【ストーリー】


 西暦2151年1月。
 月地殻下遺跡において発見された兵器群の稼働によって勃発したレーバキューン戦役は、外宇宙系の文明である銀河連邦との交戦、共闘を経て、多大な損耗と共に終結を迎えた。
 ささやかにも楽園と呼べる場所は失われ、地球上には疲弊しきった大地だけが残った。いつか訪れるであろう種の終わりの黄昏を、穏やかな時間の中で謳歌するのみの日々……それは、有史において人間が初めて手にした、戦いなき世界だった。


 しかし、西暦2151年10月。
 一夜にして人類は、一部の軍属による私兵隊"Mephist"、ひいては彼らが掌握した月遺跡技術の操り人形と化した。
 それは、人間としての尊厳を失わなかった者の行動だったろうか。
 それとも、それを全て失い、滅びへと走った狂気だったろうか。
 "Mephist"は自然気流を利用した環境操作技術でナノマシンを地球全土に散布、月基底より発信される指令を元に、地上の人間の自律を奪って慣性行動による戦闘行為へと走らせたのである。
 地球圏に闘争の嵐が吹き荒れた。唯一、地球を挟んで月と対角を結ぶ衛星軌道上に待機していたため、その影響を受けなかった遊撃部隊"ARKS"を除いて……そして今や、全ての人間と兵器が、彼らにとっての敵に他ならない。

 "ARKS"はメフィストに対する抗戦と統合政府軍の機能回復を至上目的とし、超高機動小型戦闘機部隊"13Constellations"を中核に据えた、地球上のナノマシン指令中継基地に対する強襲作戦を立案、即時にこれを開始した。

 それは、訪れる黄昏を早めないための絶望的な戦いにして、死中より希望を得る騎行。
 全ての運命は彼らの駆る翼に。そして"BROKEN THUNDER"の中に――



【機体解説】


●Fire-Leo 05VC "SYREX"

 銀河連邦によって開発された新型試作超高機動小型戦闘機。所属隊はFire。
 高機動による荷重を効果的に分散させて逃がすダイヤフレームが採用されている他、小型化の上で二連に拡張され、様々な特殊用途にその出力を流用出来るVTCU(ヴァリアブルサンダークローユニット)を試験的に搭載した機体。

 レーバキューン戦役において銀河連邦艦隊に実戦配備されたが、パイロットたちはそれぞれ自身の習熟した機体を使用したため、活躍の場は無かった。
 戦役末期で乗機を失ったヴォルフが受領、運用も為され、専用機体として自身による再調整を経た上で、一〇機の量産型と共に"13Constellations"に配備された。



●RVR-03G1 "BRACER"

 正式名称 "Rebellion Vector Reproduction 03 Gemini"
 レーバキューン戦役において鹵獲され、統合政府軍へと猛威を振るい、後に撃破された"ANONYMOUS"の戦闘記録を基に、ヴォルフ・ブランディッシュによって設計・開発された"ARKS"所属の新型戦闘機。所属隊はAir。

 "SYREX"のダイヤフレーム技術と新型の特殊羊水を採用しており、常人に扱える利便性と、旧型機と比べても遜色の無い性能を、パイロットを高荷重から保護した上での高機動を実現することで両立させたバランス重視の機体。
 火力面では旧型機や"SYREX"にやや劣るが、整備性や汎用性が飛躍的に進化しており、兵器としての取りまわしに優れている。



●RVR-03G2 "BROKEN THUNDER"

 正式名称 "Reincarnation Vecter Reproduction 03 Guardian Gemini"
 レーバキューン戦役において、最終決戦に使用された"BROKEN THUNDER"を改修したマイナーチェンジ機。
 "SYREX"の調整アーキテクチャや"BRACER"のプロトタイプとしてのボディ再設計を経たことにより、両機体の性質との親和性を高めて整備性を得た一方、基本出力と追加バインダーによるヨーモーメント作用点の増加によって、常人には扱えない高性能に一層の拍車がかかっている。この低い汎用性を根本的に見直したのが"BRACER"である。

 "CENES (Central Electronic Neuron Emulation System)"という独自のパイロットサポートシステムを搭載、このシステムはまるで意思持つ知性体のように振舞う。
 そのあまりに特異な出自もあって、"ARKS"によって厳重に封印、保管されている。



【パイロット解説】


●Wolf Brandish / ヴォルフ・ブランディッシュ

 性別:男性 年齢:26歳
 13Constellations隊長 地球統合政府軍技術大尉

 民間スタッフの技術者でありながら戦闘機パイロットとなった男。性格は多少皮肉っぽい部分があるが陽気で憎めない。
 二度の戦役を戦い抜いた戦闘機センスはいよいよ円熟の域に達しようとしている。高機動に耐えられるよう強化された肉体も健在。

