言語学をはじめるからには、「言語」を捕まえなければなりません。あなたなら、どうやって「言語」を捕まえますか。
言語を捕まえる
現れてはすぐさま消え去ってしまう「話し言葉」を前に、こいつをどうにか捕まえられないか、と考えたときに「書き言葉」≒文字が生みだされました。
なるほど、文字なら(あんまり)逃げも隠れもしない。そこで、一つの方法に
というのが思いつきます。実際、言語学のはじまりは大量の文献を分析することから始まりました。ただ、文字言語は「音声言語が先にあって、二次的に生まれたもの」です。「音声言語こそが、言語学の対象だ!」という風潮が生まれてきました。どうしますか?
②音声言語を録音してみる
現代なら、そういう方法がすごくもっともらしいです。録音する機械も、簡単に手に入りますもんね。で、録音した音声言語も、結局は「文字おこし」することになります。文字で置き換えます。なんだ、じゃあ最初から「①文字言語を研究する」のと同じじゃないか、と思うかもしれません。
が、文字言語と音声言語は根本的に別物です!研究するときは、そのことに注意しましょう。音声言語を文字おこしすると、結局は文字言語っぽくなってしまう恐れがあります。例えば、「つづりの仕組み」とか「文字の限界」とかがあります。文字言語っぽくなってしまうのがどうしてマズいのかというと、「なんか自然な言語じゃなくなっちゃう感じがするから」です。
できれば、できるだけ
自然な言語を研究したいもの。そのために文字言語じゃなくて音声言語を選んだのなら、その分析の前、文字おこしの段階でなるべく自然さを保てるように気をつけましょう。
ただし、自然であることが必ずしも大切ではありません。なんなら
③インタビューとかで言語を捻りだす
というのも一つの方法です。「こんなとき、何て言う?」という質問に対して出てきた答えは、自然にフツウに使われる言語とはちょっと異なるかもしれません。でもそうでもしないと、知りたい情報が得られないこともままあることです。もちろん、自分の頭の中で判断する「内省する」方法もあるでしょう。
あとは、研究したい内容によっては
④言語の使用実態に関する調査を行う・文献にあたる
なんていうのも一つの方法ですね。
ここでは、ごく自然な言語を研究したい、という立場で考えてみましょう。ただの、そこらへんを飛び交うだけの言語は、捕まえにくいものです。
音声言語とは別物というのを理解したうえで、文字言語を研究する
あるいは
なんとか音声言語を録音して、文字おこしして、研究する
というのを前提に、研究をはじめてみましょう。例えば日本語の場合、すでに大量の言語データが記録されています。そういうのを利用してみましょう。気楽にgoogle検索で文字言語を調べることも、やりかた次第では可能です。
こういう方法を取る場合に面倒だけど大切なのが、大量のデータを集めることになります。
最終更新:2015年09月10日 14:49