ケルト語派


インド・ヨーロッパ語族の1語派。東ヨーロッパかアナトリア(現在のトルコあたり)にいたインド・ヨーロッパ語族の祖先のうち、徐々に西方に移動し現在の東部フランス、南西ドイツ、北部スイスのあたりに住み始めたのがケルト系の民族である。紀元前5世紀にはより勢力を伸ばし、フランス全域やブリテン島(現在のイギリス)にも広がった。ラテン語の中の乗り物関係の語は、多くがこの言語から来ている。

その後ローマの勢力の拡大でロマンス系の言語が同地域に広がり、またブリテン島には英語が広がり、現在ケルト語派の言語は絶滅したり限られた地域でしか使用されなくなった。



ケルト語派は大雑把にまず島嶼ケルト語と、大陸ケルト語に分類できる。島嶼ケルト語は、QとPに分けることができる。これは古い時代のインド・ヨーロッパ語族の kw が、Q[カ]のまま残されている言語と、P[パ]という全然違う音になってしまった言語の区別である。大陸ケルト語は、昔ヨーロッパ大陸の広い範囲にケルト語が分布していた時代の言語だが、残されている資料も少ないのでどの言語に似ているとか近いとか言えない、「その他」の言語である。

ゲール語(ゲーリック語)(Qケルト語)
 古アイルランド語
  アイルランド語(アイルランド・ゲール語)
  スコットランド語(スコットランド・ゲール語)
  マン島語(マンクス語)死語・復興の試み
ブリソン諸語(Pケルト語、ブリタニック語)
 ウェールズ語
 カンブリア語
 コーンウォール語 死語・復興の試み
 ブルトン語(ブルターニュ語)
大陸ケルト語
 ガリア語(ゴール語)
  ガラティア語(ガラテヤ語)
  レポント語
 ルシタニア語 死語
 古代リグリア語 死語
 ケルトイベリア語
 ノール語
 ケルト語碑文の諸言語

オーガム文字 ogham オーム
古代のケルト語を記すのに用いられた文字。3世紀ごろ、南アイルランドにてラテン字に影響を受けて作られたと考えられている。この文字の記された墓碑が多く残されている。基本的に縦書きで、下から上へ書かれることが多い。
最終更新:2013年06月24日 11:33