クレムリン(オリジナル)



このゲームは3-6名、50歳以上、20分~2時間でプレイ可能です。
このオリジナルのスイス・ルールはAvalon Hill版(1988)と若干のルール上の違いがあり、ゲームが与える印象は異なるでしょう。

準備


マニュアル4ページの図のように「政治局(Politeburo)」を揃えます。

  • 最上位が書記長の席です。
  • 第1列がKGB長官、外務大臣、国防大臣の席です。
  • 第2列がイデオロギー大臣、産業大臣、経済大臣、スポーツ大臣の席です。

その下に候補者(Candidate)の席があります。

その下に人民(People)が位置し、シベリアとクレムリンの壁もあります。

Nestor Aparatschikの同志カードをゲーム開始時のものとして書記長の席に配置し、病気マーカーを1個乗せます。

他の7枚の同志カードをランダムに7つの席に配置します。さらに候補者の位置に5枚の同志カードを配置します。残りの同志カードは人民の位置に、全部が見えるように置いておきます。

プレイヤー全員に「影響宣言シート」1枚とペンを配ります。

秘密の影響記録


全員、影響宣言シート上の10人の同志の欄に、自分が与えたい影響力を記録します。数字は1から10で、影響力を意味します。10が最大で、以下数字が小さいほど影響力が少なくなります。病んで老いたNestor Aparatschick以外の任意の同志に対して、その地位に無関係に影響力を振り分けられます。

影響の宣言


ゲームを開始する前に、プレイヤーはどのように同志を動かすかを理解しなければなりません。
プレイヤーは、ある同志に対する影響ポイントをいつでも宣言できます。同志は常に、その時点でもっとも多くの影響ポイントを宣言しているプレイヤーが操れます。影響を与えているプレイヤーは、より高い影響を宣言したプレイヤーが登場して覆されない限り、その同志のすべての行動を決定できます。

影響の宣言(コントロールの奪取)はいつでも行うことができます。ある同志を操るプレイヤーがその同志の行動(粛清や捜査)や投票を宣言した後にですら可能です。コントロールを奪取したプレイヤーは、もとのプレイヤーが宣言したすべての行動の実行をキャンセルさせることができます。ただしキャンセルを行えるのはサイコロを振る前や次の候補の投票を開始する前までです。その意味で、それらの行動を行う前には誰かがキャンセルを行わないかどうかを適当な時間だけ(5秒くらいか)待つべきでしょう。

プレイヤーは割り当てた影響ポイントの値を宣言しなければならないというものではなく、より小さい値を小出しにできます。割り当てたより多くの値を宣言することはできません。まれに、複数人がまったく同時に同じ値を宣言してしまうことがありますが、その場合には年長者を優先としましょう(滅多に起こらないことなので、若い方は心配しないように)。

訳注:ここはAH版のように、同じ値で競ってどちらもそれ以上は上げられなかった場合にはサイコロを使う、が妥当と思われる。

ゲームで早々に自分のすべての影響ポイントを明かすべきではない理由がいくつかあります。第1に、他のプレイヤーがその同志に影響ポイントを与えていなかった場合には、その同志を真っ先にシベリア送りにしようとしてしまうためです。第2に、たとえ10ポイントをこっそり与えていたとしてもそれで確実にその同志を掌握したとは限らず、実は他に10ポイントを与えたプレイヤーにより奪取される可能性があるからです。
その同志を動かして他のプレイヤーが何かを行おうとする前に、しばしばすばやく宣言をしてそれを阻止する必要はありますが、しかし時には、そのプレイヤーが行おうとする行動を止める理由がないかもしれません。

誰の影響下にもない同志は治療や粛清を含む、何の行動も行えません。ただし外務大臣に限り例外があります(フェイズ5)。

終了


勝者はもっとも成功した同志(フェイズ8)にもっとも多くの影響ポイントを配分できたプレイヤーです。回数が等しかった場合には、その時にその同志を操って「いなかった」ほうのプレイヤーの勝ちです。内緒で配分してあるポイントはゲーム中は変化しませんので(オプションルールによる例外あり)、ゲーム早期に戦略を立てる必要があるでしょう。