 レーバキューン戦役後、穏健派の一員として地球衛星軌道上の哨戒、技術開発、銀河連邦より受領した機体群の管理を任されており、また技術者としても"ARKS"において欠かせない男。


●COHЯ T COPOKA / ソーニャ・T・ソローカ

 性別:女性 年齢:16歳
 13Constellations所属 地球統合政府軍軍曹

 出産と育児による欠員の出た"13Constellations"に配属された新入り。
 士官学校時代から素行不良と机上成績の不振、そして戦闘機操縦に関して右に出る者がおらず、レーバキューン戦役の最前線においても、型遅れの機体で圧倒的能力を表わし、防衛の一線を担っていた。
 一切の無駄を挙動から省いた超級の操縦センスと、破滅的とも言える勤務態度により、戦後しばらくして"ARKS"に配属、なし崩し的に"BRACER"の搭乗者となる。

 『とにかくあらゆるものから自由になりたい性格』なのだが、他人はもちろん自身もその性向を全く理解していないために常日頃から何かと衝突している。

 究極とも言える集中力を持ち、それが発現した状態を、重く大きな扉が開くような感覚をおぼえることから「ゲートを通る」とソーニャ自身名付けている。
 「ゲートを通った」彼女曰く、全ての敵の動きが止まったかのように見え、自身が機体そのものになったかのような感覚になるのだという。スポーツ選手に良く見られる「ゾーンに入った」状態である。
 これは難のある性格も含め、常人とは性質を異にした脳内物質の作用に起因している。


【用語解説】

 ●Fire-Leo 05VC "SYREX" / サイレックス

 前戦役で銀河連邦軍のプロジェクトチームが総力を挙げて開発、FL-03の安定性とFL-04の火力を高次元で融合させた新型試作超高機動小型戦闘機。
 高機動による荷重を効果的に分散させて逃がすダイヤフレームが採用されている他、小型化の上で二連に拡張され、様々な特殊用途にその出力を流用出来るVTCUを試験的に搭載したプロトタイプである。
 レーバキューン戦役において銀河連邦艦隊に実戦配備されたが、高次のパイロット能力を要するハイエンドの機体であり、銀河連邦軍のエースパイロット達もそれぞれ自身の習熟した機体を使用したため、活躍の場は無かった。
 戦役末期でようやく、乗機を失ったヴォルフによって運用が為され、専用機体として自身による再調整を経た上でコンステルレーションズに配備された。

 なお、Fire-Leo 05の形式番号は、銀河連邦ではなく統合政府軍における登録名である。
 コンステレーションズにおけるヴォルフの所属隊(Fire)と機体用個別コード(Leo 05)の組み合わせから命名されたものであるが、これは銀河連邦の技術者へ敬意を表し、元々の形式番号を改変することなく残したかったという、ヴォルフによる登録の際の意図的工作が由来である。

 VCは「Variable Construction」、VTCUによる用途可変タイプとしての登録名。
 高火力を重視した"攻め"の機体の宿命か、機体損耗が激しい上、各種の装甲材質が地球圏には存在しない物質から生成されたものであるため、非酸化セラミクス化合物の塗布による延命的処置が常に迫られる、寿命性を孕んだ機体である。


 ●"SYREX" Massproduction Model / 量産型サイレックス
 レーバキューン戦役末期、追加増援として銀河連邦より地球圏へ送り込まれたサイレックスの量産型。
 戦役における過大な損耗によって防衛力を消失した地球統合政府軍へと、第一期生産分となる一〇機が寄贈された。この時点では本機のスペックを満足に引き出せるパイロットは、銀河連邦にも地球圏にも存在していなかったため、この処置は共闘を推し進める銀河連邦側のパフォーマンスである。
 戦後処理において、ヴォルフによる調整を経てコンステルレーションズに配備、ならず者たちの愛機となる。

 VC型の基となったプロトタイプに搭載されているVTCU機能はオミットされているが、調整後のダイヤフレーム改良により機動安定性はVC型よりも向上、結果的に機体の損耗性が抑えられた、コスト的にも優秀な機体に仕上がっている。

 CLAWとCRAWを任意選択可能な機体であり、CLAW装備時はサンダーソード、Craw装備時はオーバーウェポンが使用可能であるが、安定志向の設計であるためソードは一連収束で威力はVC型よりやや低下しており、CRAW時の装備数も一つ減って二つとなっている。
 一方でチャージ速度を重視した調整がされているため、VC型や"BRACER"に比べると、各機能がある程度連射性に優れている。
  (本バージョン未登場)


