籍版の刊行が開始されている(詳細は後述)。こちらも1996年までに10巻刊行される長期シリーズとなっている。後、10年のスパンを経て新シリーズも刊行され、こちらも2009年11月現在で11巻を数える。

 1995年にはPSをはじめとする多機種で、2008年にはDSでゲームがリリースされた。
 そして2010年8月、花子さんは遂に目覚める。



花子さん

 この作品のヒロイン。この作品では味方として活躍してくれる。
 別にトイレにテリトリーを張っているわけではなく、神出鬼没に行動し、幽霊や妖怪と言った怪異に為すすべない人間達の前に現れて助けてくれる。ただし……、
 タイトルに「花子さんがきた」と銘打ってある癖になかなか来てくれない困ったさん

 呼べば確実かつ瞬時に来てくれる有難い存在であり、標的もほぼ討ち漏らしてはいないのだが。独力では叶わない強力な敵がいないことはないが、その場合はライバルのやみ子さんや彼女の家族がやって来て手助けしてくれるので案外問題なかったりする。

 ただ、出没頻度の低さは本当にどうしようもないレベルである。
 事実、書籍の旧シリーズにおいては酷い時は四回に一回顔を出せばいい方だったりする。しかも彼女が現れなかった場合、高い確率で犠牲者が出る。
 描写こそされていないものの、シチュエーションだけを取れば子ども向けとは思えない残虐なものも数多い(斬殺、四肢欠損、etc……)。

 一応、専用の電話番号にかければ連絡がつくし、それ以前に呼べばすぐ来てくれる。
 ただ、彼女が自発的に動いた場合では、面白半分で怪異を呼び出した子が助かったりする一方で、本当に運の悪い人の前には全然来てくれない。
 歌の歌詞(きたらたすけてくーれーるよ~)に代表されるように、かなり当てにならない存在である。求めよ、さらば与えられん。
 本人は口数少ないが面倒見の良い性格であり、それ以前に善意かつ無償で動いている彼女が責められる筋合いは全く無いのだが。
 彼女の存在があるからこそ世の不条理さ・無情さが引き立つと言えばわかるだろうが……。


 外見としては下の商品画像にある通り、おかっぱ頭に(死んだ目)、赤い吊りスカートと、一般的な花子さんのイメージをほぼ踏襲したものになっている。
 と、言うよりこの作品がイメージ確立に貢献した率も高いのだろうが。

怪異たち

 花子さんは「闇の世界」と呼ばれる異世界(死後の世界とほぼ同義と思われる)の住人であり、同じく本来はそこの住人である怪異を強制的に送り返している。
 そのため「異次元」に関わる怪談が多くなっているのも作品の特徴である。

 退治方法はスカートに付いたチューリップ型のアップリケ「幽霊しばりアップリケ(初期は呪符アップリケ)」を投げつけるのが基本だが、ハーモニカで霊を鎮める事、相棒の毛玉「ホワホワ」のサポートも見逃せない。 
 マントを羽織るなどなぜか洋風なパパ(攻撃方法は吸い込み等)や髑髏のペンダントを投げつけ退治するツンデレなライバルも存在するなど、どことなく魔法少女のフォーマットに則っていると言うのは気のせい……だろうか? ほら、マスコットもいるし?


 ところで、怪異の方は都市伝説に登場する現代妖怪が多い。
 ほとんどがオリジナルの話だが、従来の都市伝説の翻案となっているものも存在し、口裂け女のように一定の行動パターンや退治方法を持つ輩は多い。かと言って、侮れはしないのだが。
 二種類いる「赤い靴の女の子」や「謎の自販機」など『』に出てもおかしくない連中が多いと言えばわかるだろう。

 何せ対処法を覚えようとする努力はほとんどが無に帰す。
 対処法自体が噂に伝わっていない場合も多く、花子さんに来てもらえなかった遭遇者たちは偶然でその方法に至るしかないが、そんなご都合主義は少数である。

 それ以前に、対処法が全く存在せず行き当たった時点でアウトな連中も多かったりする。そいつらは特に残酷だったり、存在自体が理不尽である。
 「トンカラトン」や「さっちゃん」と言った、作中でシリーズ化されたオリジナルの怪談の場合はさらに極端かつ理不尽。ルールを逆手に取って犠牲者を量産していたりする。
 造形自体がシュールで意味不明だからこそ恐怖が倍増するのか、その場合は出自がはっきりしない怪異も多い。逆にいい味を出している奴もいるが。


書籍について

 一冊につき、10P程度の短編が二十本程度、それに同程度の分量の漫画が三本収録されている。挿絵は数人の漫画家が分担しており、画風は様々。
 ただ、全員がホラー漫画家なのでおどろおどろしいと思ったらやっぱりそうだったり、萌え絵かと思ったらそこから突き落とされたりと油断は禁物。
 基本は子ども向けなのだが、先に述べた通り油断の出来ない恐怖がある。
 Amazonの商品ページに詳細かつ愛の込められたレビューがあるので参考にするのもいい。

 なお、10年のスパンを経て復活した新シリーズは花子さんの出現頻度が上がっているため従来の恐怖を期待できないと言う声もあるが、やはり光る話もある。
 また、花子さんそのものにスポットを当て、巨悪との対決を描いた連続ストーリーが収録されるなど、そちらの面でも強化が図られている。


関連動画

アニメOP

代表的な怪異


リンク

Wikipediaでの記事
公式webサイト
Amazonの商品






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最終更新:2011年10月07日 21:39