一年の流れ


ゲームは1951年、80歳の病んだNestor Aparatschikが書記長の座にいるところから始まります。
1年は8つのフェイズから構成されます。

フェイズ1:治癒


政治局に属する病気の同志は1人ずつ順番に(上から下、左から右に)、Gorkyに行って治療するかどうかを決めます。行けばその年はクレムリンから去る(すなわち投票などは行えない)ことになります。治療中であっても同志はその地位を維持しますが、降格や昇進されることもあり得ます。治療中の同志には「治療」マーカーを置きます。
病気のまま治療をしない同志は1ストレスポイント(SP)を受けます。
書記長は病気の有無、治療中であるかどうかにかかわらず、常に1SPを受けます。
SPはその「年齢」をその分だけ、実年齢よりも増やします(その量は数字マーカーで示します)。

フェイズ2:KGBによる粛清


KGB長官は同志と候補者をシベリア送りにすることを試みられます。それには同志を指名したうえでサイコロを振ります。書記長を粛清するには18以上を出さねばならず、第1列の同志を粛清するには14以上、第2列の同志を粛清するには10以上を、候補者を粛清するには6以上を出さねばなりません。人民は粛清できません。粛清を行おうとする同志が治療中である場合には、サイの目に3を加えます。
粛清に成功した場合、その同志はシベリアに行きます。病気は老化はそのままであり、治療はできません。
粛清に成功した場合、KGB長官(またはその代理人)に1SPを加えます。さらに望むならば粛清を続けられます。
粛清に失敗した場合、KGB長官(またはその代理人)に3SPを加えます。さらにその年はもう粛清を行えません。
KGB長官が不在(治療中など)である場合には、代理人が粛清を行えます。その権限はイデオロギー大臣、書記長、産業大臣の順に委譲されます。

フェイズ3:帝国主義者のスパイ


国防大臣は望むだけの同志を対象にスパイ捜査を行えます。捜査に着手するコストは、国防大臣に1SPを課するだけです。捜査の対象となっている同志には「?」の嫌疑マーカーを置きます。大臣は、同志に先年につけられた嫌疑マーカーを除去することもできます(これはコストなしで行えます)。

国防大臣は先年から嫌疑マーカーをつけられている同志1名をスパイとして糾弾できます。糾弾に成功するかどうかは地位の順(上から下、左から右)の投票によります。反対者2名が出なければ糾弾は成功であり、その同志はシベリアに送られます。この場合、国防大臣はSPを受けません。
糾弾に失敗すれば国防大臣は3SPを受け、その同志の嫌疑マーカーは除去されます。

嫌疑を受けている同志も1票を持ちますので、同志が治療中の方が糾弾は成功しやすくなります。

加えて国防大臣は、捜査をせずに候補者1名をシベリアに送れます。このとき国防大臣は2SPを受けます。

国防大臣が不在(治療中や、フェイズ2で粛清された場合)の場合には、その権限は外務大臣、KGB長官、書記長、産業大臣の順に委譲されます。

嫌疑マーカーがついている候補者は、このフェイズの終わりに1SPを受けます。

フェイズ4:健康


同志ごとにサイを振り、チャートで結果を確認します。
「IM AMT」は「執務中」の意、「IM SANATORIUM」は「治療中」の意です。
サイを振ってその目を年齢(SPによる加算を含む)と照らし合わせます。

G 健康。赤十字マーカーがあれば1個取り除きます。
- 変更なし。
K 病気。赤十字マーカー1個を加えます。
A 重篤。赤十字マーカー2個を加えます。
T 死亡。

赤十字マーカーが3個になった同志は死亡します。

死亡した同志はクレムリンの壁に送られます。その同志を操っていたプレイヤーは、もはやそれを行えません。

フェイズ5:葬儀委員長の選出


フェイズ4で書記長が死亡した場合には、ソビエトは次の書記長となる「葬儀委員長」を選出しなければなりません。また書記長が死亡していなくてもシベリア送りになっていれば、その同志は「重病」と見なされ葬儀委員長の代わりに「代理人」を選出します。行うことは同じです。