 ●RVR-03G1 "BRACER" / ブレイサー

 正式名称「Rebellion Vector Reproduction 03 Gemini」。
 レーバキューン戦役において鹵獲され、統合政府軍へと猛威を振るい、後に撃破された"ANONYMOUS"ことRVR-03 "SWORD BREAKER"の戦闘記録を基に、ヴォルフ・ブランディッシュによって設計された"ARKS"所属の新型戦闘機。所属隊はAir。
 "SYREX"に採用されたダイヤフレームと、ヴォルフによって研究が進められていた新型特殊羊水を採用、パイロットを高荷重から保護した上での高機動を実現することによって、常人に扱える汎用性とかつてのRVRシリーズと遜色の無い性能を両立している。
 追加兵装を換装する際の隙を一時的に補うシークエンスである"Aegis Guard"がヴォルフの手によって試験搭載されている。
 VC型に比べると、"守り"の機体である。

 コンステルレーションズのならず者たちが、既に"SYREX"各機に各自のチューニングを施していたため、余り物扱いで隊において最も新入りであったソーニャの乗機となった。
 そのため、Aqua隊の欠員補充であるはずのソーニャが実質Air隊の一員として組み込まれているというややこしい事態が発生しているが、本人以外は誰も気にしていない。


 ●RVR-03G2 "BROKEN THUNDER" / ブロークン・サンダー

 正式名称「Reincarnation Vecter Reproduction 03 Guardian Gemini」。
 データベース上ではレーバキューン戦役において、最終決戦に使用された"BROKEN THUNDER"のデータを元に再開発、再調整した機体と記録されているが、実際は原型機であり、レーバキューン最終決戦時に"守護者"と名乗る存在が、統合政府軍の最新鋭機にしてロストナンバーであるRVR-03 "SWORD BREAKER"をベースに開発したそれそのもの。
 本機はその上で、量産型サイレックスとブレイサーに採用された各種機構のアーキタイプとしてボディ構造を再設計されたものであり、外見そのものは多少異なる。
 全てのオーバーテクノロジーを葬る"HATATAGAMI"としての性質は何ら損なわれていないため、コンステルレーションズによって厳重に封印、保管されている。

 "CENES (Central Electronic Neuron Emulation System)"という独自のパイロットサポートシステムを搭載、このシステムはまるで意思持つ知性体のように振舞う。
 これは元来のAIであった"守護者"と、パイロットであった人物の各種素子マップが融合、再構成されて生じた、まさしく未知なるシステム。
 サイレックスの調整アーキテクトやブレイサーのプロトタイプであることから両機体の武装とも高い親和性を持っておりため、両者の能力をそのまま運用可能。



 ●ARKS / アークス

 正式名称「All Round Kinetic Satellite-force」。
 衛星軌道上における汎的活動艦隊……と、聞こえこそ良いが、実際は四隻の艦とSYREX部隊による、あり合わせの独立愚連隊に近い。レーバキューン戦役において最終的に銀河連邦と共闘した人物たちが集められており、地球軌道における哨戒と遊撃を任としているが、ソーニャのように"流刑地"として配属される者も少なからず存在する。
 その背景には、レーバキューン戦役後も月遺跡群を何らかの形で活用しようと考える急進派と、遺跡群の利用を危険とする穏健派など、軍内部における様々な派閥同士の思惑の対立がある。


 ●13Constellations / コンステレーションズ

 "ARKS"における"SYREX"部隊の通称。
 Fire・Earth・Air・Aquaにチーム編成されており、基本は三機を一部隊として作戦任務に従事する。ヴォルフとソーニャ以外の隊員の乗機は量産型SYREX。
 13の数字が冠されているのは、"BROKEN THUNDER"の存在があるため。


 ●VTCU / ヴァリアブルサンダークローユニット

 小型化と安定化を達成し、さらにその大出力を様々な用途に転用可能にしたTCUの発展モデル。"SYREX"のプロトタイプ=後のVC型に搭載された。
 VTCUは銀河連邦において評価試験を終えていなかったが、ヴォルフの手により実用レベルにまでチューニングされた。その反面、彼にしか扱えない複雑な操作系と整備性も同時に得ることとなった。


 ●TCU / サンダークローユニット

 量産型サイレックスに搭載されたTCUは、試作型に搭載された様々な機能がオミットされており、ニ連のメリットも出力の向上と安定のみに留められている。
 だが、その大出力とサンダーソードの火力は健在。


