「緊張していますね。肩の力を抜きましょう!」 と、よく言いますが、
言うは易しで、力を抜くほうはなかなかできないものです。
肩に力が入っている状態では、例外なく、下腹部から下が脱力しています。
上が力んで、下が脱力してアンバランスな状態なんですね。
ですから、肩の力を抜くには、肩の力を抜こうと無理やり意識するのではなく、
逆に、下半身、特に下腹部のへその下あたりに重心を持ってくるようにします。
ここは、ヨガや武道では「丹田」(たんでん)と呼んでいます。
実際、そういう場所があるのではなく、自然な呼吸、人間本来の自然な姿勢、動きを求めていくと、自然にそこに力の中心点ができてきます。
また、逆にそこに体の中心を意識するトレーニングをすることによって、丹田を作っていきます。
わたしは、ヨガが生活の一部になって30年ほど経ちますが、常に丹田を意識しています。
急に、丹田を意識しなさい。と言われても無理だと思いますが、以下の方法は比較的簡単だと思います。
椅子に座るか、床の上に正座かあぐらをかいて座ります。
鼻から、ゆっくりと確実に、少しずつ息を吸って、空気をお腹と肺いっぱいまで吸い込みます。次に肛門をきゅっと締めます。このまま20秒ほど息を止めています。意識はへその下あたりに置いてリラックスします。それから、鼻か口からゆっくりと、しっかりと、息を吐ききります。息を吐ききったら、すっと力を抜きます。そうすると、腹筋の復元力で自然に、少し、息が体に吸い込まれます。これを数回繰り返します。
肛門を締めていると、肩の力は確実に抜けています。
ヨガの座法を行なうときに、ヨガの指導者は常に、肛門を締めるように指導します。
これは、上半身、特に肩の力を抜くのに効果的だからです。
これは、練習していると自然にできるようになります。
※息は必ず鼻から吸い込んでください。吐く息は鼻、口どちらでも構いませんが、口から吐く場合は、「はーっ」と一気に吐かないで、口を細かく丸く開けて、「スーっ」と吐いてください。食事直後、入浴直後を行わないでください。
最終更新:2009年01月12日 19:26