漢方薬データベース 小柴胡湯
【漢方薬名】
小柴胡湯(しょうさいことう)

【組成】
           |柴胡| 半夏| 生姜| 人参| 大棗| 甘草| 黄芩|
ツムラ  7.0g  5.0g  1.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g
小太郎  7.0g  5.0g  1.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g
クラシエ  7.0g  5.0g  1.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g
ウチダ  7.0g  5.0g  1.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g
テイコクメディックス  7.0g  5.0g  1.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g
JPS  7.0g  5.0g  1.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g
東洋薬行  6.0g  5.0g  4.0g  3.0g  3.0g  2.0g  3.0g


【適応症状】
 体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症状:
 ・諸種の急性熱性病
 ・肺炎
 ・気管支炎
 ・感冒
 ・胸膜炎
 ・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法
 ・リンパ腺炎
 ・慢性胃腸障害
 ・産後回復不全
 ・扁桃腺やリンパ腫の腫脹

 慢性肝炎における肝機能障害の改善にも用いる。


【効能効果等】
 「胸脇の熱証」による胸脇苦満、心下痞硬、口苦、往来寒熱等のあるものに用いる。
 しばしば「脾胃の熱証、脾胃の水毒」の食欲不振、悪心、嘔吐等と、「肺の熱証」の咳漱等と、時に「胸脇の熱証による精神症状」を伴うものに用いる。
 急性熱性病が4日5日とながびき、胸脇苦満、口苦、食欲不振などを現し始めた時期に用いるのがよい。

 ・六病位 :少陽病
 ・八綱分類:裏熱虚証


【用法・用量】
 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

【使用上の注意】
(1)重要な基本的注意
1.慢性肝炎における肝機能障害で本剤を投与中は、血小板数の変化に注意し、血小板数の減少が認められた場合には、投与を中止すること。

2. 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。
なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。

3. 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止すること。

4. 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

  • (警告)
1. 本剤の投与により、間質性肺炎が起こり、早期に適切な処置を行わない場合、死亡等の重篤な転帰に至ることがあるので、患者の状態を十分観察し、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)、胸部X線異常等があらわれた場合には、ただちに本剤の投与を中止すること。

2. 発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

  • (禁忌)
1.インターフェロン製剤を投与中の患者

2. 肝硬変、肝癌の患者
[間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある。]

3. 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者
[肝硬変が疑われる。]

 ・慎重投与
 著しく体力の衰えている患者は、副作用が現れやすくなり、症状が増強される危険がある。
 慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が15万/mm3以下の患者(慢性肝炎における肝機能障害で本剤を投与中は、血小板数の変化に注意し、血小板数の減少が認められた場合には、投与を中止すること。 )→肝硬変に移行している可能性がある。


(2)相互作用
《併用禁忌》
<薬剤名等>
 ・インターフェロン製剤
 ・インターフェロン-α
 ・インターフェロン-β

<臨床症状・措置方法>
 間質性肺炎があらわれることがある。

<機序・危険因子>
機序は不明。

《併用注意》
<薬剤名等>
1)甘草含有製剤
2)グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
3)ループ系利尿剤 (フロセミド、エタクリン酸)
4)サイアザイド系利尿剤 (トリクロルメチアジド)

<臨床症状・措置方法>
 偽アルドステロン症があらわれやすくなる。
また、低カリウム血症の結果として、ミオパシーがあらわれやすくなる。

<機序・危険因子>
 グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。


(3)副作用
 ・重大な副作用
1. 間質性肺炎(0.1%未満) (黄芩)
 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

2. 偽アルドステロン症(0.1%未満) (甘草)
 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

3. ミオパシー(頻度不明)
 低カリウム血症の結果として、ミオパシー、横紋筋融解症があらわれることがある。
脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
 ・ミオパシー、横紋筋融解症(頻度不明)(低カリウム血症の結果として現れる)(甘草)
 ・脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇(カリウム剤の投与等の適切な処置を行う)

4. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

 ・その他の副作用
過敏症…発疹、そう痒、蕁麻疹 (0.1%未満 )

消化器… 便秘  (頻度不明 )
     食欲不振、胃部不快感、嘔吐、下痢 (0.1~5%未満 )
     悪心、腹痛 (0.1%未満 )

泌尿器… 血尿、残尿感、膀胱炎 ( 頻度不明 )
     頻尿、排尿痛 (0.1%未満 )


(4)高齢者への投与
 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。


(5)妊婦、産婦、授乳婦等への投与
 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。


(6)小児等への投与
 小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)


【その他】
  特異なにおい




【類方鑑別】
 ・大柴胡湯 :より実証、便秘あり。胸脇苦満が強い。少陽陽明の合病。

 ・柴胡加竜骨牡蠣湯 :胸脇苦満に加え、不眠、イライラ、不安などの精神症状と心下の動悸を触れることが多い。

 ・柴胡桂枝湯 :胸脇苦満と腹直筋の緊張がある。太陽と少陽の併病。

 ・半夏瀉心湯 :虚証に用いる。胸脇苦満弱く、手足倦怠。

 ・補中益気湯 :胸脇苦満なし。下痢、腹中雷鳴などの症がある。