最初に発言権を持つのは外務大臣です(外務大臣が空席であれば、その権利はイデオロギー大臣、KGB長官、経済大臣、スポーツ大臣、防衛大臣の順に委譲されます)。外務大臣(またはその代理人)は、第1レベルの同志の中から 自分以外の 同志を1人推薦します。第1レベルに同志が1人もいなければ、第2レベルから推薦します。

その推薦に対して同志の投票を行います。 異議が3票以上 出なければ決定です。推薦された同志には投票権はありません。異議が3票以上出れば否決され、推薦者は1SPを得ます。彼は反対票を投じた3名以上の同志の中から次の推薦をせねばなりません。同様に決を採ります。2回目も3名以上から否決された場合には、推薦者自身が次の書記長になります。このときには投票は行われません。

治療中の同志は投票権を持ちませんが、推薦されることは可能です。

<年長者ルール>外務大臣(またはその代理人)がどのプレイヤーの影響下にもない場合には、もっとも年長の同志を推薦します。これは誰の影響下にもない同志が「行動」をする唯一のケースです。

フェイズ6:人事異動


書記長は、次の行動を行います。

  • 同一レベル内の同志の左右の入れ替え。これはSPを蓄積せずに行えます。
  • 同志・候補者・人民の間の上下移動。1人1レベルの移動1回につき1SP。上下の「交換」は1人を下げて1人を上げるため2SPが必要であることに注意してください。
  • ポストを空席にしておいて構いません。
  • 書記長は、自身を降格させることはできません。

その後、レベル1の空席を(左から右に)レベル2の年長者から順に上げて埋めていきます。

この時点でKGB長官は、レベル2に空席があれば候補者を選んで昇進させられます。1人につき1SPかかります。書記長のような、降格や他の異動を行うことはできません。
KGB長官の後、まだ空席があれば外務大臣、国防大臣の順にそれを行えます。

その時点でレベル2に空席があれば、(左から右に)候補者の年長者から順に上げて埋めていきます。このとき候補者の人数が足りなければ、人民から2階級昇進をして埋めることもできます。

その後、同様にしてレベル2の同志は、左から右の順に、候補者の空席を人民から選んで埋めることができます。

まだ候補者に空席があれば、年齢順に人民から埋めます。

このフェイズでは、人民から2階級昇進して同志になる可能性もあります。

フェイズ7:復権


同志は、シベリアに送られた者の復権を行うことができます。これは5SPかかります。復権した者は人民の所に移動します。SPを払えば、複数人の復権を行うことができます。

フェイズ8:10月パレード


治療に行っていない書記長は、10月パレードの演台に立ち手を振ります。これは健康であれば容易なことです。しかし病気(+)であればこれは1SPを要するうえ、サイコロで8以上の目を出さねばなりません。重病(++)であれば2SPかかり、サイコロで15以上を出さねばなりません。

成功すればパレード・パッドにそれを記録します。失敗したら0を記録します。翌年の治癒フェイズに進みます。

ゲーム終了


ゲームは3回手を振った書記長が勝利して終了します。連続していなくても構いません。
またフェイズ6で、すべての同志を埋められなかった際には勝者なしで終了します。
上記のいずれも達成しなかった場合には、1960年のパレードで手を振れた書記長が勝利します。
1960年に書記長が手を振れなかった場合には、1961年のフェイズ5での書記長が勝利します。

大きな宣言


ゲームの終了時に、全員が影響ポイントを公開します。そのときに、勝利した書記長にもっとも多くのポイントを与えていたプレイヤーが勝利します。
複数人が同数を与えていた場合には、誰がそれを操っていたかにかかわらず勝者はなしです。誰もその書記長にポイントを与えていなかった場合には、全員が平民です。





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