 ●Craw / Compact Ray-art Acceleration Weapon

 レーバキューン戦役以後に失われた技術だったものを、
 ヴォルフが銀河連邦技術のClawを参考にして技術復元したもの。
 性質的には旧Crawと同様だが、Claw技術の応用により性能は上がっている。


 ●Aegis Guard / イージスガード

 追加兵装装着の際、機体を保護するバリアーをわずかの間に発生させる試験的装置であり、追加兵装と共にアイテムキャリアーから配備される使い捨て装備。
 防護機構であるものの、ソーニャはこれを使った体当たりなどを敢行したりする。
 もちろん、きわめて想定外の運用方法である。


 ●Synthesizer / シンセサイザー

 重力圏離脱及び武装・装甲強化ユニット。いわゆるB型装備。
 "SYREX"と"BRACER"の両機に互換性があるため、"ARKS"がメフィストに決戦を挑む時の切り札でもある。各部品が独立して飛行機能を備えているのが特徴。
 "BROKEN THUNDER"との互換性もある。、 (本バージョンでは未登場。)


 ●Mephist / メフィスト

 月基底遺跡を拠点として地球人類に宣戦布告した、軍上層部急進派を中心とするクーデター部隊。月面からの嵐流を利用したナノマシン散布により、一夜にして地球全土の人類を掌握するに至った。


 ●BG-00 "Black Angel" / ブラックエンジェル

 レーバキューン戦役において消息不明になっていたが、メフィストの戦力として姿を表わす。その暴力的とも言える火力と機動性は健在。、 (本バージョンでは未登場。)

 ●Hyperotron / ハイペロトロン

 空間中に漂うハドロンであり、またバリオンの一種であるハイペロンと、ラドン同位体の希ガス核子を融合させることで生じる、ハイパー核を持つ新種原子の一種。
 連鎖加速器内において融合・分裂反応を起こすことで、膨大なエネルギーを放出しながらも希ガス核子はその位相を変えることなく存在し続けるウルド現象により、FLシリーズは半永久機関として機能する。


 ●Hyperon / ハイペロン

 クォーク物質によって構成されるハドロンである、バリオンの一種。
 ハイペロトロン連鎖加速器を半永久稼働させるのに不可欠な物質である。


 ●Hadron / ハドロン

 クォークによって構成される複合粒子。
 銀河連邦はこのハドロン、特にハイペロンを戦術区域に散布することで、超高機動小型戦闘機・FLシリーズの半永久可動性を実現している。ハドロン内に含有されるグルーオンの存在もその頃から明らかになっていたが、その識別と解析は遅れ、TCUを搭載したFL-04の開発において初めて実現した。


 ●Gluon / グルーオン

 ハドロンを構成する粒子のひとつ。電荷が中性であり、また、色荷を持つため、グルーオン同士においても相互作用が働く性質を持つ。
 TCUはこの相互作用によって電磁気力を発生、その高出力を利用して陽子崩壊を起こし、莫大なエネルギーを生み出すことに特化した超連鎖加速器である。
 グルーオン識別が可能になり、空間中のクオークを無駄なくエネルギーに還元可能になったことにより、ハドロン散布を行うことなくFLシリーズは半永久的稼働が可能となった。
 地球圏のRVRシリーズに採用されている相転移炉も、この原理による陽子崩壊を以って稼働している。


 ●ORN System / オーンシステム

 正式名称:Operational Remodeling Neuro-computer
 オーン恒星系で発見された遺物であり、高度な知性を持った惑星環境改造システム。優れた汎用性を持ち、解析と運用も容易な理想的システムである。
 しかしてその実態は、ある程度まで人類をその叡智によって進化させ、その後は戦乱と闘争による革新を強制、その余地がなければ滅びを与える恐怖の遺物である。
 どのような意図を以って、先人がこのシステムを作ったかは不明。
 メフィストもこのシステムと同様のアイデンティティの下に活動しており、こちらの本体は地球圏の月に存在している。

 ●Galaxy Federation / 銀河連邦

 レオ恒星系を祖とする惑星間連邦。
 複数国間における闘争の歴史を経て発足、宇宙進出に伴う知的好奇心の一致と、星系間の資源管理を共同化したことにより、長きにわたる平和を謳歌していた。
 未開であったオーン恒星系より"ORN System"を発見、これの運用により様々な恒星系の調査と開拓を進めていたが、"ORN System"自体の反逆によって長きに渡る戦いへと突入していく。